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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇

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青田買い(*)

「ひゃ、ひゃい!!」


 同い年、身長もさほど離れていない。しかしタトゥーまみれなのは怖い。しかもメリットはヒトを脅すような語気で話かけてくるので、ホープはひとまず胃薬を飲む。


「あー? ランクCの落ちこぼれじゃないっすか。おれらの邪魔立てするつもりっすか?」


 男子生徒が入ってきた。メリットは、「邪魔してるのはどっちなんだか」とだけつぶやき、その男子の腕を空気の流れで縛り上げる。


「っ!? てめェなにを……!!」

「つかめないモンから逃げられると思う?」


 メリットはその男子生徒との距離感を縮めていく。彼はまったく動けない。

 そして、メリットは腕に魔力をまとう。喧嘩なれしているほうではないし、実際重心の使い方も雑であったが、結局殴る動作だけできれば良いのだ。

 男子生徒の顔は見るに堪えないものへ変怪してしまった。


「うわ……」ホープは息を呑む。

「黙ってないで魔力開放して。もっと来るから」


 されど、ホープはグロッキー状態だった。口を抑えて、吐き気を耐えている状態だ。


「……はあ。青田買いも難しい」


 仕方がないので、メリットはひとりで図書室に迫ってくる生徒たちを相手することを決める。


「まだ完成してない新魔術なんて使ったら私が気絶するし、カイザ・マギアなんて使えっこない。なら……」


 足音が少しずつ高くなっていく。手札は多いものの、魔力は多くないメリットができる対処法とは。


「チクショウ! 同胞がひとりやられたぞッ!!」

「あれは……ランクAのホープだ! アイツがやったんだな!?」


 矛先が怯える少女に向く。この蛮族どもには、蒼白い面構えをしたホープがあの男子生徒を沈めたように見えるのだろうか。


「……好奇心で動いちゃいけないな」


 メリットの懺悔も終わったところで、5人の生徒を相手するためにそちらへ彼女は歩いて行く。

 そんなとき、腹積もりを決めたのか、ホープから魔力が溢れ出てきた。


「……はーあ。自分が乗っ取られてる感覚だよ」


 そんな言葉をつぶやいた矢先、蒼い糸が四方八方に展開された。

 それらはただの糸ではない。リングピアスにくくりつければ耳や口を引きちぎり、腕に巻き付ければ地面にへばりつかせ、胴体を狙えば相手に生々しい傷口を生じさせる。


「ぐあッ!?」

「うォ!?」

「ぎゃああ!?」

「クソォッ!!」


 ホープの強み。それは、メリットの強みと似ているかもしれない。彼女たちの魔術の汎用性はとにかく高いのだ。器用に相手を黙らせる実力と、やられる前にやってしまうという考えは、魔力を解き放ったホープと普段のメリットの思考回路である。


「さすが」


 残ったひとり。彼はMIH学園に春入学した後輩だ。そのため、このふたりが闘った闘技会を見ている。

 現ランクSのキャメル相手にあと1歩まで追い詰めたメリット。

 1年間もの間学校へ来なかったのにも関わらず、現ランクA最強候補ともされるシエスタと名勝負を繰り広げたホープ。


「クソ……なんでこんな化け物どもが学校にいるんだよ……」

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