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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇

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大統領との電話会談

 ただ、この状況を鑑みて選挙を気にしているのであれば、スリーファイブの指導力は間違いなく欠如している。


「ジョーキーに政権を簒奪されることがあれば、LTASはいよいよ終わりなのだぞ!?」


 それでも、スリーファイブにも理はある。対抗馬のジョーキーという破壊活動団体『クーアノン』を取り仕切る軍事産業のボスが大統領になった日には、LTASが暴走し始める。彼は大陸とブリタニカ相手に、無謀な戦争を仕掛けようとしているからだ。

 そして電話がつながる。


「ルーシ!! 君はいったいなにを考えているんだ!?」

『ぎゃーぎゃー騒ぐな』


 ルーシの態度は落ち着き払っていた。


『選挙まであとすこしだろ? アンタの娘が海外スパイのハニー・トラップに引っかかり、国家機密をお漏らしした所為でもあるんだぞ? それにアンタが受け取った数百万メニーの賄賂、その他すべて洗い浚いマスコミに暴露されたくないのなら……こちらの動きに従え』

「しかし、もはや揉み消せないぞッ!? クーアノンはネットの作り出した妄想の果てだ! 現実との区別がまったくついていない! ヤツらが蜂起すれば、LTAS中で大暴動が起きるのだぞ!?」

『国家非常事態宣言を出せ。民間人の外出は原則禁止。軍を配備して、クーアノンどもを潰せ』


 これではどちらが大統領か分からない。


「言われなくとも!!」

『だろうな。ただ……厄介なのは後輩たちだ』

「後輩だと? なぜ学生の話になるんだ!?」

『火事場泥棒ってヤツさ。LTASは三日ほど機能不全に陥ると考えている。その間1番得をする可能性が高いのは、MIH学園の連中だ』


 クーアノンとMIH学園。魔術を使えない者の集まりと、魔術師養成学校。ならば、敵対していると思うのが当然だが、ルーシの見越していた未来はそんな月並みなものでなかった。


『スターリング工業、連邦政府、クーアノン。そしてMIH学園。現在、主要なプレイヤーは4名だろ?』

「な、なぜMIH学園が入ってくるんだ?」

『私の属す学校だからな』適当に返し、『スターリング工業は肥大化し過ぎた。オマエら政治家の首根っこを掴めちまうほどに。その権益を狙う者は多い。セブン・スターズが接触してきたとき思ったんだ。なにか警告をしようとしていると』


 いつだか海へ行ったとき、ルーシにLTAS最強の魔術師たちのひとり『ゴールデンバット』が絡んできた。さらにキャメルとアークへも。確かにルーシたちはMIH学園における最高位『ランク・セブン・スターズ』であり、アークに至っては列記としたセブン・スターズの候補生だ。

 だが、ルーシとキャメルはあくまでもMIH学園がLTAS最強の魔術師になれると太鼓判を押しただけの学生。このふたりに政府の抱える問題を解決させようと考えるのはおかしな話でもあった。


『私やキャメルは国立でもない学校の最上位ランカーってだけなのに、人手が足りないからと危険な仕事をさせるか? 特にキャメルは素人も良いところだ。あのセブン・スターズの言いたいことが分かったよ』

「……MIH学園に敵が潜んでいると?」

『そうだ。敵性因子は私の見立てでふたつ。クーアノンのシンパと、スターリング工業のビジネスを狙う愚か者だ』


 敵は絞られた。闘いが始まる。

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