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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇
125/290

"仕方なく"耳を削ぎ落とす幼女

 転生する前から、ルーシ・スターリングは恐るべき無法者だった。身体能力は格闘家にも負けないほどで、その力はそっくりそのまま幼女になっても引き継がれている。


「てめェ、私を舐めすぎなんだよ」


 相手がなんらかの魔術を使う前には、決着がついていた。倒れ込む少年の首元にナイフを突きつけ、ルーシは彼に質問する。


「誰が空気入れた(あおった)?」

「……答えるわけないじゃーん?」


 頭を思い切り地面に叩きつけ、ルーシは同じことを聞き直す。


「誰が空気入れた、と聞いているんだ。早く答えろ」

「……まさか本気で殺す気じゃないよね? 人殺しのマフィアさん」

「そのまさかだ。どこまでが現実かをよく考えろ」


 これで観念してくれれば良い。これ以上やってしまうと、面倒事になってしまう可能性のほうが高い。

 だが、それでも少年は不敵な笑みをこぼす。


「この学園は実力と陰謀がすべてさ。アンタがどう考えても10歳の幼女でないように」

「……ああ、そうかよ。馬鹿ガキ」


 こうなると、見せしめが必要だ。

 ()()()()、ルーシは少年の耳をナイフでそぎ取った。悲鳴とともに、ぬいぐるみのごとく耳がもげていく。

 その耳を放り投げ、その幼女は溜め息交じりに去っていく。


「ウィンストンのガキのビジネス……か」


 当然、そんな美味しい話は継承していない。1にも2にもパーラを守るため、報復を済ませるためだけにルーシは挑んでいっただけだったからだ。


「しかしうまい話かもしれん。うまく割り込めるところを探してみるか」


 もっとも、ルーシがそういう話を無視するわけがない。無法者として、10,000人の学生たち、基、10,000の金脈を逃すはずがないのだ。


「よォ、リヒト」

『どうした、社長ォ!?』


 声の大きさにルーシは顔をしかめる。


「声がでけェよ。もうすこし声を潜めろ」

『それは無理な注文だぜェ! LTASはハッパ合法だからな!!』

「どうせ、入っていちゃいけない成分付きの違法使っているんだろ? オマエ、ジャンキー過ぎて普通のハッパじゃ効果ないだろうし」


 ルーシはそんなリヒトに電話をかけ始めた。理由は明快だ。


「ところでオマエ、メイド・イン・ヘブン学園入る気ある?」

『マジ? MIH学園?』

「ああ。ひとりくらいねじ込むことできるしな」

『答えはひとつ!! 当然あるぜェ!! 目指せ桃源郷!!』

「アホで助かるよ。ただ、普通に入るわけじゃねェぞ? 詳しい話はあとでするが、MIH学園にあるチャンスを狙う。これはビジネスだ」


 まん延しているビジネスがどんなものか分からず、きのう接触してきたセブン・スターズの言い草が正しければ、いつもどおり学校へ通っていられないかもしれない。そのため、代理要員としてリヒトを選んだだけの話だったりする。


『学生どもがクスリでも売ってるのかよ? 世も末だな! お、クールの大アニキ! これもくれるの!? あざす!!』

「クール、若者にドラッグ渡すのはやめろ」

『よォ、姉弟(きょうだい)!!』

「ッたく、オマエもキマっているじゃねェか。ッたく、もう切るぞ。こちらは忙しいんだ。色々とな」


 現状、学生の下剋上に関わっているほど時間は多くない。タイペイがこの世界にいられるのも20時間を切ったからだ。

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