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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇
124/290

3人のランクS

「やべー!! あの幼女なにしやがった!?」


 観客たちがニワカに騒ぎ始める。警報機がやかましく響き、中には魔力を抜かれてしまったようにぐったりと倒れる者もいる。


「アロマ、大丈夫?」

「なんとかな……。オマエといっしょにいたからか、とんでもねえ魔力にもなれてるみたいだ。で……あの幼女はなにしたんだ?」

「カイザ・マギアだよ」

「カイザ・マギア?」


 アロマは怪訝そうな顔になる。直訳で『帝王の魔術』という意味だ。そんな仰々しい名前にふさわしい威力は、いったいどこから出てきている?


「内容は簡単。魔力の放出と吸収を同時に行うんだよ。一定を下回る他人の魔力を根こそぎ集めて、それらを発射するか、自身のものにしてしまう皇帝の魔術。でもまあ、今回はだいぶ抑制してるみたい」

「これでかよ?」アロマは目を細める。


 ルーシと闘っていた女子生徒がポップコーンのごとく跳ね飛ばされ、誰が彼女をつかんで安全な場所へ連れていくか、という場面になるほどだ。ナイフらしき物体も飛び散り、野次馬にも被害が及んでいる。


「これでもね。本来なら、天気が大荒れになるくらいのなにかが起きても不思議じゃない。それだけ危険なんだよ。カイザ・マギアは」


 そう言い切った頃、アークは地面を蹴り、天井にぶつかる寸前、鉄骨に手を伸ばしてそれをつかむ。

 そして、アークはその女子生徒を引き寄せる。まるで磁化でも起こしたように、アークが磁石へと成り代わったように。


「……すげえな、アイツ」


 アロマはポカンと口を開け、間抜けな面を晒してしまった。というか、女子生徒を確保したアークを見て、そうつぶやくほかなかった。

 アークは当然のごとく、10メートルはある天井付近から降りていく。彼女をしっかりつかみながら。


「んじゃ、あとよろしく」


 着陸する場所も決めていた。その女顔の少年は、その少女の所属する派閥のトップに責任を投げたのだ。


「分かったわ。意識はないようだし、一応病院へ搬送ね」


 魔力の開放と吸収を終えた頃、ルーシはそんな光景を見た。


「有事になりゃさすがに発情しねェか……」


 ポケットにしまった手を取り出し、右手をあげて別れの挨拶をしながらどこかへ消えていく。


「……おう、隠れているつもりなら大間抜けだぞ」


 そんな幼女は、声が反射する通行路で一旦立ち止まり、そんな言葉を口走る。


「バレた? さすが次席様」

「チッ。ヒトが平穏求めようとすればすぐこれだ。そんなに私を潰してェか?」

「当たり前じゃーん。次席と主席、そしてアーク・ロイヤル。誰が誰を潰せるかってゲームだよ。それにアンタは特別さ。なにせ……」


 ヒトが現れる。ルーシは退屈そうに彼を見据える。


「ウィンストン先輩が学園で流行らせたビジネス、継承したんだろ? それを狙ってるのさ」


 ルーシはちいさな手をポキポキ鳴らす。サイズからは不相応といえるおおきな音が流れた。


「上等だ、ゴラ。かかってこい。てめェみてーな小間使い、魔術なしでも潰せるからよ」

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