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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇
123/290

天然スケコマシ気質の少年(*)

「あっちのフィールドでやってるらしいぞ!!」

「やべえよな!! 次席に挑む1年生だぜ?」


 アーク・ロイヤルは、ゲームセンターがやかましくなってきたことに眉をしかめる。この子たちは静かにゲームすることもできないのだろうか、と。


「おつかれちゃん。アーク」

「うん、おつかれアロマ」


 アロマという少女がアークへエナジードリンクを差し出す。アークはそれを開けて飲み、思いの外味が悪くなかったので、「次の大会のスポンサー、このエナドリ出してるところにしようよ」と提案してみる。

「いやいや、オマエのお友だちのルーシが喧嘩してるらしいぞ?」

「ふーん」関心がなさそうだ。

「巷じゃ大盛りあがりだぜ? キャメルの派閥『フランマ・シスターズ』に入った、粋の良い1年生がルーシに喧嘩吹っかけたってよ」

「その子の心配したほうが良い」

「まあ、そうだけどさあ」

「ルーシだって馬鹿じゃないから殺したりはしない。でも正直、その子じゃルーシには絶対かなわない。となれば? プライドだけは一流の子はどうなっちゃう?」

「たぶんオマエが世話するんだろうな。そして惚れられると」

「まさか」口を尖らせる。

()()()()()くんだろ? オマエは」


 1番の親友はそう言ってアークをからかう。

 確かにアークはこれまで様々な女子とデートに行き、手持ちのカネでは足りないと言っているのにバーに連れ込まれて、すぐ潰れ、起きたらホテルで結局1メニーも使っていない……という伝説を持っている。


()()()()()()()なんて良いことないよ。本当に」


 ゲームオーバーの画面が出たレースゲームの席から立ち上がり、

「ちょっと、様子見に行こうか」

 アークはアロマとともに、第2フィールドへ向かう。


 *


「よォ。だいぶ苦しそうだが」


 しっかり負けを認めさせ、それでいて良い試合をしたと見せかけるには、ルーシの必殺技『黒鷲の翼』や『銀鷲の翼』は使えない。単純に魔力をまとって彼女と殴り合いをしていた。もっとも、彼女のほうは全力でやっているため、中・遠距離から攻撃がやってくることもあったが。


「……はあ、はあ」


 これがランクS。これが10000人を数えるMIH学園の次席。どうにもならない絶対の壁があるとしか思えない。


「これが最後の……」


 球体の魔力の塊を彼女は持つ。バレーボールほどのサイズであり、投げればそれなりの距離を飛んでいくだろう。


「これで倒れないんなら……もうどうにもなんない」


 球体より先に彼女が倒れ込んだ。ルーシはすこし怪訝そうな顔になる。

 だが、次の瞬間には攻撃が始まった。


「なーるほど……」


 ルーシの背中が光る。そしてちいさな幼女の体を覆い隠すほどの長さを誇る、銀鷲の翼が発生した。


「ナイフらしきものを数百個つくるわけだ。下手に直撃したら胴体ごと引き裂かれるな。ただし制御はできない、か」


 すべて言い当て、ルーシは戦闘を終結させた。この前の海のときのように、カイザ・マギアを使ったのである。ルーシの魔力に慄いた少女は、その魔力をすべて奪われたのだった。

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