表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/290

後輩たちの野望

「ああ、分からんな。オマエらガキの考えるしょうもねェ青春とやらは」

「アンタなんて10歳児なんだから、分からなくて当然。本当はね」


 そういうわけで舌戦状態だが、これでも仲は良い部類に入る。ルーシがメリットをからかって遊び、メリットが放っておけば良いのに突っかかる。愉快な関係だ。


「さて、陽キャのメリットちゃん。私やキャメルお姉ちゃんでも似合いそうなブランドショップは、見つかったかい?」

「あ……」

「忘れていたか。まあ、だろうな。覚えていそうな人間とも思えないな……」


 ルーシは携帯を取り出し、『キャメル・レイノルズ』という相手に電話をかける寸前の場面を見せてくる。メリットの顔が青色に染まる頃、ルーシは、「冗談だよ。もうお姉ちゃんだって覚えちゃいないさ」メリットの肩を叩く。


「……寿命5年縮まった」

「そんなに怖いか? 喧嘩の腕は立つが、無差別にヒトへ危害加えるような方でもないぞ? 周りなんて、お姉ちゃんにひっついているだけの虫だしさ」

「……クソガキ」


 メリットはぼーっと空を見上げる。だからルーシも真似してみる。


「違う。アンタ、派閥知らないの?」

「先ほど聞いたが、それがなにか関係あるの?」

「まあ良いや。私じゃないし」


 メリットは4分の3も吸い終わっていないタバコを捨てて、足早に去っていった。ルーシは彼女を怪しむが、その理由は数秒後に弾き出された。


「おい、誰がキャメルちゃんにひっついてる雑魚だって?」


 身長150センチのルーシの胸倉が掴まれた。地面から足が離れていく。彼女の身長が170センチほどで、ルーシの体重も低いから当然といえば当然だ。


「……ああ、なるほど。ウィンストンの外道の子分たちみてーな連中か」

「いっしょにしないでもらえるか?」

「いっしょだろ」


 一色即発の事態だ。すでにルーシはナイフをスカートとシャツの間から取り出しており、そのまま耳を引きちぎるため、手を動かしている。


「顔面に魔力で硬化された拳食らったことあるか? ……クソガキ!!」


 同時だった。ルーシのナイフが彼女の耳をややそぎ取り、同時にその幼女は容赦のない拳を顔に受ける。


「ッてェな。なに? 私とやり合うつもり?」

「こっちのセリフだ……。普通、ナイフなんて使うか?」


 こうなれば喧嘩だ。ルーシも臨戦態勢に入ろうとする。

 そんな中。


「なにしてるのよ!?」


 怒号が飛んできた。この声は間違いなくキャメルだ。

 隣にはメリットもいる。一応彼女なりに心配して……いや、喫煙している10歳の姪っ子を刮目させたかったのだろう。


「きゃ、キャメルちゃん……」


 怯えている。どうやら、『派閥』とやらは苛烈な縦社会だ。ルーシの組織『スターリング工業』並みかもしれない。


「その子は私の姪っ子で、MIH学園の次席よ!? 貴方が勝てる相手だと思って!?」

「……いや、勝ちますよ。このまま舐められぱっなしで終わるわけにもいかないので」


 話が想定外の方向へ進む。そんな彼女の根性に、銀髪の幼女は拍手で答える。


「良いねェ。先ほどは撤回するよ」


 後輩たちの野望という導線に、火が灯る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ