表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第六幕 新たなるMIH学園、新たなる後輩の野望劇
121/290

持たざる者の集まり?

 まさか持っていないとも思っていなさそうな雰囲気だが、実際ルーシがMIH学園へ入学してから5ヶ月ほど経過している以上、シエスタの発言が的外れというわけでもなさそうだ。


「そうだな、つくってみるか」

「マジで持ってなかったンかよ」

「なかったさ。学生どもの政治ごっこなんて意味ないからな」

「ルーちゃん! 私たちが派閥メンバーなんじゃないの?」


 パーラが割り込む。彼女は続けた。


「ルーちゃん、私、メントちゃん、ホープちゃん、メリットちゃんでさ!」

「持たざる者の集まりってか?」

「え、なにを?」きょとんとしている。

「胸を」


 10歳児であるルーシは除くにしても、それ以外は全員貧乳だ。メントに関しては絶壁とも言える。


「あー、確かに! でも、闘うんならちょうど良さそうじゃん!」


 一応けなされたパーラだが、まるで気にしていない。それはホープも。もっとも、彼女の場合人酔いしているから言葉が届いていないだけかもしれないが。


「ヒトの少ねェところ行こうぜ。ホープが辛そうだ」


 顔面蒼白状態のホープを見て、さしものルーシも気を遣わざるを得ない。

 一行は学校内でひと気のすくない場所を探す。新校舎はあれだけ広かった旧校舎を上回る広さだ。大半の生徒はとてつもないカネを支払っているのだろう。


「学校内に公園なんてあるのかよ」

「ああ。サボるのにちょうど良い。ハッパ吸って怒鳴られてた馬鹿がいたくらい、リラックスできるぞ」


 と、なれば、喫煙所があるはずだ。ルーシはマナーを守る喫煙者として眼光に火を灯す。


「ちょっと一服してくる」


 時間にして4秒。そのときには、ルーシは屋外喫煙所へ歩みを進めていた。


「アイツ、タバコ吸うの?」

「そー! いくら言っても辞めないんだよ? 私の前じゃ絶対吸わないけどさ~」


 パーラは不満げだった。獣娘は嗅覚が鋭い。副流煙が鼻について頭がクラクラするのだ。


「おれも吸ってたけどな。最近辞めた」

「……タバコとかお酒とか、嫌なこと思い出すから嫌い」


 ホープはそう忌々しくつぶやいた。


「百害あって一利なしだからな。ま、そこでおしゃべりしてるか」


 ルーシはソフトパッケージを振り、すでに茶色いフィルターのタバコを咥えている。あからさまに高そうなオイルライターを手慣れた動作で扱い、その銀髪の幼女は物憂げな表情で広々した喫煙所へ入っていく。


「よォ」

「出た」


 そこにいないほうがおかしな話だ。メリットがタトゥーを見せびらかしながら1ミリタバコを吸っていた。


「蜘蛛とドクロに秘密結社みてーな目? どうせ胴体にも入っているんだろう?」

「もちろん」

「ちゃんと旧魔術教えてくれたから負債はチャラにしてやるが、オマエそれで良かったのか?」

「なにが?」

「キャメルだったら根掘り葉掘り訊いてくると思うから」

「……確かに。悪いヒトではないと思うけど」

「周りにいるヤツらが怖ェーんだろ? オマエみてーな爪弾き者でもスクールカーストが通用するなんて、ずいぶん笑える冗談だぜ」

「10歳には分かんないでしょ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ