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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第五幕 忍び寄る陰謀、クーアノン

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陰謀は問題の母

「意味合いが違うのさ。アイツは粋がり。私のは……想いが積もっている」


 数え切れないほど殺したが、数え切れないほど死んだ。これからだって大勢死んでいく。それが故、ルーシの刺青は自分が自分であるため必要なのだ。


「んでさ~、私もタトゥー入れたいんだよね!」


 華麗に話をすげ替えられたが、深掘りされても困るので、ルーシは、「良いんじゃねェか?」と賛同した。


「どんなのが似合うかな?」

「何個か候補あるんだろ? それ見てひとつおすすめするよ」

「んー。私がビビッときたのはひとつだけなんだよね」

「どれだい?」

「これ!」


 龍と桜、虎などが腕に彫られた写真を見せられた。和彫りである。

 なぜ18世紀末期の欧州に日本文化があるのか、という疑問へは転生者がいるからであると返答されている。


「良いじゃねェか。西洋の和彫りだな」

「西洋?」

帝ノ国(みかどのくに)龍帝大国(りゅうていたいこく)くらい知っているだろ? あれが東洋で、東洋の文明だ」

「よく分かんない……」

「良いところだよ。昔行ったことがあるんだ」


 前世日本で死んだルーシは、彼の国の文明を気に入っている。西洋社会で過ごしてきた者として、その光景は、あまりにも鮮明で、華麗なものであった。


「ルーちゃんが言うんなら間違いない! これ彫る!」

「タトゥースタジオ寄って帰るか。でもまあ、そう簡単には消えねェからよく考えるように」

「分かった! ところでメントちゃんとリヒトくん、タイペイちゃんは?」

「泳いでいるんじゃねェか? 海なんて嫌いだから分からねェ」


 そう言われてみれば、タイペイたちの姿が見えない。なにやら揉め事でも起きているのだろうか。


「アイツら、面倒事起こすのが得意だからな。ちょっと探すか」


 メントにリヒト、そしてタイペイ。今頃誰かを殴打(おうだ)していてもおかしくない。特にメントは結構短気だから、その可能性が高まる。


「どこ行ったんだろうね?」

「飯でも食っているのかね。しかし、それなら私たちを誘うはずだし」


 ここで、ルーシはなんてことない話を思い出す。


「メント、ランクAに昇格したんだっけ」

「うん! めっちゃ喜んでて、調子乗ってお酒飲んで次の日死んでた!」

「ああ、つまりそういうことか」

「どういうこと?」

「クーアノンって連中が流行っているだろう? アイツら、MIH学園の有力生徒にちょっかいかましているらしい」


 なにせルーシとアークに突撃するような無謀極まりない連中だ。MIH学園の上位に立つ魔術師のメントを見つけたら、意味不明な陰謀論とともに喧嘩をふっかけるに決まっている。


「裏側だな」


 ひと気のすくない、岩の裏側に向かう。行く宛がないようにパーラは感じているだろうが、ルーシにはしっかり見当がついている。


「ほら見ろ」


 こちらには気がつけない距離間で、ふたりは絡まれるメントとリヒト、タイペイを見つける。


「愛と平和の守護神として見過ごせねェな」


 銀髪碧眼の幼女は、指をパキパキ鳴らして、長くなった髪をさらりとすくい上げた。

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