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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第五幕 忍び寄る陰謀、クーアノン

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LTAS連邦超特急

 LTAS(エルターズ)連邦超特急。およそ70000平方メートルのロスト・エンジェルス本島をつなぎ、400キロメートル離れたノース・ロスト・エンジェルス市とサウス・ロスト・エンジェルス市をわずか20分でつなぐ高速鉄道である。


「あっという間に流れていくな~」


 電車を普段使わないルーシは、その速度に感嘆していた。日本でいうところの新幹線といったところだろう。実のところ、新幹線も利用したことはないが、それすらも上回る速度なのは分かる。


「ね! 乗る度速くてびっくりする! つい10年くらい前には存在しなかったって絶対嘘だよね! あ、でも10周年だってニュースで流れてたかも! 最近テレビ見ないな~」


 マシンガントークをぶつけてくるのは、相も変わらぬルーシの恋人パーラだ。

 ルーシも肝心な話以外は聞き流していて、いまも、「テレビも追いやられているんだろうな」と返し、「ところでさあ! ルーちゃんみたいな刺青ってどこで入れるの? ユースクリーンで流し見してたら可愛いの見つけてさ! あれ入れたいんだよね!」と話をすげ替える、愉快な関係である。


「パーラ、タトゥーだけは入れるなよ」

「良いじゃん! かっけえし!」

「だせえよ。なあ、リヒト」

「パーラちゃんは似合わねェんじゃね? メントちゃんは似合いそうだけど」


 当然のごとく会話に参戦できるリヒト。メントはパーラのようなおしゃべりと仲が良いくらいだから、こういう舌の根が乾かない者がお気に入りのようだ。


「マジ? あたしが?」

「だろ? タイペイ」

「うん、似合うよ。印象結構変わるはず」


 そもそもタイペイとリヒトは部外者も良いところだが、昔なじみのごとく話を弾ませている。


「あの根暗みたいに入れるの? あたし」

「別に強要はしていねェだろ。リヒトの言うことだぞ? なんにも考えず発言するヤツなんだよ、昔から」


 ルーシは珍しく呆れ気味な態度だった。


「ねえねえ、タイペイちゃんとリヒトくんってルーちゃんとどういう関係なの?」


 この状況を不思議がっていた理由。それはパーラとメントが、旧友と妹分との関係性をまったく訊いてこなかったからだ。そして回答権はふたりに託された。

 リヒトが口に火がついたように話したがるが、それをタイペイが彼をつねることで止める。


「うん、私は姉みたいな関係かな。お父さんは違うし、あんまり会える関係でもないけど。そしてリヒトくんは私の友だち。ルーシとも仲が良いね」


 大嘘を平然とした態度で並べるので、パーラとメントはまるで疑わない。

 その馬鹿げた嘘をルーシが補強していく。


「まあ、久々に姉と会えたから遊び行きたいと思っただけさ。ついでにリヒトもな」


 正体を明かすのは時期尚早だ。どこに秘密警察がいるか分からない以上、ここで事実を述べてしまうことはできない。


「ついでってなんだよ! しゃ──ホーミー!!」


(ホーミー? アメリカのヒップホップかよ。コイツ、私のこと名前で呼べねェの?)


「へー! やっぱりルーちゃんって面白い!! 良い意味で隠し事たくさんあるよね!!」

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