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もしも最強の無法者が銀髪碧眼幼女になったら  作者: 東山ルイ
第五幕 忍び寄る陰謀、クーアノン
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"絶壁三白眼で男日照りの高校2年生"

 どうせならば、学生らしいことをしたい。日本円換算で1000万円のアクセサリーを買って、亡命してきたガリア貴族お抱えのシェフたちのディナーを食べた後、ホテルインするような遊び方しかしてこなかったからだ。


「海しかねェぞ社長ォ!! 夏休みに海行かねェでどうする!!」

「泳げねェんだよ、おれは」

「あ……悪りィ」リヒトは素直に謝る。

「だがまあ良案だ。南街のほうにあるんだよな? 魔術かなにかで常時暖かいリゾートが」

「そうだぜ社長ォ!! あそこは最高だ!! タダで水着姿の姉ちゃんたちが見られるんだぜ!?」

「水着か。もっていねェな」

「なら現地で買っちまえば? 売ってたぞ、確か」

「幼児用の水着を着るなんて屈辱だぜ。あ、そうだ。こういうときこそ、頼れる姉貴分がいるじゃねェか」

「姉貴分? ちっこいんだな、その子」


 幼女であるルーシよりすこしだけ身長の低い少女、キャメル・レイノルズ。体型もさほど変わらないし、彼女ならばあからさまな幼児ものは持っていないだろう。


「しかし目的はパーラとタイペイと遊ぶことだ。貸すだけで納得するのか、お姉ちゃんは」


 メッセージを打ち終えて送信する寸前、ルーシは指を止める。

 おそらくついてくる。というか、ついてくるほうが正常だ。ルーシとパーラが海に行くといえば、彼女が心配しないわけがない。10歳児とオツムがよろしくない(と思われているであろう)高校生。他はリヒトとタイペイというよく分からないヤツら。

 だからルーシは、もうひとり誘うことを考える。保護者枠として。


「なあ、リヒト」

「なんだ?」

「絶壁三白眼で男日照りの高校2年生って、保護者できると思う?」

「んん? もうすこし詳しく教えてくれよ。おっぱいなくて目つき悪い、それで彼氏ほしい子? それだけじゃ分かんねェよ」

「そりゃそうだな。まあ、そういうヤツが来る。男がほしいな」

「このリヒトが男じゃねェみてーな言い方だな、社長ォ!!」

「女だらけなのも難儀だぞ? そうだな……男で恋人がいねェヤツ……意外と出てこねェ」


 寂しい高校生活を過ごす女子が多い学校である。まったく感じたこともなかったが、ルーシの学校MIH学園の男女比は極端だ。男子率が2割ほど。残りは女子。

 それが故、「彼女たちも少ないパイを奪い合っているんだな」と女性目線に立って、女になってしまったルーシはつぶやく。


「MIH学園楽しそうだなあ……。桃源郷じゃん。おれァ学校嫌いだけど、女の子は大好きだし」

「やめておけ。裏社会の女よりクレイジーなヤツらの博覧会だぞ?」

「たかが高校生だろ? 粋がってタバコでも覚える年頃だし、裏の怖ェ兄ちゃんたちとは比べ物になんねェよ~」

「そうかい。なら、男オマエだけな」

「よっしゃあ!! その三白眼の子口説いちゃうんだからね!!」

「好きにしろ。アイツにも選ぶ権利くらいある。つか、マーベリックどこ行った?」

「仕事じゃね? マーベリックちゃん、連邦情報局(FIS)の仕事バリ辛れェって言ってたからなあ」

「マフィアやりつつ保安官を副業にすることより、この国を象徴する者もいないな。オマエも女子高生の尻に欲情していないで、面白い仕事取ってこいよ」

「女の子になっても当たり強ェな! 社長ォ!」

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