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エヴァンゲリオン・序 観ました

 先日、NHK4KBSで、映画『エヴァンゲリオン・序』を4K画質5.1CHサラウンドで観ました。前から人気なのは知っていたので、今回最高の条件にて初見です。いや凄かった。「所詮マンガじゃないか」と思っていたのですが、いやいや映像がとても綺麗です。動きが滑らかで遠近と立体のメリハリがしっかりついていました。音響も迫力があって、BGMのセンスが秀逸です。


 しかし話(物語)はやっぱりマンガでしたが、十分楽しめました。製作年が2007年て、リーマンショック前か、それでこのクォリティーかよと驚きました。リーマンショックの時は間違いなくUSA起源でみんな経済的に大混乱したのに、誰も(どこの国も)何も文句いわないでやんの(笑)何がサブ・プライムじゃふざけんな! とわいが言うたる!


 さてここからがメインです。ミサトさん(リアルならおっさんだろう。でもそれじゃ絵にならんか)が作戦部長で、日本中の電力集めて陽電子砲をやたら強力な怪獣(四角錐を縦に合わせた形・これウィルスだよね)に放つ作戦を立案して『ヤシマ作戦』と呼称するのです。


 『ヤシマ』と言えば八洲やしまで、これ日本国のことだから。「おお、これこそ今の緊急事態宣言による外出自粛にあたる」と思いました。今現実の『ヤシマ作戦』実行中なわけですね。元々理系なので、そういう理屈でこられると乗りやすいです。NHKがわざわざこんな古い映画を4Kリストアまでして放送するとは、そういう意図があったのか。と妙に納得してしまいました。


 ちょっと気になった点は、初弾を撃つ時、カウントダウン射撃をした点です。ロケットじゃあるまいし、あれじゃ当たらんだろう。カウントダウンされながら照準合わせはキビシイでしょ。しかし次弾はちゃんと狙ってコアを撃ち抜きました。


 初弾をミスったのは、明らかにカウントダウン射撃が原因です。混乱を演出したかったのかな。まぁ結果オーライで、最後にサイボーグみたいな綾波レイが微笑んで終了。サイボーグなら学校行く必要ないだろう。学園ものの素養も残したいんだね。


 その他、怪獣のエネルギーと日本中のエネルギーが最小誤差でぶつかって、後者が強かったら、本当にああなるのかな。そもそも中途半端にキリスト教の言葉を引用して大丈夫かよ。エヴァンゲリオンは福音だろう。ゼーレはドイツ語で魂。シトは使徒? なんで怪獣? イエス・キリストは出るのかな。そんなことが気になりますが、キリスト教国では無いので万事OKということか……。イスラム教でこんな作品作ったら、間違いなく56されるぞ。


 NHKは今度特番を組むそうで、あなたの好きな、キャラクター、台詞、エヴァ、使徒について投票して集計・発表して楽しむ企画らしい。これはもはや病的。実際投票する人いるの? 私はどれにも投票できない。どうしたNHK? でもどうなるのか録画して観てみます。


 続編もあったみたいですが、もうお腹いっぱいです。その後、ネットで「エヴァ」と入れただけで、もう凄いヒット数で、みんな大好きなんだなぁと感心しました。友人にその話をしたら、昔全部観たそうで、懐かしそうに私の感想を面白そうに聞いてくれた後、DVDを貸してくれました。もっと感想を聞きたいそうです。やれやれ。暇だから引き受けました。次回このエッセイで残すかもしれません。


 私は映画やドラマが大好きです。だからどんな作品も否定しません。誰だって自分の好きな作品を否定されたら、「何? 」てなるでしょう。でも世に出た作品について何を感じて考える自由と、ああだこうだ言える自由な空気は必要だと思います。それを受けとめる度量も大切だと思うのです。


 エヴァンゲリオンについては、それ程好きにはなれないかもしれません。エヴァの続編を観るなのら、もう一度『セヴン』や『プライヴェート・ライアン』『地獄の黙示録』を観るでしょうし、でもやっぱり観ないで読書をして人類の未来について思索するだろうな~。



 と思っていましたが、1年が経ちました。世の中はまだコロナ禍です。前述の映画も久々に堪能して尚暇なので、エヴァンゲリオンの他のを観ました。テレビ版や映画版(旧劇と呼ばれている)があって、新劇場版の序・破・Qに繋がり、そして現在(2021年3月)最終版が公開中というわけですね。いや長!


 面白かったですよ。だから全部観ることが出来ました。それにYOUTUBEで中田敦彦氏の長い解説も観ました。とても長い年月に渡って、多くの人々の心を掴んだ名作なのですね納得です。


 ただ、キリスト教の名前を多用しているところが鼻につきます。作者である庵野秀明氏は、エヴァンゲリオン(福音)という発音が何となく気に入って使った。と発言していて、中身はそれと全く関係なく物語が展開するので、誰もこの問題に触れませんね。私は信者ではありませんが、キリスト教の方々は懐が深いなと感心します。


 先ずはテレビ版ですが、使徒しとと呼ばれる怪獣が第三東京市を襲います。怪光線(パルス?)を発して物を破壊します。そして通常兵器では全然倒せない。ただ、コアと呼ばれる赤い球を破壊したら死ぬという。


 怪獣の目的は、第三東京市地下にネルフ本部があって、更に下層にあるものと接触したいようです。接触したら、人類が破滅するそうです。切迫した状況の中で登場人物が紹介されます。この辺りはお馴染みなので省略して、中学二年の少年14歳の碇シンジは、ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオン(動いたことが無い)に乗ってシトと戦えと言われる。父親である碇ゲンドウはここでは指令という立場で、息子を乗せるために呼び出していた。


 当然断るが、ならば負傷している綾波レイが乗って戦うという。シンジは彼女を乗せるくらいならと承諾して乗り込む。シンジが乗り込んだエントリープラグをエヴァ本体に組み入れて、地上へ射出するシーケンスはカッコいい。それから各パートで流れるBGMがとても良いと思います。


 シンジが乗ったエヴァは初号機と呼ばれており、シトと対面して一歩を踏み出しただけで、赤城リツコ博士は感動していました。この初陣は惨憺たるもので、シトにいいようにやられました。しかしシンジが失神して、動けなくなった後に初号機が暴走してシトと戦い、シトは自爆してしまう。


 とりあえず敵を倒した。でもわけが分からない。何故暴走したのか? それはシンジが乗っていたからですね。初号機には母ユイの魂が宿っているからでした。これが後半になって効いてくるんです。


 エヴァンゲリオン初号機のパイロットになって、綺麗なお姉さん(葛城ミサト)と一緒に住むことになり、中学に通うようになり、生活基盤を整えたシンジは、誰もが(特に相田ケンスケ)羨む生活が始まりました。しかしシンジの性格は大人しく、他人に関わることが苦手でした。


 それに、鈴原トウジに殴られて更に落ち込むシンジ。彼からすれば、自ら進んで選んだものではなくすべてなりゆきだ。(それがシナリオ通り)父さんはコワイし、ミサトさんは外見は良いが家ではズボラで、家事全般を押し付けられる。学校終わりは部活ならぬ戦闘シミュレーションと検査の繰り返しで実戦となれば命懸け。普通の中学生と比べればかなり異色で、かなりのストレスと孤独がのしかかる。


 せめてパイロット同士の綾波レイとはどうなのか? これが仲間意識がゼロ。それどころかサイボーグみたいに無表情・無感情。こんなのクラスにいたらかなりの不思議ちゃんだ。


 そして次のシト(イカみたいな奴)が攻めてきた。やっぱり苦戦で、おまけにトウジやケンスケを取り込んで保護したので、ミサトは撤退を指示する。が、シンジはそれを無視してナイフで応戦に出て、活動限界ギリギリで勝利。


 これがきっかけでシンジ・トウジ・ケンスケは友達になり、三馬鹿トリオ(3バカ三人衆?)と呼ばれるが、ミサトから命令違反を厳しく叱責される。でも中学生でプロではないしで、シンジは家出して街を彷徨うのですが、結局戻ります。


 そこで冒頭に書いたシトが現れて、『ヤシマ作戦』発動して勝つのです。TV版では、四角推のシトのエネルギーとポジトロンエネルギーが、何と干渉してしまってとんでもないことになってましたね。あまりに無茶苦茶で失笑しました。それで、『序』で大幅に修正したのですね。なるほど。


 次が『破』でして、ここからTV版の内容と離れていきます。綾波レイと仲良くなれたのかな? と思ったら、あくまで共同作戦を遂行しただけでした。だけど、彼女は命令のためなら命を惜しまないですね。外見は碇ユイと似ています。


 そしてアスカ登場ですが、名前が変ってますね。何故なんでしょう。私はTV版の登場が好きですね。おそらくアメリカ第7艦隊がモデルの護衛が、アダムの輸送警護をしている中、ミサトと3馬鹿トリオがヘリでやってきます。そこへアスカが黄色いワンピで現れます。かなり気が強い性格でシンジは翻弄されます。『破』でもこの性格は引き継がれているようです。


 そしてミサトは元恋人加持リョウジと再会して翻弄されます。


 TV版を全部観ましたが、これはただのロボットアニメではないですね~。心理学と哲学が入っている。何故エヴァに乗るのか? シトとは何か? 何故戦うのか? シンジもレイもアスカも皆エヴァに乗って戦うことで人とつながることが出来ています。エヴァに乗らないと自分の存在価値が無いように考えているようです。


 TV版では、エイみたいなシトが襲ってきました。護衛艦隊が魚雷などで応戦しても通用しないので、アスカがエヴァ2号機に乗り込んで対応することになりました。なぜシンジがプラグスーツまで着込んで2号機に乗っているのか謎です。


 私が好きなのは、立ち上がった2号機がシートをマントの様に身にまとい、それを脱ぎ捨てると華麗に八艘飛びをやったところです。八艘飛びとは、源義経が壇ノ浦の戦いで、船から船に飛び移ったという芸当で記録に残っています。(真偽のほどは別)ただし好きなのはここだけです。


 2号機は水中戦闘用ではないので、敢え無くシトの鋭い牙の餌食となりました。そこでミサトは、2号機が口を開けさせるからそこへ戦艦をシトの口に突っ込ませて砲撃を食らわせる作戦を立案・実行します。ありえない。無茶苦茶です。戦艦一隻に何人乗艦していると思っているんだ!


 結局作戦成功、シトは殲滅だとさ。たかがアニメにマジになんなよ。と言われそうだし、私もそう思うのですが、これはいくらなんでも無茶苦茶だ。と言っておきます。『破』ではここと、四角推のエネルギーの件が大幅に変更されたのもわかります。おそらく制作側が自ら気付いたか、外から色々言われたかしたのでしょう。なにしろ社会現象になったくらいの作品ですからね。


 『破』の展開であれば全く文句ありません。アニメですから。私は友人にこの点を指摘したら納得してくれました。「だからお前に観てもらって何か言って欲しかったんだ」とさ。


 『破』では更に大幅な変更がありました。マリというキャラクターが増えましたね。人が造ったロボットが暴走する話はカット(物語の本筋と関係がない)、シンジとアスカがユニゾンでシトを倒す話はカット(二人同時にコア蹴って壊れる設定が柔らか過ぎる。と考えたが、『破』の新シトは2号機1対でコアを蹴られて死んだ。ATフィールドのおかげ? )、火山のマグマの中でシトと戦う話はカット(マグマ内で活動できても、第三東京市に行けない)。蜘蛛みたいなシトも地味なのでカット。勿論時間の都合もあったでしょうが、カットした理由はこんなものでしょう。


 加持リョウジは一足先にアダムを持って本部に飛んで碇ゲンドウに渡しました。彼はそれを食べちゃった。これは人間を捨てたということです。それにしても、『人類補完計画』とはなんでしょうね?


 アスカはミサトと同居することになり、シンジはこの綺麗な同級生と同居することになりました。羨ましいと思われても、現実はチビシイよ。


 次のシトは宇宙から第三東京市めがけて落下してくる目玉みたいな奴です。そこでミサトが出した作戦は、三体のエヴァでシトをATフィールド全開で受けとめて殲滅です。失敗すれば第三東京市は全滅とのことで、緊急避難D-17を発令して民間人を避難させます。


 目玉のシトがいよいよ接近してきた時、ミサトは女の勘でエヴァ三体を配置出撃させて迎撃。初号機が受けとめて0号機がコアを固定、そして2号機がナイフでコアを破壊して終了しました。まあ、文章にすると簡単ですが、絵がとても綺麗で動きも滑らかで大変見ごたえがありました。


 ミサトさんは、作戦が成功したらステーキ御馳走すると言っていましたが、結局屋台のラーメンでした。ニンニクラーメンチャーシュー抜きって、どこかで聞いたことあったけどこれが発端?(TV版)


 レイは手作り料理で碇指令とシンジを取り持とうとしますが、爆発事故で中止になる。アスカが乗ったエヴァ3号機はシトに乗っ取られた。シンジは戦いを放棄したので、ダミーシステムで戦って倒します。


 怒ったシンジは本部を攻撃しますが、失敗しネルフを去ります。


 それから最強のシトが第三東京市を襲います。怪光線の威力は絶大で、帯みたいな武器で二号機は餌食にし、0号機を取り込みます。


 シンジは自らの意思で初号機に乗り、シトと戦う内に覚醒してシンクロ率が400%になり、神がかり的な強さになってレイを取り戻しました。


 あれだけ強かったシトが、覚醒した初号機を見るとビビッてしまい、初号機が右腕をシトのコアに差し入れて中の綾波を助け出そうとするシーン。


 あれはシンジが1精子で、綾波が1卵子で、抱き合うところは、「受精」を表現しているように見えました。ここがクライマックスなんでしょう。


 しかし、これでサードインパクトが始まって世界が終るというところで、渚君がMK-6で登場して槍で初号機コアを貫いて止めました。ここで『破』が終了したのです。


 映画なので時間に制限がある中で、詰め込みましたね~。面白いです。TV版より画質も格段に上がって見やすかった。しかしTV版の方が時間がある分、シンジやアスカ、レイやミサトなどの人生や心の描写が細かく表現されていて、良かった。


 シトもウィルス型、虚数世界であるディラックの海型、パイロットの精神を攻撃する型、パイロットと同化しようとする型など、今までに無い概念で登場して感心しました。


 そして最後のチート 渚カオル君。シンジはやっと仲良くなれたのに、死を選んだカオル君を泣きじゃくりながら殺します。アスカは精神崩壊するし、レイまも自爆して三人目が現れて「知らないの」なんて言われて、シンジは酷く落ち込み、混乱します。ヒーローなのに、まぁ~かわいそうですね。


 僕は自分が嫌いなんだ。他人が怖いんだ。だって裏切るし、他人を傷つけたくないし、自分も傷つきたくないんだ。だったら一人で、何もしない方がいい。嫌なことから逃げ出して、何が悪いんだよ~!


 まぁ、わかるよ。確かにそうなんだけどさ。そんなに落ち込むなよ。と思いますが、シンジは自分で、「僕は僕だ。僕はみんなとここにいたい。僕はここにいてもいいんだ! 」と気づきます。そう、何でもかんでも、自分の気の持ちようなんだ。やっとそれに気付いたんだね。だから「おめでとう」なわけです。


 エヴァに乗らない幾つもの可能性に気付いたところで、「おめでとう」この後のシンジは前向きで明るい子になるでしょう。という印象を残して終了。私はそれで良かったと思うのですが、物語は続き(今となっては旧劇場版と呼ばれている)『人類補完計画』について描きます。


 ゼーレという組織は、人類は知恵の実を食べたことで知恵をつけ、それで様々な物を発明して発展したけど。生物としては心と身体を持った弱きものなので、その弱さ(寂しさ)を補完し合って一つにしようとしています。それは見方を変えれば、人類を滅亡させて終わらそうとしていることになります。


 でも碇指令は、人類を一旦無にしてそれからやり直そうと計画しています。その過程で消えてしまった妻ユイと再会しようと考えています。


 その為に邪魔になったネルフは、戦略自衛隊に攻撃されて二号機のアスカは白いエヴァによって倒されます。一方シンジはTV版の最終回で見られた祝福される前のシンジで、(無かったことにしている)傷ついて絶望したままの状態ですが、無理矢理エヴァ初号機に乗り二号機の残骸を見て大きなショックを受けます。


 碇指令は計画通りレイと共にアダム(リリス)と合体しようとしたが、レイに裏切られてレイ一人でアダム(リリス)と合体してシンジを求めて動き出します。これによって人類の未来は、シンジに委ねなれてしまうのです。これが神話になるということか。


 旧約聖書では、ノアの箱舟のエピソードがあります。神は一部を残して洪水を起こし、人類や生物を滅ぼしていますね。


 エヴァンゲリオンの『ヤシマ作戦』と現実の緊急事態宣言と絡めてしまい、すみませんでした。おそらく公開が迫った新劇場版の為の前宣伝だったのですね。


 コロナで亡くなられた方には申し訳ないのですが、世界からみれば、日本では感染者数・死者数共に桁違いの少なさで、私も家に引きこもり、手洗いやマスクで何とか感染を免れており、出来ることをやっています。この発信もその一つです。


 エヴァンゲリオンは私には馴染みがありませんで、今回のことで漸く全てを知った次第です。完結版も観たので、何が優れていてこんなにも売れたのかを分析してみたくなったのです。



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