第07話 洞窟からの脱出
この洞窟ってめちゃくちゃ広いな。
元の世界で例えるなら…今歩いてきた距離だけで四万十川の全長ぐらいあるな。
『いきなりどうした?』
いや、めっちゃ疲れてるから早く着かないかなぁっと思って。全然MPが戻った感じがしないし…。
『だとしたら、さっきの技なんて連発できないじゃん。超絶燃費悪いじゃん。』
あのムスアに使えれば1番いいんだけど…さっきよりも短い時間かもしれんなぁ。新技をまた考えなきゃな~。
『お前…技をその場で思い付いて使うのがどれだけ大変なのか知ってるのか?』
え?でも、さっき僕技出せたよね?
『それは自分の魔法属性と想像がしっかりとされてたからだよ!大体の冒険者は昔の先人の知恵を借りるんだよ!だとしても、時空魔法は使い手が少なかったからな…先人の知恵は借りれんかもしれんから、やっぱ自分で作ってくれ。うん。』
自由に創作できるのか?!やっぱ剣と魔法の世界はなんでもできるなぁ。
『はぁ…。お前がそれでいいならそれでいいや。』
「ありゃ?皆さん。お早くないですか~?サテライト国の衛兵の強さをそのまま当てたのに…。倒したのはレオンさんじゃなくて、その少年ですかね?」
「あぁ、正解だ。僕が倒した。次はお前の命を断つ。逃がさないぞ。」
僕は、剣を構え戦闘の意思を見せた。
「殺る気かい?いいよ~。遊んであげる。」
「ミドリ!ここは私たちに任せてお前は姫を助けにいってくれ!」
「で、でも…。」
「行ってくれ!」
「わ わかった!レオンさんも頑張って!」
「もちろんだ!」
【光魔法 光剣の裁断】
レオンの持っていた剣が光に包まれレオンを頭から真っ二つにした。…はずだった。
【傀儡魔法 身代わり人形・防御】
ムスアは剣が当たる瞬間に人形の防御力を最大限に高くして、剣の衝撃を全て受けた。…が人形は壊れた。
「はぁはぁ…ちっ!手加減しすぎたか?」
「はぁ…マジかよ…。身代わり人形が壊れるとは…。防御に全振りなんだぞ…。」
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一方で…。
「お姫様ってどこにいんだよ。聞いてなかったぞ。」
実際、レオンからお姫様の特徴を聞いてないのだ。広すぎる洞窟からたった1人のお姫様を見つけるのは至難の技だ。
『なんだよ…こういうときこそ何か技でも生み出しゃいいじゃねぇか。』
あぁなるほど。そうか、その手があったな。じゃあ元の世界のグー○ルマップを想像して…。
【時空魔法 通常空間の地図】
おぉ!わかるわかる。広げすぎるとMPの消費が激しいから近くにいてほしいんだけど…。
…
……
………見つけた!
走るか!
「あなたは…?」
「僕は朝霧 翠!今はゆっくりしてられないから詳しいことは後で!今は早く外に出るぞ!」
僕はお姫様を背負って急いで今来た道を戻った。
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「これでおしまいかな…?レオン。」
ムスアはレオンを見下ろしながら呟いた。
「なめるなよ!小僧!」
【光魔法 祝福の光】
レオンの体の回りに光が宿った。
「まだまだ、若い者に遅れはとらんぞ!」
私の回りにいた兵士はすでに息絶えていた。それでも、アリス様とミドリが戻ってくるまで、私は耐えて見せる。
「あー!めんどくさい!僕は老いぼれに付き合ってる時間なんて無いんだよ。とっととくたばっちまいな!」
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「はぁ…はぁ…体力が足りないかも…いや、足りない。」
ただでさえさっきまで走って探して魔法使って今はお姫様を背負って走っている状態なのに…。本当に元の世界で運動しときゃ良かった…。僕が読んでたラノベやなろうの主人公は元の世界でも運動神経良かったのか…。
『え?なに?体力ないの?マジか…。』
「えっと…ミドリさん?そんな無理して頂かなくても…。」
アリスが心配そうにミドリに言った。
「いや、はぁ…今レオンさんが…今戦いながら…僕たちが…戻ってくるのを…待ってるから…そうもいってられないんだよなぁ…。」
『途切れ途切れすぎて何言ってんのか聞き取りずれーよ。』
「え?!レオンが?!それは早くしないといけません!」
【光聖霊魔法 聖霊の瞬き】
【光聖霊魔法 聖霊の羽衣】
「え?!なになに?うわ!」
何かわかんないけどいきなり自分が早くなって、さっきまで疲れててやばかったけど今だったら無限に走れそう。
「え?何したの?」
「移動速度が早くなる魔法と回復する魔法です。どちらも使用者のMPが無くなるまで効果がきれませんので心配には及びません!」
「ありがとう!そろそろだ!」
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「レオンさん!大丈夫ですか?!今戻ってきました!」
「ミドリか?!アリス様は無事だろうな?」
「レオン!私は無事です!」
「レオンさん!僕も手伝…」
「ミドリ!お前はアリス様を連れて早くここからでてくれ!私よりも早くアリス様をこいつから引き離すのが先決だ!早く!」
「レオン!私はあなたを置いて逃げることができません!」
「アリス様…。国にとってどちらが大事なのかをよくお考えください。」
「そろそろいいかなぁー。僕もう、待ちくたびれちゃったよ。ちょっとだけでも回復できたしレオン、決着をつけおうかー?」
ムスアは退屈そうに割り込んできた。
「ミドリ!早く!サテライト国までその早さならそう時間はかからない!」
レオンはそう言うとムスアの方に向き直り、戦闘を再開した。
僕はレオンさんの言葉を聞いて最後の別れの言葉にしか聞こえなかった。
「わかった。レオンさんも無事を祈ります!」
最後にレオンさんが笑ったような気がした。
「さぁ!ムスア!終わりにしよう!」
僕は後ろに聞こえたレオンさんの言葉を後にした。




