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ナイトメアと呼ばれた男   作者: 微睡み朧猫
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ナイトメア

桐島が二日酔いで眠っている間、事を済ませ帰宅した紅輝。察知したルビーが出迎えてくれた。


ルビー

「お帰りなさい紅輝。博士ならまだ眠っています。そちらは首尾よく終えましたか?」


紅輝

「うんルビー 火種は撒いてきた。後は奴らどう動くか今から楽しみでワクワクしてるよ。」


ルビー

「それは面白そうですね。次回は私も同行し 恐怖した人間の姿を拝見したいです」


紅輝

「ふふ、気持ちは分かるけどルビーが活躍するのはもう少し先かな。こんな田舎ギャング達じゃ君の姿を見ただけで逃げだしちゃうよ。とりあえずこの国内でのさばる裏組織にちょいと挨拶し終えてからかな」


ルビー

「それは残念です では時が満ちるまで待ちましょう しかし人間の闇歴史を知る程 如何に愚かな生命体かと感銘します 私達ならば人間根絶など容易いかと」


紅輝

「確かに人間はこの地球(ほし)を貪り寄生する唯一の知的生命体だ。でも大半の人間は人として生まれ、人間らしく幸せに生きたいと願っているに過ぎない。でもその幸せは人類の歴史上戦いで勝ち得たものだったり強大な圧力や武力、資源と言った様々な形へと離別した、いや してしまったんだ。人間だけが持つ強慾。だから同じ人間として生まれてもそこに待ち受けるのは格差社会。

人間って生まれながらに不公平なんだよ」


ルビー

「ですが人類管理と銘打ち 格差を均等化すれば人工爆発を起こし 結果ランダム若しくは高齢者優先間引きシステム等を要し 均等化の概念がなくなります」


紅輝

「仮に均等化を謀ったとしても管理者はたちまち抹殺されるだろうね。かと言ってルビーのようなAIに任せれば結果は明白。

あのねルビー、人間が瞬きする理由は知ってるよね」


ルビー

「はい 人体の構造上 眼球表面に適度な水分保湿を促す生理現象です 私は瞬きする必要性ないのですが それがどうかしましたか?」


紅輝

「人間ってさ、闇が怖いから光を求める生き物なんだ。でもね、強過ぎる光はかえって逆効果になる事もあって そんな時は瞼を閉じられる。逆も然りでさ、色んな意味で瞼を閉じ己の観たくないものを覆い隠す事で精神を保ってるんだ。

僕はそんな人達が少しでも目を開けて欲しくて闇を紡ぎたいんだ。人類の命運とかよく分からないけど、少なくとも自然界が人類を間引く運動とは別の、人が人を覆う闇を少しでも晴らせればと思ってるんだ」


ルビー

「なるほど かつて人間の手で行われてきた大量虐殺や戦争とは違い 未知のウイルスを生み出し増えすぎた人間を間引く自然界の運動ですね では紅輝 貴方は博士の生み出した 少し狂暴ですが 人間が創製した闇を払う光の悪魔と言った感じでしょうか」


紅輝

「光の悪魔かぁ。面白い例えだけどそんな感じかな。

ねぇルビー、悪人に悪夢を視せるナイトメアなんてどうかな!?」


ルビー

「ナイトメアですか 紅輝の発想もなかなか面白いですよ」


紅輝

「よし。じゃぁ決めた! 今日から僕の通り名はナイトメアに決定~」


この時、紅輝はこの世で暗躍する者ならば誰もが恐れおののくこの通り名を轟かせんと決意したのである。

続きます

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