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ナイトメアと呼ばれた男   作者: 微睡み朧猫
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インビシブル

船長

「そう言えば風の噂で興味深い話を耳にしてな、なんでも中東を束ねる独裁軍事国家がサイバーテロを受けたとか。彼らの軍事基地は攻守共完璧な要塞都市と謳われる程だ。 だがつい最近、何者かがメインコンピューターへ侵入し莫大な軍事費用を奪い去ったそうだ。しかも侵入された痕跡は一切なく、後に送信されたメールにより事態を把握したらしい。

ま、あくまで噂だがもしそれが事実なら奴ら今頃、血眼になってハッカー探しでもしとるかもな」


桐島

「そのような事が可能なのか理解の範疇を越えますが、あんな恐ろしい狂暴な国と関わるのだけは御免被りますね」

《間違いない 紅輝の仕業だ‼ あそこから金をくすねたのか‼ 全く末恐ろしいとはこの事だな。ふふっ》


船長

「全くだ。私もあの海域だけは避け迂回しとるからな。他の連中も同じ事言っとったわ。まぁいい気味だがな」


そんな会話をしていると船員が荷下ろし完了致しましたと告げた。


船長

「では行くとするか。お互い生きとったらまた会おう。じゃぁな」


そう言いと振り向きもせず去っていった。

海の男は淡白だがなんとも気持ちの良い連中だ。過去の私とは大違いだな。狭く小さなラボで顕微鏡を覗くより大海原を駆け抜ける爽快感とは到底比べるに値しないだろう。小さいな、私は。

さて、紅輝の作業でも手伝うか

そんな独り言を呟き桐島は紅輝のもとへと歩みだした。


船長が立ち去った事を確認した紅輝はルビーを呼び出すと指示を伝え重量物を任せると先ずは研究所メインコンピューターに新たなパーツを組み替えるといとも簡単にナノマシン登載アルティメットコンピューターへと進化させた。

次に紅輝は大型犬サイズのアンドロイド作製に取り掛かる。すると桐島がコーヒーとココアをマグカップへ注ぎ両手に持ちながら少し休憩しようと紅輝にココアを差し出した。


紅輝

「ありがとう さっきの船長さんとは仲良しなんだね」


桐島

「以前、この研究所を設立した際にお世話になった個人請け負い運搬業者でね、口が堅く信頼のおける人なんだ。それはそうと今度は何を作ってるんだ!?」


桐島は興味深そうに訊いた


紅輝

「こいつは掘削機さ。チタン合金と人工ダイヤを組み合わせてあるんだ。こいつを使って研究所真下の海底を真下に掘り進み海底マグマを掘り当てマグマ発電機を作るんだ」


桐島

「ほほう、なるほど 今更だがもう驚かんぞ。考えたな。だが大量に発生する水蒸気はどうするんだ?」


紅輝

「それなら大丈夫さ。海洋深層水のみを使用した水蒸気を海底で再び冷却させるから水蒸気は瞬時に純度の高い真水へと生成させるからその真水を飲料水やプルトニウム冷却水として使うんだ」


桐島

「プ、プルトニウムだと!? まさか核兵器でも作る気なのか!?」


紅輝

「違うよ。この研究所自体のエネルギー源はマグマ発電で賄い、プルトニウムは防護シールドに使用するんだ。この研究所を孤島ごと超振動波で包み込み、如何なる攻撃にも耐えうる結界を張るのさ。そうすれば核弾頭ミサイルや潜水艦からの核弾頭魚雷を撃ち込まれても着弾爆破させる事なく粉々に粉砕するシステムなのさ」


桐島はまたしても紅輝の突飛おしもない思考にただただあんぐりするのだった。


紅輝

「それからルビーにも超小型プルトニウム電子チップを動力としたハイパーチタニウム合金ナノAI登載アルティメットアンドロイドに作り変え万が一に備え研究所の司令塔にするんだ。そうすれば絶対防御要塞の出来上がりさ。だからこちら側から迎撃する必要不要って訳。

更に僕達も同様超小型プルトニウム電子エネルギーパックを使用した携帯型超振動波発生機を装備すれば自動小銃やロケットランチャーを喰らっても肉体には絶対に届く事なく砕け散るだろう。おまけに対殺人ガスやウイルス兵器感知浄化システム、飲食物や飲料水に混入された毒も検知するから正に無敵なんだよ。どう!? 凄いでしょ。」


流石の桐島も理解の範疇を越えもう笑うしかなかったのだった。



続きます

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