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短編集  作者: でんでん
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架空航空巡洋艦のお話

雑多物置き場という事で一つ。突っ込みどころ満載の航空巡洋艦のお話。

 時は1881年。世界一周旅行の最初の訪問国として来日した国王カラカウアは明治天皇に謁見した際、ハワイ王国の安泰のため日本とハワイの連邦化を提案した。彼は他にもホットライン敷設や、日本主導によるアジア共同体の創設、カイウラニ王女と山階宮定麿王の縁談、日本人のハワイへの移民を提案する。

 

 日本政府はこれを一部快諾した。欧米諸国、特にアメリカの反発を招くとして連邦化とアジア共同体の創設は行われなかったが、カイウラニ王女と山階宮定麿王の縁談や日本人の移民が行われ、日本とハワイ王国との関係は大きく深まった。ハワイ王国の有力者も日本に靡いた。これ以上のアメリカへの従属は国を滅ぼしかねなかったし、日本なら大丈夫だという楽観論があったからだ。


 その後、ハワイ王国は親日国として太平洋に独立し続ける。それは日英同盟とともに日本にとって重要な関係になりつつあった。何故なら、アメリカがハワイに進出する事は是非とも避けたかったし、中継地点としても重要であったからだ。

 そして、日露戦争に勝利し、WW1が起こると、日本は戦艦「金剛」を旗艦とし、金剛級、河内級各二隻を基幹とする遣欧艦隊を、陸軍は遣欧部隊を派遣する。そしてU-ボートによって護衛艦隊の駆逐艦一隻、何よりも旗艦の巡洋艦「明石」が撃沈されてしまうと、海軍はこれに衝撃を受ける。もしも太平洋でこれが使用されたら。日本とハワイを結ぶ航路は間違いなくズタズタになる。帝国海軍が通商防衛を意識し始めた瞬間だった。

 WW1は最大の艦隊決戦であるユトランド沖海戦を経て、連合国が勝利する。当然ヨーロッパまで兵と戦艦を送った日本も講和会議に参加する事となる。


 その後、日本はイギリスに倣えと護衛艦隊を創設。同時に就役した41cm砲を装備する当時世界最強の戦艦「長門」を就役させ、それを受け世界各国は軍事費を抑制すべくワシントン軍縮条約を開催する。

 結果は概ね史実通りである。「陸奥」は廃艦となる事も無かったが、コロラド級2隻とネルソン級2隻の保有を新たに認めることとなった。

 そして、日本はこれで廃棄するべきだった旧式戦艦の武装を取り除き、爆雷を装備した上で護衛艦として就役させるということを行う。

 こうして生まれたのが護衛艦「河内」である。1924年に改造が終了した同艦は、カタパルトによって水上機を射出でき、艦から直接の立体爆雷攻撃により潜水艦を撃沈するという目的で改造された。乗員を減らした事で居住性を向上させたという物も特徴であった。「摂津」は標的艦となっている。


 この後日本は、ハワイ王国から一隻の巡洋艦の発注を受ける。その要求が、大型の砲を搭載し、高速で航空機をなるべく多く運用できる事。そして1932年に誕生したのが航空巡洋艦「カメハメハ1世」である。いや、ある筈だったのだ。

 何故なら、本来彼女が仕えるべき国は、すでにその国では無くなっていたからだ。

 同年に白人主義者によって起こったクーデターによりハワイ共和国が成立。同艦はホノルルでカメハメハ7世を乗せると、日本へ遁走した。皮肉にも、それが彼女の最初の任務であったのだ。そして、ハワイがアメリカ領となってしまうと同艦は帝国海軍内の護衛艦隊に編入される。そして、改名され航空巡洋艦「栗駒」が誕生する。


 数年後、日本はアメリカとの無謀な戦いへと挑む事となる。彼女は仇敵へと挑む。祖国を取り戻すべく。


 性能諸元


 排水量 26000トン

 全長 240m

 全幅 31m

 速力 31ノット

 兵装 50口径30.5cm3連装砲2基、12.7cm連装高角砲4基、三連装25mm対空機銃10基、爆雷

 搭載機 6機(九九式艦上爆撃機)

この船の元ネタは、「Battle Ship Craft」なる物で試作した航空巡洋艦です。帝国海軍がこんな中途半端なものを作るわけありませんし、こんなものは突っ込み所満載です。なによりも、栄えある帝国海軍が艦隊決戦以外の事を考えるはずがありません。

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