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Episode 05「紅×試験=最強...?」

この物語はフィクションです。

作品内に登場する人物名・団体名・及びその他一切は全て、架空の名称であり、実際の名称とは関係ありません。


 入学二日目にして、突如始まった学園等級試験。


「まず皆さんには~、魔術試験を受けてもらいます~」


 そう言うと、近くにあった灰色の建物へと入っていくアスナ先生。

 それに続いて他の生徒たちも建物の中へと入っていく。

 建物の中は、大きな空間といくつかの小部屋に分かれていて、ヒスイたちはまず広間の方に集められた。

 全員いることを確認すると、アスナ先生は「それじゃあ先生は会議があるので、頑張ってくださいね~」と言い残し建物から出て行ってしまった。

 広間には、およそ15人ほどの試験官と、その後ろに水晶の乗った机が三台あった。


「えー、ここからは魔術試験監督である私から説明させてらいます」


 試験官の列から出てきたのは、顔立ちが整った中年の男性教師だった。


「ここで君たちに受けてもらう試験は、君たちの魔力量と最適性の六大元素を測る試験です。試験といっても、ただ魔水晶に魔力を込めてもらうだけなので、特に難しいことはないです」


 ちなみに、六大元素とは魔術の根幹を分類する五つの属性のことで、[炎][水][土][風][闇][光]の六つがある。


「では早速試験を始めます。出席番号の早い順に前へ出てきてください」


 初めに三人の生徒が前へ出ていく。


「君は、魔力量がDランク、最適性は水属性ですね。下がってどうぞ」


 魔力量はSからFまでの七段階で表される。

 FランクからDランクで大体人口の70%、CランクからBランクが20%、Aランクが9%、Sランクになると1%未満しか存在しない。


「すごい、魔力量Sランク!?しかも炎、闇、光の三つの元素に最適性がある三重術者トライキャスターだなんて!!さすが、あのアルトリア・アリスリーゼの妹だ」

 

アリスリーゼ、ということはルナトリアのことだろう。

 Sランクになれば例外なく歴史に名を刻むほどの才覚だ。

 それなのに、ルナトリアの表情に喜びの色は見えず、寧ろどこか悔しがっているように見えた。


(やっぱり、昨日から少し様子がおかしい...)

「次、ヒスイ・スーノロク。前へ」


 ルナトリアの様子が気がかりだったが、ひとまず自分の試験に集中する。


「では、この水晶に魔力を注いでください」


 説明通り、水晶に手をかざし魔力を注ぐヒスイ。


「はい、もう大丈夫です。ランクはB、適性は...ない?おかしいな...もう一度、魔力を注いでみてください」

(()()()()()()()()()()()()()()...)


 一度深呼吸をしてからもう一度手をかざす。

 今度は、水晶が黒く輝き始めた。


「今度は大丈夫そうですね。適性は闇属性です。下がっていいですよ」

(はぁ、なんとか乗り切った...)


 額に少し汗を浮かべながら列に戻るヒスイ。

 隣を見ると、やはりルナトリアは少し落ち込んだような顔をしている。


「ルナ、どうしたの?」


 心配になって声を掛けるヒスイ。


「えっ?あ、だ、大丈夫だよ。どうもしてないよ」

「そっか。ならいいけど。それより、Sランクなんてすごいじゃん!やっぱ四大貴族って違うんだな~」

「(そんなことないよ。私は所詮、アルトリア・アリスリーゼの妹でしか...)」

「え?なんか言った?」

「う、ううん、なんでもない...」


 やはりどこか様子のおかしいルナトリアに、ヒスイは気がかりを覚える。

 その後15分ほど経って全員の試験が終わり、次の筆記試験の会場へと移動する。

 記述試験の内容自体はさほど難しくなく、魔術の基礎や歴史についての問題に答えるだけだった。

 そこでもやはりルナトリアはどこか浮かない顔をしている。


(やっぱり、さっき試験官が言ってた"アルトリア"って人となにか関係があるのかな...)


 だが深く聞くわけにもいかず、もどかしさだけがヒスイの中に残る。

 魔術試験と異なり、記述試験の結果は後日担任から伝えられるらしい。

 記述試験を終えて最後の体力試験の会場である闘技場のような場所へ向かう生徒たち。

 闘技場に入ると、左右に長い通路ー恐らく観客席や控室へ繋がっているのだろうーと、正面に巨大な開かれた門があり、門をくぐった先にはアリーナが広がっていた。

 アリーナの中には先ほどまで姿が見えなかった他のクラスの生徒たちと、魔術試験や筆記試験で見かけた試験官たちも含め、総勢50名を超える試験官がいた。

 既に他の3クラスの生徒たちは整列を済ませていて、残すはヒスイたちAクラスのみとなっていた。


「Aクラスの生徒たち、早くこちらに来て整列しなさい」


 アリーナの正面側ーヒスイたちが入ってきた入口から見て左側ーに立っている一人の試験官が、大きな声で呼びかけてくる。

 Aクラスの生徒たちは小走りで中へ入り、整列を済ませる。


「入学していきなりの試験で、君たちも疲れただろう。安心してくれ、これで最後の試験だ」


 恐らく体力試験の総監督であろう男は、20代くらいの若々しい見た目をした教師だった。


「体力試験では、大きく分けて二つの種目で試験を行う。一つは、君たちの基礎的な体力を測る試験。具体的には長距離走だ。この一周400mのアリーナを10周してもらい、そのタイムで測定する。もちろん肉体強化魔術の使用は禁止だ。そして二つ目、こちらがもっとも順位に大きく影響する。試験内容は、君たち生徒同士で、トーナメント形式の模擬戦を行ってもらう。」


 その瞬間、一気に会場内がざわつき始める。


「静かに。君たちの言いたいことはわかる。なんせ危険が伴うからな。だが安心してくれ。このアリーナには一時的に不殺の加護が付与される結界を張ってある。怪我をしても治癒魔術に特化した試験官が大勢いる。君たちの心配していることは起きないと約束しよう」


 不殺の加護とは、致命傷になり得るダメージを緩和し、代わりに一切ダメージが無い衝撃にするものだ。

 致命傷を受けると代わりに意識を失う、と考えればいい。

 しかし、いくら万全を期しているとはいえ、多少の抵抗はある。

 死にはしないが死ぬほど痛い。

 当然、一瞬で治りはするが骨が折れたり剣で斬られたりもする。


「そしてもう一つ、このトーナメントで優勝した生徒には、褒賞が与えられる。具体的にはまだ決まっていないが、少なくともこれまでの試験結果に関係なく学園等級順位スクールカースト上位になれることは約束しよう」


 再び生徒たちの間にざわめきが走る。

 学園等級順位スクールカースト上位になれば、多額の支給金や学園施設使用の優先権、さらには学園のデータベースへの干渉権も与えられる。

 それだけではなく、貴族であれば大体の生徒が親からスクールカースト上位を取って来いと言われているだろう。

 トーナメントに優勝するだけでそれだけの特典が受けられるとなれば、生徒たちのやる気も当然上がる。


「納得したようだな。では、まずは長距離走から始める。まずはAクラスからだ。全員試験官の指示に従って開始位置に着いてくれ。残りの生徒は二階の観客席に上がって待機だ」


 総監督の指示の後生徒たちが動き始める。

 ヒスイたちはAクラスなので、開始位置へと移動する。


「では、試験を開始する。位置に着いて……始め!!」


                       ☨

小説投稿サイト「カクヨム」様に投稿させていただいてる作品です。

もしよろしければそちらの方もブックマークやいいねをしていただけると幸いです。


カクヨム版第五話↓

https://kakuyomu.jp/works/16818792436612198516/episodes/16818792439770449031


カクヨムユーザーページ↓

https://kakuyomu.jp/users/HisuiuziH

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