表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナタリー•ローズ  作者: 徳田新之助
新たな旅立ち
65/68

虚無の悲鳴





ナタリーの「希望の光」と泉の癒しの力が、オリヴァーの封じられた記憶と「悲しみ」の根源に触れたことで、彼の「虚無の秩序」を司る装置が激しく揺らぎ始めます。装置から放たれる「闇の気」は、これまで以上に荒々しく、しかしどこか悲鳴を上げるかのように響き渡ります。


オリヴァーの顔には、かつて見せたことのない苦痛と動揺の色が浮かびます。彼は頭を抱え、自身の「虚無」の理念が揺るがされていることに抵抗します。「なぜだ…!なぜ、貴様が私の『真理』を揺るがすのだ…!感情など、無用なもの…!」


ナタリーは、オリヴァーの心の奥底に眠る「悲しみ」と「孤独」を深く感じ取り、自身の声が届かなくとも、泉の力で彼の心に直接語りかけます。「感情は、決して無用なものではありません。悲しみがあるからこそ、喜びを深く感じられる。苦しみがあるからこそ、希望を求める。そして、愛があるからこそ、私たちは繋がり、共に生きられるのです。」


ナタリーの言葉と、泉の癒しの波動が、オリヴァーの心の壁を少しずつ溶かし始めます。彼の瞳から、長い間枯れていた涙が、一筋、また一筋と流れ落ちます。それは、彼が何百年もの間、押し殺してきた「悲しみ」と「後悔」の涙でした。


装置は、オリヴァーの感情の揺らぎに呼応するように激しく暴れ始めます。彼は、自身の「虚無の秩序」が崩れ去ろうとしていることに気づき、残された力を振り絞ってナタリーを攻撃しようとします。しかし、彼の心は「悲しみ」によって深く傷つき、その攻撃は微弱なものでした。


ナタリーは、その攻撃を受け止めながらも、オリヴァーの心の奥底へと、自身の「希望の光」と「共感」の波動を送り込み続けます。そして、時計台の村で変質させた「生命の源」の光の結晶から得た、感情を再び芽吹かせる力を、オリヴァーの心へと流し込みます。それは、彼の心を「無」に帰すのではなく、再び「感情」を受け入れさせる、ナタリーの慈悲の力でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ