虚無の囁き
ナタリーは、自身の力が効かない村人たちの「無関心」に衝撃を受けていました。泉の囁きは、この「無関心」が人々の感情そのものを奪い去る、オリヴァーの新たな「虚無の秩序」の兆候であることを伝えます。それは、人の心を「無」に帰すことで、争いや苦しみを生む感情そのものを排除しようとする、オリヴァーの究極の目標でした。
夜、村の中心にある古びた時計台から、異様な「闇の気」が放たれていることにナタリーは気づきます。それはこれまで感じたことのない、静かで、しかし底知れない「虚無」の波動でした。執事は、危険だと進言しますが、ナタリーは「このままでは、皆が心を失ってしまう」と、時計台へと足を進めます。時計台の内部には、壁一面に不吉な紋様が描かれ、中央には小さな水晶が置かれていました。水晶は微かに脈動し、そこから村全体に「虚無」の波動を送り出していることをナタリーは感じ取ります。それは、まるで人々の感情を吸い取るかのように、静かに、しかし確実に村を侵食していました。
ナタリーは自身の「統合された貌」の力を引き出し、水晶に手を伸ばします。泉の清らかな光が水晶を包み込みますが、水晶は「虚無」の波動を激しく放ち、ナタリーの心を揺さぶります。「お前には、救えない…」という声が響き、ナタリーは自身の力の限界を感じます。感情の根絶という、これまで対峙したどの闇よりも巧妙で深い「虚無」の前に、ナタリーは新たな試練に直面するのでした。




