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ナタリー•ローズ  作者: 徳田新之助
聖なる泉の守護者
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静かなる鍛錬





村に真の平穏が戻り、日々は穏やかに過ぎていった。枯れかけた森には再び緑が芽吹き始め、川の水は澄み、動物たちの賑やかな声が響き渡る。村人たちは、不安から解放されたかのように明るい笑顔を取り戻し、以前にも増して助け合いながら暮らしていた。


ナタリーもまた、昼間はこれまでと変わらず、孤児たちに知識と希望を教え、村人たちに優しい笑顔を向けていた。彼女が教会の学び舎に足を踏み入れれば、子供たちの元気な声が響き、その周囲にはいつも温かい光が満ちていた。しかし、その穏やかな日常の裏で、ナタリーは来るべき次の戦いのために、日々鍛錬を欠かさなかった。


夜になると、ナタリーは執事と共に密かに森の奥深く、聖なる泉へと向かった。泉の水は、二つの力を融合させたナタリーの新たな力を反映し、七色の光を放っているようにも見えた。ナタリーは泉の前に座り、目を閉じる。泉の清らかな波動と、自身の内に宿る古の荒々しい波動を、完全に調和させることに時間を費やした。それは、ただ力を発動させるだけではなく、その力の全てを自身の意思で制御し、あらゆる状況に対応できる「完全な状態」を目指すための鍛錬だった。


「お嬢様、以前にも増して、力の制御が精密になってきております」


執事が、ナタリーの成長を目の当たりにし、感嘆の声を漏らした。


ナタリーは静かに頷く。融合した力は強大であり、一歩間違えれば村そのものに影響を及ぼしかねない。だからこそ、その制御は彼女にとって最優先事項だった。泉の囁きは、彼女に新たな力の使い方を教えてくれる。それは、物質の構成をわずかに変化させたり、離れた場所にある微細な音を聞き取ったりする、より繊細な力だった。


また、ナタリーは「虚無の徒」が残していった痕跡や、彼らが使用していた「霊力の核」の残骸を注意深く分析することも欠かさなかった。彼らの力の性質を深く理解することで、次の対峙に備えようとしたのだ。執事もまた、ローズ家の古文書をさらに深く読み解き、過去の守護者が「虚無の徒」の脅威にどのように対処してきたかの記録を探し続けた。


時には、泉がナタリーに、遠く離れた場所で起こる世界の異変の片鱗を伝えることもあった。それは、この村だけでなく、世界全体に「虚無の徒」の影が広がりつつあることを示唆していた。ナタリーは、自分一人で全てを背負う重圧を感じつつも、この村の守護者として、そして人類の希望を守る者として、その使命を受け入れ、静かに力を蓄え続けた。


穏やかな日常は、新たな嵐の前の静けさなのかもしれない。ナタリー・ローズは、その静寂の中で、自身の持つ**「統合された貌」**をさらに研ぎ澄まし、来るべき試練に立ち向かう準備を着々と進めていた。果たして、次なる「虚無の徒」の攻撃は、どのような形をとるのだろうか。そして、ナタリーは、この広がりゆく世界の脅威に対し、いかにして立ち向かっていくのだろうか。

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