表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/24

序章 ハジメの知らない事件

 この世界の人々は、この星にかつて高度に進んだ文明が存在していたとゆう事実を、気にも止めないでいた。

 人類は、今の自分達の文明を発展させることに気を取られていたのだ。

 そう、ほんの三十年前までは。


 月の無い漆黒の夜空を、飛行船は飛んでいた。その飛行船は旅客船ではないらしく、下部についているのは大きなコンテナだった。

 全長何十メートルもあるその巨体は、黒い色に塗られて、夜空に溶けこもうとしているかのようだった。

 そして、飛行船の周囲を取り囲むように、戦闘機が編隊を組んでいた。戦闘機は全てプロペラ機で、しかも木製の複葉機だった。

 飛行船を護衛していた十四機の戦闘機の中の一機が、突然爆発した。他の戦闘機達の動きが、敵襲によって慌ただしくなる。

 更に一機、戦闘機が爆発した。

 ここで、やっと残りの戦闘機は敵を発見することが出来た。

 敵の正体は、ジェット戦闘機だった。

「畜生! ツヴァイバッハの連中だな!」

 ジェット戦闘機を見たパイロットの一人が叫んだ。

 残り十二機の味方に対して、敵はたったの三機だった。しかし、戦闘機の性能差は歴然だ。プロペラ機は次々と撃墜され、僅か数分で残り数機になってしまった。

 ジェット戦闘機は、続いて飛行船にも攻撃を加えようとした。そうはさせじと、プロペラ機が一機立ちはだかった。

「こいつを、貴様らに渡すわけにはいかないんだ!」

 ジェット機のバルカン砲は、目の前のプロペラ機を、簡単に破壊してしまった。

 誰も予期していないアクシデントが起きたのは、その時だった。

 複葉機の翼は、時代遅れの布張りで出来ていた。その翼の布が、ジェット戦闘機の翼にまとわりついたのだ。

 不意の出来事でコントロールを失ったジェット機は、仲間のジェット機に衝突してしまった。二機のジェット機は、一つの火の玉となって墜落していった。

 残った一機のジェット機は、仲間を失ったことにより、飛行船を拿捕する事を諦めるしかなかった。手に入らないなら、破壊するしかない。ジェット機は、飛行船に向かってバルカン砲を撃ちまくった。

 ジェット機の銃弾が、飛行船のエンジンに命中した。爆発したエンジンの炎が、飛行船を包みこんだ。

 飛行船は、炎上して落下した。ジェット機は、飛行船の撃墜を確認すると、プロペラ機が追えない程のスピードで飛び去ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ