寝乱れ髪
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
私の中学時代に、性癖は完全に固定されたと思ってます。
剃刀で切り落とした様なざんばら髪。この世を憂う様な切れ長の目。むせ返る様な煙草の匂い。女性を思わせる様な指使い。そうして決して荒立つことの無い声。指先で転がす様な強かさ。
どれか一つでも当て嵌れば、容易く抜けない反し付きの棘。それを総ナメにされたら、もうきっと手放す事は出来ないだろう。
彼女と共にテレビを見ていた時のことである。あんまり興味無さそうにしていたのも束の間。突然食い入る様に前屈みになった。それから瞳孔をかっ開いて、釘付けになる。
断髪シーン。それも鋏で丁寧に切り落としたものではなく、適当に、乱雑に切り落とす。
「好き?」
「勿論。毛先のラインが整ってないで、乱れているのが良い」
そう言うと、振り返って毛先を弄る。左右の長さが違う毛先。剃刀で切り落とした様なざんばら髪。其れを愛しむ様に、指で優しく撫でる。
「私の好みは中学時代に確立されている。ざんばら髪で、目が切れ長で、硝……煙草の匂いがして、ゆったりとした口調で話すマ……男性」
途中、途中つっかえているのは、多分私にも分かりやすい様に言葉を替えているからだろう。そうして真っ直ぐに見据える。でも居た堪れなくなって、すぐに目を逸らす。遠回しに『貴方が好き』と伝えてくる。
可愛いと思って首元に手を伸ばすと、堪え切れない様に目を伏せる。
「まぁ、フェロモン垂れ流しみたいなキャラだったし、すぐ手が出る様なキャラだったし、其れと相まってたのかも。一種の連想ゲームだよ」
その間にも、ずっと毛先を弄っている。ちょっと気恥しそうな理由が分かった気がした。乱れた髪が、整っていない毛先が、夜を連想させるからだと思う。
言い終わると疲れた様に体に抱き着いて、胸に顔を埋めた。時折胸が大きく膨らむのは、多分深呼吸をしているから。匂いを嗅いでいるから。今日は喫茶店に訪れたから、その片鱗を探しているのだと思う。
「手放せない……絶対手放せない」
「うん」
「録に目を合わせる事も、燥ぐ事も出来ないけど、其れは……」
「分かってるから。大丈夫だから」
オマケ 乱れ髪
彼と戯れる際には、必ずと言って良いほど髪を乱す。指先でぐしゃぐしゃにして、ぐしゃぐしゃにして、獰猛さを映した目と一緒に一瞥する。
『色気のある人は髪が整っている』、その定義に真っ向から反対する。
巫山戯んな。夜になってもそんな事言う奴居る訳無いだろ。性急で、獰猛で、これ程までに魅力的な奴を見て、そんな事言えんのか?
彼の切れ長の目が、少しだけ柔く蕩けた。お返しとばかりに私の髪を掻き乱す。
「君のせいで、すっかり乱れ髪だよ」
これ、私だけかも知れないんですけど、本当に好きなキャラっておいそれと話せない。
画像を見る事も、話す事も、結構な苦行。
これ、自分を保てる自信が無いからなんですよ。
私の好みを形作る程に強烈な原液だから、もう無理。
一つ一つなら耐えられますけど、総出で出されるともう耐えられない。
だからもう最後はパニックになって、口が悪くなってます。完全にバグってます。
そんなもんです。
ちなみに性癖に刺さったキャラを出されると『またそういう事する!! (இдஇ`。)』こんな反応します。