表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/152

魔を封じる鎖

 花の神殿にある封鎖が盗まれた。

 封鎖とは何か。それは黒蝶や魔力を防ぐ為の鎖の事だ。


 その封鎖の特徴は、ただただ巨大な鎖なのだ、とノヴァがそう言っていた。俺が知る前に盗まれ消えていたので、実物を見たことがないが、それでもある程度の大きさの予想は出来る。


 それが花の神殿の壁にあった痕跡だ。


 花の神殿の壁には足の太さ程の凹みが等間隔に並んでいたのだ。無茶苦茶デカい凹みだった。設置されていた場所の形からなんとなくどんな物だか想像が出来る。


 俺は今そのデカい鎖を探して走っている。


 探すといっても無闇やたらと走り回ってなどはない。目星はついていたのだ。なんせ道には大きく破壊され引きずった跡が一直線に見えているのだから。


「封鎖ってのは、随分と重いんだな」


 真っ直ぐに砕かれた道の先へ。


「見つけ……た?」


 居たのは2,3体が合わさった魔族だ。その身に巨大な鎖を巻きつけて沈黙している。


 警戒しながら近づき、鎖に手を触れてみる。軽く鎖を動かせてみても魔族は全く反応していなかった。


「盗んで何をする気だったんだろ」


 不思議に思いつつも巨大な鎖を持ち上げてみる。ずしり、なんて軽い感触じゃない。地面から無理やり引き剥がすようにして持ち上げる程の重さだ。


「この重さだと引きずるしかないな」


 ここから花の神殿まで距離はそう遠くない。しかし急いで向かわないと。


 重量のある鎖を手に持ち上げた時、鎖に絡まっていた魔族の体がずるり、とずれて倒れこむ。


「っと、ん?」


 倒れた魔族にふと気になるものが見えた。封鎖に触れていた体の箇所だけがつるりと際立って見えたのだ。紫色で岩のようなボコボコとしたその間に見えた綺麗な違和感の皮膚。


「これ、人の……肌か?」


 そっと俺が覗き込んだのと同時に上から影が覆い被さる。


「あぁ……こんな簡単だったなんて……なんて素晴らしいんだ」

「……っ、誰だ!?」


 俺の上から覗き込んでいた人物はうっとりとした表情で封鎖と魔族を見つめている。

 間に俺がいるにも関わらずまるで見えていないかのように触れるほどまでに近づいてくる。


「……見覚えあるぞ。確か魔族の側に居た」

「メニック。ただの技術士だよ」


 流れるような手つきでメニックと名乗った人物は封鎖に触れる。


「……魔石に近い。そうか、大き過ぎたんだね」


 キン、と金属の爪の覆いでメニックは鎖を弾く。


 ぞわり、背筋が寒くなった。メニックと名乗ってから、言葉の抑揚が全く無く淡々と機械のような音を口から出していたのだ。


「お前は魔族の味方なのか?」

「? 戻そうとしているだけじゃないか」

「どっちなんだ? 戻すってなんだ? 何が目的なんだ」

「治すんだよ。素晴らしいものを見つけた! これで一歩進める」

「……何を言っている?」


 会話がずれている。俺よりも封鎖や魔族に集中しているだけなのだろうか?

 それにしたって違和感を感じてしまっていた。魔族を治すと言っていたが、メニック自体は魔族では無さそうな風貌だから一層理解が出来ない。


 メニックはじっと封鎖を見つめながら、また抑揚のない言葉で告げる。


「これは花の神殿の封鎖だよね?」

「……そうだな」

「戻すんだろ? 急ぎなよ。黒蝶はどんどん増えているよ」

「……あぁ」


 てっきり寄越せとでも言うのかと思った。さっきまでの話が通じない人物のイメージとは違い、親切なやり取りに少し困惑する。


 メニックの気が変わらないうちにと封鎖を持ち、急いで引きずり花の神殿へと走る。


 後ろを警戒しながらの帰路であったが、メニックが襲ってくる訳でも無かった。


 それよりも、目の前の光景に目を疑った。


 町中を溢れる黒蝶が既に花の神殿の入り口に雪崩れ込んでいたのだ。

もう木曜ですね!

若干調子の悪さは残ってますが、あらかた元気にはなりました⸜(๑’ᵕ’๑)⸝!


文字数約300文字です!

エンジンかけてきますね!

自らを追い込めば速筆になるかしら(っ'ヮ'c)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ