宇宙はとてつもなく広いって知ってた?
久々の投稿です。新規投稿や編集のやり方を思い出しながら書くことになります。
今回の投稿は暫定的なものと思ってください。そんな雰囲気で話を作ってみようと思ってます、てことで。
4/16追記。
話のキモになる設定部分で、一部被る作品を発見。気にならない人は気にならないとは思うのですが、そちらはすでに書籍化すらされていました。
色々と悩んで考えた末に、導入から書き直していきます。
ので、気力が続けば手直しがんばってやっていきます。このままエタらないようにしたいです。
暗闇の中、覚醒を促す何事かを呟く声。
それと共に、頬をぺちぺちと優しく叩く音。
「~~・・・。--、-・・・」
急いで起こされているわけでもなさそうである。
緊急であるのであれば、声は大きくなり、叩く強さも激しくなるだろう。
まだまだ夢見心地で、半分以下の覚醒であれば起こされているな~と思うだけで、それ以上の思考は出来ないものだ。
「あと……、五分……」
この時、そのまま二度寝へ向かう事が出来れば、一時的とは言え幸せだったのかもしれない。
だが、数割程度でも覚醒してしまえば、徐々にエンジンがかかるもので、思考速度も上がっていく。
寝ぼけていたとは言え、さきほど自分が呟いた五分の単語で様々な予測が立てられ──。
「ち、ちこくかっ!?」
嫌な予感が過ぎり、叫んで飛び起きた。
……までは良かったのだが──。
現実は予想を超えて複雑怪奇であった。
昨日は何をしていただろうか……。
いや、思い出すのは容易だ。四十路を迎えた年齢だったが、二十歳の頃から生活リズムは変わっていないのだから。
日中は与えられた仕事を消化し、隙間を見つけてはネット小説を読む。定時で帰宅を心がけ、帰宅途中で買った片手で食べれるような栄養素が詰まった塊と一日分の必要量を謳う野菜ジュースの二品で夕食とする。
そしてシャワーを浴びるとPCを起動させる。
すぐに始めるのは『From Galaxy to Galaxy』という十年以上プレイしているSFアクションアドベンチャーゲームである。愛されている理由はタイトル通り、銀河から銀河へを軸にして作られており、プレイヤーは本当に好きなように行動が出来る。
NPCより依頼され、様々な惑星を渡り歩き、特定の固有生物や未知なる物質を探す探検家。
未踏の辺境星へと向かい、新発見を見つけるスリルと名声を求める冒険家。
星から星へと物資を運ぶ商人。規模が大きくなると船団を編成して商会経営も可能。
宇宙海賊を探し、賞金首を狙う賞金稼ぎ。
逆に商人や冒険家を狙う宇宙海賊。
仲間を集め、徒党を組んで国を興す立身出世も出来るし、反乱軍となって国と対立し、国を乗っ取る事も出来た。
さらには宇宙船を設計し建造する職人プレイ。
宇宙船に装備する装甲板職人、ビームシールド職人、ビーム兵器職人、ミサイル兵器職人プレイまでできた。
新規作成したキャラクターで二週間から三週間ほどプレイするとある程度トップまで上り詰めるため、飽きて新たなキャラクターを作るという流れである。
ヴァージョンアップは年に一度程度の頻度で現在も続けられており、またコアなファンによるMODと呼ばれる改造データも出回っている。玉石混交ではあるが、中には出来が良すぎて公式認定されるMODまであった。
そのゲーム大好きな四十路が、昨日やった事は当然覚えていた。
たまたま未知なる銀河へと新たなキャラを作り出したタイミングだった。
それも今回はマイナーで余り人には勧めないMODを使用してのプレイ。
仕事のストレスを発散するために敵を蹂躙するほどの戦力を持つキャラを作った。
数回のプレイの中で時々やる蹂躙プレイ。荒んだ心を落ち着けるためだけのプレイであるため、約一週間ほどですぐに飽きてしまい、商人や冒険家として新たなキャラを作るまでが流れだ。
なぜここまで好きなゲームを長々と説明したのかと言うと──。
目の前には宇宙船の窓とその奥に広がる星々の海が広がり、さきほどから俺の頬をぺちぺちと叩く小猫──蹂躙用のMODを使用すると出てくるサポートキャラ──が浮いていたからだった。