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第1話

久しぶりの投稿になります。

カッコいい女性 × 綺麗なお姉さん

というイメージで書きました。

 私自身、この容姿が好きでもない。なぜなら可愛い服と自身の容姿の組み合わせが微妙に合わないからだ。女性として生を受け、今日まで生きてきたが、容姿がどちらかというとイケメン男子のようにかっこよく、細身で、胸も小さい、短髪な今の自分は女性なのか、それとも男性であるか分からない。男性と勘違いされることもあるが、女性から注目されることは悪くない。ただ、彼女たちはかっこいい自分に目がいっていて、本当の自分には見てくれない。かといって、嫌いとも言い難い。可愛い服を着たくないのか、と問われたなら、着たいと答える。

「本当の自分は貴女のように乙女です。恋をして、可愛く、愛されたい」

 毎回、カッコいい自分に見惚れて声を掛けてくる彼女たちと会う度にそう思う。声を大にして言いたいその言葉は、未だに言えたことは無く、心の奥に閉まっている。


(みお)はなんで女性なの」

 出会って一年後にある女性から言われた一言。彼女は明るく子供っぽいところがあって良かった。しかし、この一言で、これ以降、二度と会う事は無かった。その日、大泣きした。信じていたし、谷底に落とされた気分だった。


「澪はなんでかっこいいの。それだと俺が引き立たないだろ」

 半年付き合っていた男性から言われた一言。彼は自分を女性として見てくれたが、やはり心のどこかで自分を引き立て役のように見ていただろう。


 信じていた人に二度裏切られて以来、私は人と接するのが怖くなることが出て来た。また、裏切られるのではないか。なら、こちらから裏切るのが良いのか。いや、それは二人と同じになってしまう。それは嫌だ。

 繰り返し聞こえる二人の声に私はどうしたら良いか……。

 


「う……ん……」

 カーテンから漏れる日光が目に染みて、悪夢から目が覚めた。起き上がり、しばらく呆然していると、なぜか涙が流れた。今でも、心に突き刺さったままの棘。抜こうにも勇気が無く、そのままにしている。

「気持ち悪い……」

 二日酔いだった。昨日は夜遅くまで、コンペに出す服のデザインを描いていた。自分の着たい服を絵にする。仕事に対する信念だ。可愛く、男を魅了し、同性も羨ましい服。それが自分の求めている服のイメージ。毎度のごとく、描いても似合わない自分が悔しくて、深酒をする。昨夜もそうだった。

「シャワーでも浴びよう……」

 くしゃくしゃの髪を掻きながら、浴場に向かった。


次回に続きます。

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