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EDMが好きなDTMERが転生者?!  作者: U.
1 Rebirth EP
4/6

4.Listen(吸収) Pt.1

ん、そろそろかな。

あれからどれだけ寝たっけ?


卵の殻が、割れていた。

サイズ感は、何故か生前と変わらない感じだった。


暗闇の中、一筋だけ光っている光が眩しい。

いや、光ってる何かと言うべきか。

どんどんこっちに近づいている。


それを見て思った、これが俺の依り代?なのかな。と

しかし、依り代とは何か違う気がする。

何か意思があるというか、なんというか…


それはヒトだった。


お尻ぐらいまで長い、黒髮の女性である。身長は160ぐらいだ。

青と赤のグラデーションの様な色をしている不思議な、しかし愛おしい目をもつ彼女はスタイルも顔もかなり良く、モデルの様だった。

何故か着てるパーカーが萌え袖で、それも可愛かった。


綺麗だ。正直、見惚れた。

本当に単純に綺麗だと思ったのだ。


その美女は、最終的にあと1メートルの所で足を止めた。

その美女は、何か喜し泣きをしかけてる様だった。

何かじゃべってた。声が小さくて言ってることがわからなかった。

しかし、その瞬間に俺は彼女が魂に刻まれるのを感じた。


そして彼女は、悦びの光となって、俺を構成する。



カンジル、悦びを。

かんじる。物質を、

感じる、世界を。

感じる!感覚を。


目を閉じて、感じる。

空気、音、触感を。

俺は今、完全なる転生を果たしたようだ。




『やっぱりか…』

誰かが言った。



…………………………………………………………………………………………………




これでよかったのだろうか。


突如暗い空間に一瞬で飛び、真っ暗な空間で光った自分がいた。

そして、彼を見つけた。


オッドとは正反対の可愛らしさを持った少年だった。

でもなんとなくオッドと似てる、研究熱心っぽさがあった。

目が、少し茶色が混ざった黒だった。綺麗だった。

身長は160後半ぐらいで、私より少し大きかった。


彼は、私を見て唖然としてた。理由はわからないけど。


何故だろう。

彼を見た瞬間、確かに私の中の何かが動き出した。

そして、私は食べるだけにある口をあけて、こう言った。


『待ってる。』


何故そう言ったかはわからない。

そして、私は彼を包んで、彼の中に入った。


おそらく、私は彼の中で生き続け、色々なことを知るだろう。

魂を、自分を、そして彼を。

何故か、そう思う。


あ、そうか。

そういう事だったのか。

今更気づいた。

どうやら、既に私には魂が芽生てた様だった。


私は、彼を起こしてくれるのを、待つのを決めた。

私を一目惚れさせた彼なら、きっと…


私は愛という感情を発見した。

いや、生まれた様だった。

そして、理解した。

何故、()()()()()()のか。



「待ってる。」


またそういって、わたしは何かのたまごの殻に包まれて、




眠りについた。




…………………………………………………………………………………………………




彼女はなんだったんだろう。

一目惚れした気がする。いや、絶対した。

また会えるのかな。

会えたらいいな。


俺は、目を開けた。


「え、君は?」


『んん?』


え?、どういう事だ?


いきなり俺よりちょっと背が高いハンサムが現れたかと思えば、周りには研究施設の様な物が。でかい。

しかもこの男、喋ってないのに声が出てる?

テレパシストなのかな?


『君が....。』


何か気づいた様だ。

すると、彼も


「………なるほどね。すごい、な」


と口で言った。


何が、とかあるのか?

幸い、言語は通じるからとりあえず自己紹介をしよう。


「ええと、、はじめまして。俺の名前は、統矢です。よろしくです。」



「あ、えっと、僕はオッド。オッド・プロフェット。一応、転生者だ。」


あれ、この名前って…必死に頭の中で考える。


思い出した。



Oddprophet - Listen 。



これだ。

Dubstep である。

()()()()()()。混沌とした音に引きずり込まれるあの感覚。

想像だけでも、ノれる。


ちょっと笑ってしまった。

まあそんなことはどうでもいいとして、


「なんか色々と聴きたい事が、ありますね。」


「確かに、」


場所を変える事にして見よう。


「場所を変えましょうか?」


「うん、そうしよう。あと敬語はあまり使わない方がいいかも。」


えっと、うん、そういう世界なのかな?

いや、単純にそういうやつなのかも、。


「あ、わかった。よ?」


俺はオッドと呼ばれる男、いや男子に連れられて、施設の中の一室につれられていった。



…………………………………………………………………………………………………



少年は、考えていた。


何故、魂が覚醒した瞬間女友達は突然光り出し美形の変わった男子へと姿を変えたのだろうか?

彼女は何処へ?何かすり替わった瞬間があったなのは確かなのだが。


何故、彼がこの世界に来て(?)から、世界が喜びを感じてる様な、なんとも言えない変化が起きた気がするのだろうか?


何故、彼は空気の震動を口で作って、“口で喋った”のだろうか?

そして何故、彼は息をするが如く、この世界の法則を捻じ曲げる事ができるのか?


何が起きているんだ、としか言いようが無かった。

今まで5感までしかなかった感覚が唐突に一つ増えた気がしたのだ。


まさかと思って、思い出さない事にしていた前世の記憶を思い出させた。

いやというほどにアル中の親父の暴力が繰り返され、そのあざの所為で周りにまともに話す人も居なく、最後には交通事故で死ぬという最悪だった人生。


酷かった。

惨めだった。

だから、来世は家族も、容姿も、スペックも。

全てが完璧な人生が送れる様に願った。


自分の前世の最後の記憶は、薄れ征く意識の中で見たある少女の叫びだった。


叫び…さけび…か。


そして、ある事に気付いた。

この世界の生物の、欠陥を。



世界には必ず次元が存在する。

その世界の次元は、とある条件を満たす事によって上昇する。


1. 世界の支配種に()()()()()を一つ、世界にもたらす。

2. 1を応用し、精神的に豊かな文明を築く。

3. 2に基づいて、精神や意思、魂を浄化する。


この法則は、他次元から、超高周波紫外線によって観測された信号を解読した結果である。

しかしまず、1は実質不可能なのだ。

何故なら、異世界などからの何かしらの干渉がない限り無理なのだから。


だが、何故かこの世界ではその干渉が可能なのである。

しかも転生という形で、前世も記憶もそのものを残したまま。

おそらく、それも他次元からの干渉のお陰だと思われる。


もちろん、そのデメリットはしっかりあった。

なんと、魂に刻まれてない情報じゃない限り前世で使っていた物や感覚、

そういった魂以外の物は再現不可能なのである。


しかしながら偶然なのか必然なのか、彼の魂はこの世界には本来ないはずの物を持って、

この世界にやってきた。


この世界の生物は、音が感じる事ができない。

もちろん発生もするが、それを直に、ましてや観測できる事もなかった。


しかしこの男が食べるのが目的だけの口を動かして、音を発した。

そして、その瞬間からなにかが変わったのだ。


自分の理解が早かったからか、自分にもすぐに音を出せた。

それだけじゃない、その瞬間から、自分には、音が聞こえた。

テレパシーよりも習得するのは楽そうだ。



しかし、何故か発見は…できなかった。

もしこの男がいなければ、それも発見することも無理だっただろう。


「統矢くんだっけ? 」


「うん、そうだよ。」


「君の前世の夢は?」


「夢?!」


「うん、望みとか、何になりたかったとか、そういうの。」


「なんでそれを聞く??」


まあ、無理もないか。

いきなり生前の夢なんて聞かれたら普通はこうなる。

理由も相手に教えず聞くのもよく考えたらおかしいしな。

そして俺は、説明しようとした。

この世界を。


「んあ?まってやっぱその必要はないかもしれない」


変な声をあげて、彼が言った。


「え、なんで?」


「なんか、記憶が入ってきた。アップデートされたっぽい。」


「アップデート(?)…なるほど。」



魂が入れ替わっても、その脳内の記憶に変化はない様だ。

というよりかは前世の記憶とマイロの今までの記憶が合わさってると思われるから、多くなってる気がする。


「あっなるほど。」


どうやらマイロの記憶だという事は確からしい。


「わかったかい?なんで僕がこんな事聞いたか」

「まあね。」


凄いことになってるな、さっきから色々。。


「それで、前世の夢は?」

「ミュージシャン?かな。」


「え、なにそれ?」

「え、ミュージシャンはミュージシャンだろw音楽やってる人!」

「いや、知らない。っていうか音楽ってなに?」


親のお酒代で学校へ行けず、ストレスも発散することも許されない過酷な環境にいた俺は、前世のお酒以外の娯楽や知識、教養はほとんどない。

ましてや、それを得る事は夢のまた夢だったのだ。

親に6時間殴られないだけでも、その日は何より嬉しい日だったのだ。


「え、マジで言ってる?!」

「うん」

「音で楽しむって書いて音楽!わからない?」

「えぇ?…音で楽しむ?」


「まじかよ。。。」


すごく悲しんでる様だ。

そんなに楽しいのか、音楽って。


「じゃあ、まず僕は音楽を理解したい。どういう物なのかね。」

「う、うん。」


そして、僕はあるものを用意する。



…………………………………………………………………………………………





THX.

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