隣の美少女
「よろしくお願いします、高橋さん。」
今、僕の隣には美少女がいる。
周りからの視線が鋭い。だが、挨拶はしなければならない。しょうがないだろう?
「え、えっと…よ、よろしくお願いします!櫻子さん!」
こんな美少女相手に戸惑わない男子がいるとでも?
「北条さん」ということはわかっていたが、後輩の女の子と混ざるから、「櫻子さん」と呼ばせてもらうことにした。
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを告げるチャイムがなった。
「気をつけ!礼!」
「ありがとうございました!」
「北条さーん!!!!!!!!!」
と誰かが叫んだのと同時に櫻子さんの机の周りは人でいっぱいになった。
居心地が悪くなった僕は逃げようとした。が、
「ねぇねぇコイツの隣どう?ぶっちゃけ嫌じゃない?w」
と櫻子さんに裕樹が尋ねる。
「ちょ、お、お前!!」
と慌てて止めようとする。が、櫻子さんは顔を真っ赤にして
「私は嬉しいです!こんな素敵な方と隣になれて…!」と言う。
その言葉を聞いて僕まで顔が赤くなるのがわかった。
裕樹が「ヒューヒュー」と言うなか、「ありえない」と言いたげな顔をする人もいた。
彼女の顔は相変わらず赤い。僕の顔もきっと赤い。
心臓が今にも飛び出すかのように脈を打っている。
彼女が美少女だからだ。そう思うことにした。