ソレハステキナデアイ
「先輩!好きです!」
後輩から告白されて一ヶ月が経つ。僕はまだ、その返事に迷っていた。
断る?でも別に今、断る理由はない。好きな人がいるわけでも、なにか趣味があるわけでもない。しかし、その後輩はかなりの美少女で2年生の間では有名中の有名。学校全体の有名人なのではないだろうか。「北条杏」と聞いて「知らない」と答える人はまず居ないだろう。そんな美少女と僕が付き合ってもいいのだろうか…?
そんな事を考えながら教室のドアを開く。僕の席は窓側の一番後ろのいわゆる「ぼっち席」
のはず……だよ…ね?
僕の席の隣にもう一つ席ができている。
「おはよー!!!起きてー!!!」と一番に話しかけてきたのは僕の親友(?)の「村上裕樹」
「ひろきには僕が寝てるように見えるの?」と聞くと、
「朝からこわぁ~い顔してたからさ!わたしぃ~高橋の事がぁ~心配なのっ♡」と実に気持ち悪い声で彼は言う。
確かに怖い顔だったかもしれない。そこは認めよう。
「まだ迷ってんの?まぁ、あんな美少女お前にはもったいないよな!」
ものすごくうざい。が、言っていることは正しい。
キーンコーンカーンコーン
「席に着いてください!!!!!!!!!」と学級委員。
しばらくし、先生が教室に入ってくる。
「みんな!このクラスに新しい人が来るぞー!」
先生の一声でクラスが騒がしくなる。
「男?女?」誰かが先生に聞くと「女だ!」と先生が返す。
「いいよー。」先生の合図とともに教室に一人の少女が入ってきた。
その少女は色白で目が大きく、鼻はすらっと、口は小さく顔も小さい。髪は長くて一部結んでいる。(ハーフだっけ?)一言でいうと美女だ、美少女だ。
「初めまして、北条櫻子と申します。」会釈をして微笑む。この瞬間クラスの男子の半分は惚れた事だろう。そんな事を考えていると彼女と目が合ってしまった。そして彼女は微笑む。
なぜだろう、彼女の微笑みを僕は「怖い」と感じてしまうのだ。