表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/121

75.「城門近くの民家に入る。 」

民家の中は、僕ら現代人とは異質なものの、生活感のある部屋だった。


まるで昨日まで誰かが住んでいた様な。


「本当に誰も居ないんですね」


千歳ちゃんは城の様子に驚いている様に言う。


「・・・気味が悪いよね・・・へっくしょ!」


千尋ちゃんが寒そうにくしゃみをする。


上半身ほぼ半裸の上濡れているのだから仕方がない。


僕は、ジャージを脱いで、千尋ちゃんの肩にかけてやった。


「・・・お兄ちゃん・・・!」


「寒いだろう?、それで良ければ着けていてくれ」


「うん!」


にっこりと微笑む千尋ちゃん。


「ぶー!千尋ちゃんだけずるいです。私も何かして下さい。」


「何かって・・・?何だよ・・・?」


「何かは何かです!それじゃあ・・・ちゅー、して下さいよ!ちゅー!」


千歳ちゃんは目を瞑って僕に唇を向けて来た。


「なっ、ちょっと待てよ、それはいくら何でも」


「一緒にお風呂入ったんですから、これぐらい良いじゃないですか、ちゅー!」


「ちょっ、やめっ!千尋ちゃん、何か言ってやりなよ」


「んーー、先から私ばかり良い思いしてるし、千歳さんにも、お兄ちゃんの事、譲らないとね。ちゅーぐらいなら・・・良いかな、後で私にもしてくれるなら」


ほっぺを手に当てて、困った風にくすくす微笑む千尋ちゃん。


千歳ちゃんの唇が迫って来る。


「年貢の納め時ですよ。ちゅーして下さい」


・・・確かに、僕は彼女達から色々誘惑を受け、好意を伝えられて、未成年だけど、彼女達の存在は誰も分からないし、ここも現実だかわからない空間だ。何しても問題ないし、彼女達もそれを望んでいるだろう。


僕は、目を瞑って、千歳ちゃんのキスを・・・


・・・しなかった。


「お兄さん?」


悲しそうな目で僕を見る千歳ちゃん。


「・・・今は・・・よそう・・・」


「今は・・・?ですか・・・?」


「うん・・・この、わけのわからない世界の中から脱出してからにしよう。そういうのは。」


「ここから出れば、ちゅーしてくれるんですね!」


「ん・・・まあ、そうだな・・・。どうせ千歳ちゃんに何かしても咎める人は居ないしな」


そう言うと、千歳ちゃんは、ぱあっと顔を明るくして


「どうしたんですか?、急に、お兄さんのガードが甘くなったんですけど?、今まで、押しても、体よく避け続けられていたのに!良いんですか?やっちゃいますよ!私!」


と言って、僕に抱きついて来た。


「・・・ん・・・まあ、もう、いい加減にして良いかなって。どうせ、僕らの関係は僕ら以外分からないものだし、それに、千歳ちゃんは魅力的だしな」


と、僕は千歳ちゃんの頭を撫でてやった。


「やったーっ!うふふ!お兄さん!お兄さん!」


千歳ちゃんはぎゅっぎゅっと僕に抱きついて、喜んでいる。


「こらこら、全てが終わった後の事だぞ」


千歳ちゃんの頭をぺしりとチョップした。


「あてて・・・楽しみにしてます!」


千歳ちゃんはるんるんで僕から離れた。


「・・・お兄ちゃん、私も楽しみにしてるね」


ふと、横を見ると、口元だけ微笑んで、僕らを見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ