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67.「目の前にはゴーレムを引き連れた少女、手にはその風貌には似合わない大鎌が握られていた。」

「あれが・・・お兄さんが言っていた、女の子・・・ですね」


自称従兄弟はその手の昇り棒を握りしめて言う。


その表情には緊張感が込められている。


「ああ・・・」


僕は頷く。


「任せていて下さい。私が守りますから・・・っ!」


自称従兄弟は昇り旗を構えて黒服の少女に対峙する。


「・・・分かった。任せたぜ、千歳ちゃん」


「はい!」


千歳ちゃんは元気良く答える。


情けない、大の大人が女子高生に守って貰うなど。


しかし、確かな武力を持っているのは千歳ちゃんなのだから仕方ない。


「さあ、来なさい!剣道県内ベスト16入りの私が懲らしめて上げます。」


千歳ちゃんはキリキリと昇り旗を構え威圧する。


そんな千歳ちゃんに黒服の少女は憤怒の表情で千歳ちゃんを睨み付けていた。


「・・・■■■■っ!■■■■■っ!!」


何の言語か分からないが大声で僕怒鳴り付けてきた。「・・・?お兄さん、あの子、何言ってるか、分かります?」


「いや、この前遭った時から、さっぱりだった」


「明らかに日本人じゃないですもんね」


「それ所か、人間じゃないだろう。あんな小柄の体に大鎌持って翼が生えてるなんて・・・気をつけてくれよ、千歳ちゃん」


「はい・・・!気をつけます・・・!」


黒服の少女はじりじりと千歳ちゃんに近づいて来る。そして


「■■■■■■■■っ!!!」


声を張り上げて千歳ちゃんに突撃をしてきた。


『ガキィン!』


鉄と鉄が弾ける音がした。


少女の大鎌と千歳ちゃんの昇り旗がつばぜり合っている。


「千歳ちゃん!!」


「・・・ぐぎぎ!何て馬鹿力・・・!この子、見た目によらず結構力ありますよ」


お互いの力は拮抗している様だった。


少女はつばぜり合った鎌を戻し、再度刃を振る。


しかしその斬撃も、千歳ちゃんの昇り旗に防がれ、さらに斬撃もまた昇り旗が防ぎ、少女がまた斬撃を繰り出しまた千歳ちゃんが斬撃を防ぎといつの間にか斬撃の応酬になっていた。


『ガキィン!ガキィン!ガキィン!ガキィン!』


剣撃の音が絶え間なく響く


その剣の振りの速さは、どんどん、速く速く加速していき、その速さは驚いた事に、驚いている事だが、剣撃の速さが僕の目に見えないレベルになり、人間の剣を振る早さとは思えないレベルになった。


ただその速さを呆然としてしまっている内に、千歳ちゃんと少女は切り結んだ後、お互いに距離を取った。


「千歳ちゃん!!大丈夫か!?」


「はい!お兄さん!ご心配無く!」


「それにしても凄いぞ!そんな速さで旗を振れるなんて!」


「何だか知らないですけど、体が自然と速く動けるんです!分からないけど!」


千歳ちゃんは後ろを向いたまま上機嫌で叫ぶ。


あれだけの速さで旗捌き出来たのだから驚きだが、そもそも旗から変な赤い光を出しているのだ。今更何か不思議な事が起きても、驚きはしない。


「そっか!流石僕の従兄弟だな!無茶するなよ!あの女の子を懲らしめてやってくれ!」


「はい!頑張ります!」


何となく千歳ちゃんの持つ旗の赤い光の勢いが激しくなった気がする。


「■■■■!!」


僕らが会話している所に、少女が叫び割り込んだ。


「■■■■■■■っ!!■■■■■っ!!」


僕らの方を見て、何だか罵っている様な勢いで、怒鳴っている。


「・・・何だか、怒っているみたいですよね」


「もしかして、僕らの事知ってたりするんじゃないの?」


「ううむ、何だか、その可能性も否めないですね・・・。」


そう二人でうんうん考えていたら


「■■■■っ!!」


と少女が叫び、ゴーレムがのっそりと動き出し、千歳ちゃんの方へ向かいだした。


「くっ、数で押すつもりですか!?」


「させるか!」


僕はゴーレム達の方へ向かい、千歳ちゃんの方へ行かせまいとする。


「お兄さん!無理しないで!」


「こいつらは任せろ!」


ゴーレム達は動きが鈍い、千歳ちゃんの元へ行こうとするのを妨害するぐらいは出来るぞ。


「■■■■っ!」


突然少女が怒鳴った。


すると、ゴーレムはぴたりと動きを止めた。


どうやら、少女は完全にゴーレムを操る事が出来、


そして、少女がゴーレム達を止めた様だ。


「■■■■■■っ!■■■■■■っ」


少女は続けて叫び続ける。


どうやら、僕に向かって叫んでいる様で、その表情は、先の憤怒の表情では無く、何か訴えかけているかの様だった。


「■■■■■■■■っ!!」


少女は、どこか、悲痛な顔をして、僕の目をはっきりと見て、僕に何かを叫んでいる。


「■■■■っ!!」


何を言っているかは、分からない。だが、ゴーレム達を止めたという事は、少なくとも僕には敵意が無いという事か?そういえば、今までゴーレム達は、僕に対して攻撃しようとはした事が無かった。


「一体、何を言っているんだか・・・、お兄さん、無茶しないで下さい、お兄さんを守るのは、私なんですから!」


千歳ちゃんが、僕の方へ駆け寄ると、少女はキッと睨み付けて


「■■■■■■っ!」


と声を荒げた。


やはり、あの子の敵意は僕じゃなく、千歳ちゃんに向いている様だった。


少女が手を振ると、周囲のゴーレム達が、僕達の方へ、いや、千歳ちゃんの方へ視線を移す。


「■■■■っ!」


少女の怒声と共に少女とゴーレム達が、千歳ちゃんに突進しだした。


「来なさい!今だったら、どんな不思議な化け物にも負ける気がしないわ!」


千歳ちゃんの昇り旗の光の色が、さらに勢い良く輝き、少女とゴーレムと相対する、刹那、ゴーレムの手足がバラバラに吹き飛んだ。

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