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3.その鍋の中身はカレーだった。

そのカレーはただのカレーじゃない。僕が好きな、ブロッコリーとポーク缶のポークの厚切りをたっぷり入った、実家で良く食べて、独り暮らしの今はご無沙汰だった「我が家」のカレーだった。


「今、皿に盛り付けるから、お兄ちゃんはスーツを脱いで居てね」自称妹は台所へ向かう。


僕はふと棚の上に掛けられている写真に目がついた。


そこにはどこかの遊園地で撮ったらしい、僕と自称妹が、自然な微笑みを浮べていた。


「な、何だ・・・この写真は・・・?」 僕はその写真を手に取り、食い入る様に見つめる。


「去年ネズミーランドに一緒に行った時の写真だけど・・・どうしたの・・・?」


自称妹はきょとんとした顔で僕を見つめていた。


一体何なんだ、こいつは誰なんだ?


僕は頭を抱えて唸った。


「どうしたの・・・お兄ちゃんどうしたの?大丈夫?」


自称妹は心配そうな様子で僕に駆け寄った。


「どうしたの?じゃない!。あんたは一体誰なんだ!?」 僕はまた自称妹の腕を掴み大声で怒鳴った。


「だ、誰って・・・チヒロだよ?。お兄ちゃんの妹だよ?。・・・どうしたの?一体・・・?今日のお兄ちゃん、本当に変だよ・・・?」


自称妹は僕の剣幕に怯えて居る様だった。


らちが開かない、もう強硬手段しかない。


僕は自称妹の手を掴んだまま、玄関にのっしのっしと自称妹を引きずりながら進んだ。


「痛いよ!。お兄ちゃん痛いって!何?何なの?」 自称妹は悲鳴を上げる。


僕は玄関のドアを開けて、自称妹をポイッと放り出した。


「悪戯なら他所でやってくれ、僕は帰ってきて早々で疲れてるんだ」


そう捨て台詞を吐いてドアを閉め、鍵を千錠する。


「お兄ちゃん!、何で・・・!?。入れてよ、お兄ちゃん」


ドンドンとドアを叩きながら自称妹は叫ぶ。


「私、何か悪い事した!。ねえ、謝るから、お願い、中に入れてよ!」


何を言われても無視無視。


あの写真は何か画像加工でもしたんだろう。カレーは良く分からないが。


僕はこれからビール片手にアニメ消化しないといけないのだ。


自称妹はこの後も叫び続けたけど30分もすれば大人しくなった。

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