2/8
プロローグ02
神とは何だろうか。
特別な力。素晴らしい知識。
人間には行うことの出来ない奇跡を行う存在。
そんな認識だ。
しかし、この世界において神は人間の延長に在る。
人間は神に成る事が出来る。
かつて人間は神になり、神は人間と交わり、神人を生み出した。
神人の多くは英雄となり賢者となり、人の世界を潤した。
だが。
神と魔の争いの後全ては変わった。
神は隠れ、地には災いが満ちた。
神人の多くは倒れ、または隠れた。
長い時が過ぎ、人々は疲れ、倒れ、その生存圏を縮小した。
どこかに人が神に成ることの出来る秘法があるという。
それはひょっとすると人の希望が見せた幻影かも知れない。
だが、人々はその話を信じた。
神が蘇れば、神が生まれれば。
きっとこの世は良くなる。
そう信じたのだ。