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第三章
「わっ!で、出来ないなぁ……」
そうやって、術の練習をしては出来ずに落ち込む菜穂ちゃん。
……慰めてあげられないかな?
僕は――
「菜穂ちゃん。いつかは出来るから頑張ろ!」
「……うん!」
この子の笑顔を見るたびに胸がドキドキするんだ。
やっぱりこの子に"恋"をしてるんだ。
僕は。
「ぁ……もう、時間です!私帰るね!バイバイ、瑞樹君」
「うん……バイバイ」
僕はちょっと悲しかったけど手を振って別れた。
まぁ、永遠に会えないって訳じゃないし、落ち込むこともないか!
「えーっ!?ぼ、僕が!?」
今、僕は心底驚いてる。
新人幽霊に人間界のいろはを教えろって!?
いや、無理でしょ流石に。
「うーん、お願い。零さん仕事があるから」
「わ、分かりましたよ!ほら、いきますよ――"蘭"」
「はい!宜しくお願いします!先輩!」
はぁ……
また面倒なことが増えた。
あ、菜穂ちゃんの事は別だよ?