表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

読んじゃだめだよ?

作者: 三毛猫

 ……あー。もしかして、このページ開いちゃったんだ? あー、もう、読むなってタイトルにもあらすじにも書いといたのにどうして開くかなー。

 しょうがないから説明しとくけどさ、このお話は「不幸の小説ノベル」なんだ。あー、ほら、「不幸の手紙」だとかさ、似たようなので「幸福の手紙」だとか、ああいうアレなわけよ。わかる?

 ……んー。今時の子は知らないのかな。わかんない? 知らない?

 不幸の手紙っていうのはさ、同じ文面の手紙を何日以内に何人に送らないと不幸になります~みたいなやつ。具体例として手紙を送らなかったT県I市の誰それが死んだ~とかなんかそんなしょうもないのが書かれてる手紙なわけよ。かなりはた迷惑なお手紙なんだけど、一時期流行ったりしたわけね。

 ケータイとかみんなもってる今だと、手紙よりメールなのかな。チェーンメールって言ったらわかるかな?

 ああいうの何が楽しいのかあたしはほんとわかんないんだけどさ、そういうの他人に送り付けてニヤニヤしてるバカがいるわけなのよ。

 ……でもって、話は戻るんだけどさ、このお話ってその「不幸の手紙」みたいなものなのよね。

 いや別に同じ文面の小説を書いて、この「小説家になろう!」に投稿しないと不幸な目にあう、だなんて馬鹿なこといってるわけじゃないんだけどさ、要するに、読んだ人が不幸になっちゃうお話なわけ。


 ――具体的に何がどう不幸になるのは、もうすこし後で語ることにするけど。読むの止めるなら今が最後のチャンスだよ?







 え、それにしてもなんだか妙に馴れ馴れしいって? いやだってさ、あたし、キミに話しかけてるわけだから。こっちからだとパソコンで見てるのかケータイでみてるのか、それともスマホ、だっけ? なんか変な薄いのでここ見てるのかわかんないんだけどさ。

 あたしは、ここにいるわけなんだよ。え、あたしのいうここ・・ってどこかって? それはあたしにもわからないなー。

 あたしの言葉は、文字に変換されてキミの目の前に表示されている。

 意味、わかる?

 つまり、あたしは、ここ・・にいる。

 残念ながらキミの言葉はあたしには聞こえないし、想像で受け答えするしかないから、だからどうしてもこちらからの一方通行にならざるをえないんだけど。

 ああ、そんなくだらねー、って鼻で笑うのもしょうがないとは思うけどさ。この辺りまで読んでしまったら、もう後戻りは効かない訳なのですよ?

 いやだから、信じなくてもいいんだけどね?

 ……ああ、後ろ向いたって誰もいないよ? あたしはめりーさんとか言う都市伝説じゃないし。でもまぁ不幸になっちゃうところは似たようなものかもしれないね。

 さて、そろそろわかってもらえたかな?


 ……これは、「不幸の小説ノベル」です。

 このお話を読んだ人のうち、誰か一人が、あたしの代わりにここ・・に閉じ込められちゃうよ。

 いや、VRMMOのデスゲームだの異世界トリップだのいろんなお話がいっぱいあふれてる場所だけどさ、まさかこんな所に飛ばされちゃうなんてね。


 ああ、また鼻で笑ってる。


 でも、ここまで読んじゃったらもう終わり。


 ようこそ、名前も知らないキミ。


 ――だから、読んじゃだめだよって言ったのに。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。 「読んじゃだめ」って言われると、読みたくなるじゃないですか。すぐクリックしてました。 私はもう読んじゃったので、もしかしたらすでに「閉じ込められて」いるのかも知れません。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ