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5.中二病、ドラゴンと戦う

 【中二病あるある】

 武器は基本的に何でもカッコいいと思っていて刀、大剣、大鎌、銃が特に好き。

 二刀流も好き。

「アリス、あのドラゴンって」

「ただの飛ぶトカゲです」


 無理がありすぎる。


「こーんなところに城なんか建てて、マジでぼっちねアリス〜♡ねえねえ友だちいないってどんな感じ〜?♡」


 めっちゃ煽るなあのドラゴン。


「一人?その目は節穴ですか、ルナ?ああ、神々しすぎて直視出来ないようですね。私の隣に誰がおられるか、その目でとくとご覧なさい」

「はぁ?人間の雌じゃん。しかもおばさん」

「おばッ?!」


 お、おまっ…言っていいことと悪いことってあるだろ!

 アラサーにおばさんは泣いちゃうぞ!


「えーアリスってばぼっちが寂しすぎてペット飼い始めたんだぁ。キャハハッ、マジ哀れ〜♡噴飯〜♡」

「不敬な!この方をどなたと!」

「知ーらないっ」

「うおおおお!ブレス吐いたー!ねえ大丈夫だよね?!隕石降っても大丈夫だもんね?!ね?!」

「ルナのブレスは隕石より威力がありますから、直撃すればダークパレスごと焼け死にます」

「嫌ぁぁぁぁ!!」

「ご心配なく」


 あ、見えない剣。


「この程度、クローナ様のお手を煩わせるまでもありません」


 アリス強いぃ!

 カッコいい〜!

 技が混沌の十三剣(カオスサーティーン)なこと以外は!


「マジ生意気ぼっちのくせに」

「我が崇高にして至高の王にツバを吐くとは…恥を知りなさい糞トカゲ!!この方は、かの千竜伝説にその御名を刻みし覇者!漆黒の剣王(ピュアブラック)、クローナ=ダークネスノヴァ様その人であらせられるのですよ!!」


 千竜伝説…王の剣は一振りで空を覆う竜の群れを斬り落とした、ってあれか。

 黒の章の端っこにチョロっと書いたやつ。

 何の意味もなくそれ書いといたらカッコいいだろって付け足したやつやめて…

 重箱の隅をドリルでつつく暴挙やめて…


「はあっ?!あんたバカぁ?!そんなザコザコそうなおばさんがクローナ様なわけないでしょ!バカにしてんの?ふざけてるとマジで殺すわよ!」


 実際ふざけてるけどおばさん呼びするな!!


「ていうかなんであのドラゴンも私のこと知ってるの?!私ってばそんなに有名?!」

「それはもちろん!クローナ様がお書きになった聖典は世界各地にありますから!」


 そうだ…黒の章以外にもいっぱい書いたんだ…設定資料…

 いや待って世界各地に?!

 私の恥ずかしい闇が?!

 嫌ぁぁぁぁ!!


「それにしても憐憫を隠しきれません。ルナはどうやら、クローナ様があまりに偉大で現実を直視出来ていないようです」

「うん、それはアリスもだけどね…」

「クローナ様、ここは一つあの愚か者をわからせてやりましょう。二度と歯向かう気が起きないようコテンパンに」

「え?ドラゴンと戦えって言ってる?」

「ルナは全てのドラゴンを統べる世界最強のドラゴンですが、クローナ様にかかれば路傍の石を蹴り上げるのも同然。いえ、吐息で羽虫を払い除けるようなもの。さあクローナ様、あのトカゲに王の鉄槌を」

「無理ィィィ!!!」


 だってあんなデカいんだよ?!

 ブレス吐くんだよ?!

 爪も牙も…ああ、全部私を殺すために向けられてるぅ…


「ザゴザコおばさんがクローナ様の名前騙った罪、このあたしが赦さないんだから!!」

「わあぁぁぁぁ!!」


 終わった…

 私が中二病だったばっかりに…

 くそぅ!全部昔の私のせいだ!

 こんなときクローナなら…クローナなら…!


「っ!世界を知らぬ矮小なる(けだもの)よ!」

「?!」

「ここに在る我は虚影か!それとも虚構か!その魂の消滅を以て真実と知るがいい!はぁぁぁぁぁ!!」


 クローナ=ダークネスノヴァは万能にして全能の究極の王だ。という設定だ。

 剣は天を裂き、魔法は世界を書き換える。

 森羅万象、世界に存在する全てを意のままに出来る。

 重ねて、そういう()()だ。

 だから当然私に特別な力は無いし、混沌の十三剣(カオスサーティーン)だってもちろん使えない。

 だから、


「なッ?!!ああああああああーーーー!!!」


 ()()()()()()()()()()()()()()のは、本当にただの偶然だ。


「こ、これは…クローナ様だけが使える古代魔法…!重力を操作し星を降らせる星天殲滅極光スターダストオーバーレイ!!」


 うん、違うよ?

 隕石が偶然ルナに命中して、開いてた口の中に偶然隕石がハマって、それが偶然ブレスを溜めてたときだったから暴発して自爆しただけだよ?

 その証拠に呆けることしか出来てないからね。


「ほ、ほぇー…」

「クローナ…様…」


 アリスめっちゃ泣いてる!!


「申し訳…ございません…。わたッ、私…感動で…ううう」

「いや、ほんと泣くことじゃなくて…それよりルナは?!」

「うっ、くっ…」


 よかったなんとか生きてる。 


「大丈夫?」

「この力…本当に…」

「わっ?!」


 ルナの身体が光ったかと思えばめっちゃ可愛い女の子になった!

 つるペタロリっ娘が裸で抱きついてくるのはさすがに児ポ!


「クロ様…クロ様〜!♡」

「どぅえぇぇぇ?!!」

「すごい本当に本物だ〜!♡あたしルナ!♡ドラゴン族の姫!♡クロ様、あたしと結婚して!♡」

「なっ、えっ、ちょ…はい?!!!」

「待ちなさいルナ!!クローナ様は私が一番お慕いしているのです!!あなたは身を引きなさい!!」

「はー?意味わかんないし。クロ様を一番好きなのはあたしなんだけど?」

「私です!!」

「あたしだってば!!」


 ほんと、何がどうなっちゃうの…

 なんかゴメンね…私が中二病だったせいで…


 皆さんはどれまで中二病でした?

 当方は今でも中二病ですが?

 

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