Epilogue
【中二病あるある】
人は誰しもが永遠の中二病。
「……………………へ?」
いつになっても何も起きないから目を開けたら、アリスも女王様も、全員が揃って私の前に膝をついていた。
目から大粒の涙をこぼしながら。
「あ、あの」
「我々は……なんと愚かだったのでしょう……」
「クローナ様の慈悲を無下に、寛大な魂の一端すらも理解せず……」
「へ? いや……」
ケンカはやめようって、あとクローナはただの中二病だったってことが言いたかったんだけど……あれ?
「クローナ様の御心……しかと理解致しました」
「人と魔族は争うのでなく、共に手を取り同じ未来……そう、クローナ様の覇道を切り拓いていくために存在しているのだと」
「違……そ、そうじゃなくて……えっと」
いや、もう言おう。
ただの中二病です、アラサーの喪女が調子乗っただけなんですって。
「今ここに、クローナ様に誓います」
「我々は二度と同じ過ちを繰り返さず、共にこの世界の全てをクローナ様に捧げることを」
「クローナ様に喝采を!!」
「惜しむことなき祝福を!!」
「クローナ様万歳!!」
「クローナ様万歳!!」
湧き上がるクローナコールで地面が揺れる。
あの、ほんと……そういうのじゃないんですけど?!!
その後。
ゼロとフィルレティシアが揃って世界中に事の顛末を発信。
長く続いた戦争の終結、そして友好の証として二つの国を統合することを宣言した。
世界統一国家の名前は、ザ・ジェネシス。
そして国を治めるのは……
「ザ・ジェネシス絶対王、クローナ=ダークネスノヴァ様、御降臨!!」
なんでだ……
こんな得体の知れない人崇めちゃダメだよ世界中の人たち……
「ただのアラサーが世界の王様になってしまった……気が重い……」
「世界の王だなどと、またユニークなことを仰いますねクローナ様は。そんなところがステキですけど♡」
「クロ様にはそんなちっちゃい肩書きなんて似合わないんだから♡」
「そうだよクー様♡」
「あなた様はこの星の外さえも統べる大いなる御方♡」
「どこまでもついて行きますわ♡」
「母上と一緒にいられて幸せ♡」
「私たちの全勢力を以て、クローナ様を世界の神にしてみせますわ♡」
「クローナ様、愛しています♡」
「ハハ、ハハハ……」
こうして物語は一旦幕を閉じる。
この後も異星人の侵略があったり、存在を忘れてた聖典の存在が一波乱起こしたり、私の正妻の座を巡って一悶着あったりするんだけど、まあ、それはそれとして。
ただの中二病が私を異世界の神にする……か。
ハッハッハ。
「恥ずか死するので私の黒歴史には触れないで…あ、待って無理オェェェェ!!」
これにて物語は完結です!
お付き合いいただいた読者の皆様へ、最大限の感謝を込めて!!
中二病、万歳っ!!
好評連載中の別作品、『百合チート持ちで異世界に転生したとか百合ハーの姫になるしかない!!』も、どうかよろしくお願いいたします!!