1.中二病、異世界に
【中二病あるある】
黒色が大好き。
銀、赤、白も好き。
私の名前は剣黒奈。29歳。独身。
ちょっと名前が厳つい以外は、ごく普通のOLだ。
「会社潰れろ!!部長○ね!!」
今日も今日とて残業終わり。
一緒に飲んでくれる友だちも、一人で居酒屋に入る度胸も無し。
公園のベンチでスト○ロの700mlを煽り、日々への鬱憤を吐き出していた。
通勤ラッシュ!みなし残業!低賃金!恋人いないのって聞いてくる部長!
もー嫌だ!会社辞めるー!
「はぁ…昔はこんなんじゃなかったのに。昔は……」
『愚かなる者よ、その傲慢を悔いて滅べ。我が輪廻に貴様は必要無い』
「うぷっ!」
ダメだ……昔のことは思い出しちゃダメだ…
『天よ平伏せ!地よ仰げ!我こそ――――――――』
「ぬあぁぁぁ!忘れろ!忘れろ!忘れろぉ!」
忌まわしい記憶を消すようにスト○ロを流し込む。
するとヘドバンしたせいで酔いが一気に回った。
気持ち悪い…吐きそう…
なんか周りが光ってる幻まで見えるし…
あ、無理ダメだ…
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「開け異界の扉!今ここに英雄を!世界を平和へと導く救世主を!」
「おぼロロロロロロロロ!!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
真っ白な光とか、床に描かれた魔法陣とか、よくわからないけど…
めっちゃ吐いたし、超ウルトラ美人ちゃんにゲロぶっかけちゃった…