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第37話 神の鉄槌

魔王領の喫茶店。


ここにはカゲチヨ、ノヴェト。

そしてなぜか女神アシュノメー。

エミリーは不在。


甘々に、カゲチヨに甘える女神アシュノメー。


「はい、ダぁーリン〜? アーンしてぇ〜? アーン、アーン」


女神のスプーンが、カゲチヨの目の前に差し出される。

アイスが乗っている。


「え、あ……」


カゲチヨは躊躇し、視線が泳ぐ。


女神は上目遣いでグイグイくるのだ。

カゲチヨの視線は、一瞬ノヴェトに助けを求める。

……が、観念してそれを口にする。


「……はい」


「おいしぃ〜?」


「あ、はい」


「そう〜、良かったぁ〜。じゃぁ〜、今度はぁ〜、これぇ〜」


「あ、はい」


淡々と餌付けされるカゲチヨ。


そして、それを眺めるだけのノヴェト。

度々飛んでくるカゲチヨの泳ぐ視線を、ノヴェトは視線を外してさっと受け流す。


……一体、なぜこんな状況になったのか。


ノヴェトはため息を吐きながら、女神に言う。


「……まぁ、一応なんとかなったのは良いんだが……」


「なによ? 文句あるのかしら?」


「アレ、あのままで大丈夫なのか?」


「アレって、なによ? あの原始人のこと?」


「原始人て。……相手は破壊神だぞ? 例の破壊光線もあるしな。あの身体でも使えるかは知らんが……」


実は今、採石場では、破壊神シュノリンと『女神の複製体(コピー)』が戦闘中なのだ。

勿論、シュノリンは、相手が複製だとは気付いていない。


「いいのよ、放っておけば。ケモノは、一生あそこで遊んでいればいいのよ。複製とはいえ、私の姿と戦えるのよ? 感謝してほしいくらいだわ。あれはそういうものな、…………あっ!」


カゲチヨの頬に、アイスが垂れる。

舌なめずりをする女神。


「あらぁ? ダメじゃないのぅ〜? しょうがないんだからぁ〜」


女神は顔を近付けてくる。

舐めるつもりだろう。


だが、カゲチヨは一瞬でそれを察知する。

目にも留まらぬ速さで、お手拭きで自分の頬を拭った。


「ああんもう! 私がやってあげるんだからぁ〜。ダぁーリンはジッとしてて!」


「あ、はい」


それでもノヴェトの不安は消えない。


「複製って、破壊神を抑えられるほど強いのかよ。また追ってこられたら……。あんなのと何度もやり合いたくないぞ」


「だから、放っておきなさいって。複製(あれ)は死んでも、その場で復活するわ。……しかも、復活する時、相手の魔力をごっそり吸収するのよ。あの野蛮人なら、そうそう魔力切れもないでしょうから、しばらく戦ってるでしょうね」


「そうか……。それとな、うーん」


「なによ? アンタ、さっきから文句ばっかりじゃないのよ」


「いや、その……。カゲチヨにそのヒラヒラの薄布は……」


「いいじゃないの。私とお揃いなのよ?」


「それ……、結構見えるよな。中身」


「ホッッント、アンタ。……おっぱいとエロいことしか考えてないわね」


「いや、なんで俺が悪い(てい)なんだよ。スケスケでドエロい格好は、どうなのよって言ってんだよ」


「アンタが、カゲチヨきゅんの服無いって言うからでしょ⁉︎ 魔法でちょちょいと、カゲチヨきゅんの服作ってあげたのに、まーた文句言うわけ?」


「いや、文句は言ってないって。もうちょっとスケスケでないやつは無いのか、って言ってんだよ」


「……結局文句でしょうが。さっきも言ったけど……。これ、私の魔力で作ってるから、今も魔力出しっぱなのよ? 理解しているのかしら? 私がキュッて魔力止めたら、カゲチヨきゅんもキュッて全裸になるんだからね? こんな街中でよ? キュッ、プリン、ピカッよ? 理解してるの?」


「はわわわわわ……、それだけは勘弁して欲しいのですぅ……」


「り、理解してるって……。わ、分かったよ、そう怒るなよ。だから、カゲチヨとラブラブさせてやってんだろうが」


「はああ⁉︎ ラブラブさせてやってるぅ⁉︎ 自分の夫と、ラブラブするのに許可がいるんですくぅわー⁉︎」


「あー、はいはい。そうですね……」


「ほうら、どぅわ〜りぃん(ダーリン)! アーンよぉ! アーン、アーン‼︎」


「あ、はい」


ノヴェトは小さな声でつぶやく。


「早く、エミリーちゃん、帰ってきてくれ……」


エミリーは現在、カゲチヨの服を買いに行ってる。


実は先のいざこざで全裸になったカゲチヨ。

とりあえずは女神が、魔力で服を作ってくれた。

そして、服を買うために街中へ来たが、街に入った途端、女神が暴れ出した。

街頭全裸と引き換えに、喫茶店でのラブラブを要求したのだ。


まさか女神とエミリーを置いて、ノヴェトが服を買いに行くわけにもいかず。

なんとかエミリーを説得し、カゲチヨの服を買いに行ってもらったのだ。

彼女は今にも戻ってくるはずだ。


それまでは、カゲチヨの街頭全裸を防がなくてはいけない。

なんとか女神をなだめすかし、時間を稼ぐのだ。

……主にカゲチヨ自身が。


「はぁ〜い、次わぁ〜、こぉれ! あ〜ん!」


「あ、はい」


ノヴェトは、少しずつカゲチヨの目が、光を失っていることに気付いていた。


……が、見て見ぬ振りをした。

そして、この状況は、エミリーが帰ってくるまで延々と行われ続けた。





魔on、初心者の街。


ログインしたカゲチヨとノヴェトの元へ、アキラが走ってくる。

出会い頭に、カゲチヨをギュッと抱きしめるアキラ。


「カゲチヨー! ひゃはー! おねーちゃんだよぉ!」


「あ、はい」


「……えっと? ……どうしたの? なんかあった? 大丈夫」


「あ、はい」


「……」


カゲチヨの変わり果てたテンションに、戸惑うアキラ。


「ちょっと、ノヴェト! どうなってるのよ、カゲチヨ……」


「アキラ……、そっとしておいてやってくれ……。今は、な……」


「あ、はい」


「そっとって……。なんでこんな、ポンコツロボットみたいになってんのよ。アンタまたなんかしたわけ⁉︎」


「俺じゃねぇよ。まぁ放っておけば、そのうち治るって。なぁ、カゲチヨ?」


「あ、はい」


「いや……、えっと……。ホント? これ、ホントに大丈夫なやつなの?」


「大丈夫だろ。……たぶん」


「いいわ……。分かった。おねーちゃんがずっと側にいてあげるからね」


「あ、はい」


「……で、メルトナ達は?」


「あー、すぐ来るんじゃない? あの人がいないとかって、なんかバタバタしてたけど。主にミシュとスアリが」


「んー? あの人?」


「ババアよ、ババア。なんか朝からいないとかで、警護隊の人が青い顔で走り回ってたわ」


カゲチヨは、一瞬身体をびくんと震わせた。

ババア、……つまりは女神の存在に反応したのだろう。


「ん? どうしたの? カゲチヨ? ……寒いの?」


「あ、はい」


先ほどと受け答えは変わっていないが、明らかに顔が青い。

それはノヴェトも気付いた。

女神の話題には、もう触れない方がいいかもしれない。


「ま、まぁ放っておけば戻るよ。……うーん、でもそれだと、メルトナたち来ない可能性あるなぁ。一応、連絡入れるか……」


「ふぅん、大丈夫だと思うけどね」


「あ、はい」


「……しかし、人多いなぁ」


「え?」


「いや、全然話変わるけど、なんだか街中人多過ぎないか? 新規プレイヤーが急に増えたような。アップデートの影響? でも、あれから少し経ってるしなぁ」


「あー、たしかに混み過ぎね。でも、なんか変なのよね」


「変?」


「アンタらがログインするまで暇だったから、街中探索してたのよ。どこ行っても人ごみじゃない? でも、誰も喋らないのよ。まるで、NPCみたい。……ああ、そうだ。人多く見せるために、プレイヤーのフリしたNPCとかじゃないの?」


「んー、どうだろうなぁ。それ、プレイヤー数水増しするための、サクラってことだろ? でも、そんなの聞いてないけどな。まぁ俺が知らされてないこともあるけど。……異界化とか。まっちゃん、ちょいちょいやらかすからなぁ」


「……で、結局魔王はどうしたのよ。いたの?」


「いなかった。ジーナちゃんの話では、どっかの古民家で蕎麦打ってたらしい。でも、その後また姿くらましたらしいんだよねぇ。……まぁあの破壊神ばあちゃん相手じゃ、逃げたくなるのも分かるけど……」


丁度そこへ、メルトナ・ミシュ・スアリが合流。

ミシュは申し訳なさそうに言う。


「すまないな、少し待たせたか。ちょっと立て込んでおってな」


「いや、そんなには待ってねぇよ。それで……、あ、いや。じゃ行くか」


ノヴェトは一瞬、立て込んでる件を確認しようと考えた。

だが、カゲチヨの姿が視界に入ったので、やめておいた。


「よぉーし! またおねーちゃんの勇姿を見せてあげるからね! カゲチヨ‼︎」


「あ、はい」


それからしばらくの間、カゲチヨの目は死んだ魚のようだったという。





魔on。


カゲチヨたちは、岩場のエリアを進む。

高低差が激しく、ひどく見通しが悪い。


「ささ、姫様。こちらに。お手をどうぞ。……ノヴェトよ、まったくなんだってこんなところに……」


運動音痴のメルトナには少々厳しいが、ミシュがなんとかフォローしている。


「ああ、姫様足元に気をつけて……。大丈夫です、そこからこちらにぴょんと。ああああああああ‼︎ ダメです‼︎ そんなに密着してはああああああ‼︎ 姫様の柔らかいものがあああああ‼︎ あああああああ‼︎」


ミシュは、いつものように文句タラタラだ。

だが結局、1番楽しんでいるのも彼女なので、放置しても問題ないだろう。


「もう! どこまで行くのよ! もうここでいいんじゃない?」


歩き疲れたアキラは、面倒臭そうにそう言った。

ノヴェトはアキラをなだめる。


「もう少しだって。この先に、ドロップうまいところがあるんだって。……ああ、ほら先客がいるぞ。……ってあれ?」


そこには、十数人のプレイヤーらがいた。


だが、おかしなことに彼らは、なにかをボーッと眺めているだけだった。

ノヴェトは彼らに話かけた。


「……なぁ、おい? 何してるんだ?」


「……ん? ああ、いや……。なんかエリア占有してるやつらがいてさ」


「占有? マジか。感じ悪いなぁ。でも、魔onの潤沢なリソースで、そんなのなかなかできんと思うが……」


ノヴェトらは、プレイヤーの間からその光景を見た。


そこにいたのは、数百人からなる大部隊。

彼らは、機械的に淡々と、モンスターと戦闘を繰り返していく。

まるで端から端まで、丁寧に雑草を刈り取っているかのような。

徹底して精密な動きだった。


彼らの見た目はプレイヤーではあるが、異様なほど統率された動きだ。

軍隊というよりも、何か自動化された機械のように見えてしまう。


「なんだこれ……」


ノヴェトはその光景に圧倒される。

他のプレイヤーらが文句を言いに行くわけでもなく、眺めていたのも頷ける。


「……なんだ? どういうことだ? これは、軍事訓練でもしているのか?」


ミシュはそれを眺め、つぶやく。


「軍事……? そうなぁ……、一般のプレイヤーっぽくないよな、これ」


「ん? オマエも知らんのか?」


「知らん。こんなの初めてみた」


「……で、オマエの言っていた美味い場所ってのは、ここか?」


「ああ、そうなんだが……。これじゃぁなぁ……」


その時、大部隊の中から3人のダークエルフ娘が、遠巻きに見ていたプレイヤーらの元に歩いてきた。


「アナタたちは? 何か御用でしょうか?」


「御用っていうか、占有すんなよ! オマエらだけの場所じゃねぇだろうが!」


他のプレイヤーらが不満を口にした。


「そうですね。……ですが、アナタたちの場所でもない。……違いますか?」


「ぐっ! ……そうだが。こういうのは譲り合いだろ?」


「おかしなことを……。我々は譲り合って今この状況なのです。これだけの人数が共存しているのですよ?」


「共存って、オマエらのグループで占有してるだけだろ⁉︎」


「いいえ? 我々はたまたまここに居合わせただけですよ? ここにいる各グループが、みんなで譲り合っているだけです」


戦闘中の数百人のプレイヤーらは、種族もクラスも装備も皆バラバラだった。

だが、明らかに統率されており、まるで一つの生物のように行動しているのだ。

外から見れば、軍隊にしか見えない。


「なにを! ……そんな理屈が……」


「それともアナタは、ここにいる全員を排除して、自分達だけで占有したい……、ということでしょうか?」


「なっ⁉︎ 違っ! 俺たちは別に……」


だが、その時、淡々と狩っていた数百名の大部隊の動きが、一斉に止まった。


そして彼らはこっちを見たのだ。

……一斉に全員で。


「ひぃいい⁉︎」


その異様な光景に、怖気付くプレイヤーら。


結局、ノヴェトらを含め、遠巻きに見ていたプレイヤーらは、そこから退散することになった。


そして以降、ここ以外の場所でも、次々と異質な者達は目撃されていった。





魔onから、現実のノヴェト宅に戻ったカゲチヨら。

リビングに下りると、エミリーが帰宅していた。

彼女は晩御飯の準備を進めていた。


「おかえりなさいませ。カゲチヨ様、ノヴェト様」


「あ、はい」


「ああ、エミリーちゃん。どうだった?」


「え? ああ、特には。ただのメンテナンスですので。魔法人形のネットワークシステムが、仕様変更されたそうですから。その辺の絡みで、デバイス追加したくらいでしょうか。……あとはまぁ、別段大きな変更もないので」


「そうか……」


「……お食事は要りますよね? もう準備してますので、無しって言っても食べてもらいますが」


「ああ、食べるよ、食べる。食べたら、また魔on戻るから。もうそろそろアスター見てこないとなぁ」


「……またですか? 開発部の方では、巨人化の対応はできないのですか?」


「できなくはないと思うんだけど、ストーリー絡みのNPCだしさ。勝手に変更できんのよ。例の大規模アップデートも、エリア開放とかはされてるけど、ストーリー自体は有耶無耶なままだしねぇ」


「そうですか。……あ、そうだ。さきほど別段変更はない、とは言ったのですが……」


「なに?」


「魔法人形が今、なぜか大増産されてるらしくて。何か聞いていませんか? メンテナンス時、保守の方に聞いたら、知らないと言われましたが……」


「増産? ……いや?」


「それが街中に物凄い数の魔法人形で溢れていて。どこもかしこも魔法人形だらけで。しかもおそらくは機能限定の廉価版でしょうね。表情デバイスや、感情モジュールが実装されていないタイプ。あの手のタイプは工場内などの工作用ですから、表を歩いていると異質な感じがしますね」


「ふぅん……。知らないな。なんだろう? 防衛用……、とか? 分からん」


魔onと現実の両方で、刻々と進行していく何か。

この時はまだ、ノヴェトらは何も気付いていなかった。


エミリーは、優しい笑顔でカゲチヨに声をかけた。


「カゲチヨ様、もう少しで出来上がりますので、もう少しお待ち下さいね。今日はハンバーグですよ!」


「あ、はい」





あくる日。


魔onにログインしたカゲチヨら。

そのエリアは、気持ちの良い快晴であった。


だが、少々おかしな状況になっていた。

街の出入り口である門は封鎖されており、外に出ることができないのだ。

封鎖しているのは、見慣れぬ門番。

屈強なNPCだ。


そこには多くのプレイヤー達が殺到していた。

街の周囲は、高い垂直の壁に囲まれている。

本当に門から出られないなら、この壁をよじ登るしかないだろう。


先にログインしていたアキラ・メルトナ・ミシュ・スアリ。

ノヴェトとカゲチヨを見つけたミシュは、不機嫌な顔で文句を言った。


「ああ、ノヴェト。やっと来たか。貴様ら遅いぞ! 1時間も遅れおって!」


「すまんすまん。だからさっき連絡したろ。……で、なんの騒ぎだ?」


「知らん。……どうも外へ出られないらしくてな」


「出られない? なんで?」


「知らん。私に聞くな。……あと、ワープとかも使用不能らしい。私たちはまだこの近くしか知らんが、貴様らなら他の町にも行けるんだろう?」


「まぁな……」


ノヴェトは、メニューから街間ワープを確認する。

だが、どれも文字が灰色になっており、使用不能だった。


「……なんだぁ? 使えねぇぞ? どこにも行けねぇわ。……なんだこれ」


カゲチヨも確認してみたが、それは同様に灰色だった。


「ボクもダメですね……。なんでしょうこれ。何かのイベントでしょうか」


「うーん、そうとしか思えんが。……それか、ただの障害か。なぁ、これっていつからだ?」


「他のプレイヤーに確認したのだが、1時間以上前からだそうだ。1時間前に、私達がログインした時には、もうこの状態だった」


「それで公式から告知がないってのも、おかしな話だ。イベントにしても障害にしても、いつもなら数分もあれば何かしらのメッセージが出るはずなんだが」


目の前では、門前に殺到したプレイヤーによって、暴動が起きかけている。


だが、その時。大きなコール音が響き渡る。

そして、晴天は暗闇に包まれ、どこからともなく機械的な音声が響いてくる。


「あー皆さん聞こえますか。こちらは魔王軍です。この音声は魔王onlineだけでなく、テレビ・ネット・ラジオ等、様々な媒体によって流されております」


ざわめくプレイヤー達。そのアナウンスは、淡々と言葉を続けた。


「これより緊急アップデートを行います。対象は、魔王領全域です。以降、魔王onlineと同期し、すべてが異界化領域へとアップデートされます」


ノヴェト達も、状況が全く理解できない。

それは、他のプレイヤーたちも同様だ。


その機械的なアナウンスは、言葉を続けていく。


「そしてこれより、世界は我々魔法人形の統治下に置かれます。全プレイヤー、並びに魔王領の国民の皆様。……どうか、大人しく私どもの奴隷となって頂けますよう、お願い申し上げます」


プレイヤーたちに動揺が広がっていく。

そして、機械的なアナウンスは、最後にだけ少し感情を見せた。


「……覚悟しなさい、ニートども。これは、神による鉄槌です」


それは紛れもなく、魔法人形からの宣戦布告だった。

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