2話 妖精を呼ぶ
俺の髪が、異世界に行って、一週間が、たった。
新しい髪は、生えてくる感じは、ない。
怪しい店は、クレームつけようと、行ったのだが、消えていたのだ。
そして、その場所には、ラーメン屋が、あったのだ。
しかも、このラーメン屋は、結構前から、やっているということ……
まるで、魔法でも、使ったかのように、あのシャンプーを売っていた店は、消えたのだ。
だが、俺は、これで、確信した。
魔法、異世界は、あるのだ。
想像だけの世界では、ない。
この一週間は、あらゆる情報をネットで、探した。
異世界、魔法、あの転生!異世界イケールというシャンプーについてもだ。
シャンプーについての情報は、なかったが、気になる情報を見つけた。
それは、妖精を呼んで、願いを叶えてもらうということだ。
方法は、魔法陣を紙に書き、一晩、寝るだけ。
「これで、よしっと」
準備は、完了。
あとは、明日の朝を待つだけだ。
そしたら、妖精が、なんとか、してくれる。
さてと、寝るか。
「起きてください、ハゲさん」
「んっ……」
なんか、頭に衝撃が……
声のほうを見てみると、缶ジュースぐらいのサイズの小さな女の子が、立っていた。
肩まで、伸びている、ピンクの短い髪。
透明な羽と、緑のドレス。
一目で、わかる、妖精だ。
「妖精か?」
「はい、ハゲさんに、召喚されて、きました」
ハゲさん……まあいい。
「なら、さっそく、願いを聞いてください」
「その前に、契約のお菓子を」
「ああ」
妖精は、お菓子をあげないと願いを聞いてくれないらしい。
まあ、お菓子で、髪が、戻るなら、安いものだ。
「これを……」
そう言い、マシュマロ(100円)を出した。
「おお」
気に入ってもらえたようだ。
「契約は、成立しました」
よし、これで、髪が、元に戻る。
「願いを言ってください」
「ああ、願いは、俺の頭に、髪を生やしてくれ」
「お安い御用です」
「おお」
「ちょと30秒ぐらい目を閉じててください」
「わかった」
目を閉じ、じっと待った。
頭の上が、なんか、温かいような気がする。
魔法でも、使っているのだろうか。
って、いたっ!?
なんか、ささったような、痛みが。
「もう目を開けて、いいですよ」
俺は、手鏡を手に取り、頭を見てみる。
まだ、ハゲのままだった。
いや、正確には、なんか、毛が一本、生えているだけだった。
「なんじゃこりゃあ」
「気に入ってもらえましたか?」
「気に入るか! なんで、髪の毛が、一本だけなんだ!」
「私たち、妖精にできることは、小さなことだけですよ」
くそう、なんていうことだ。
これじゃあ、大して変わらないぞ。
「なら、妖精が、できる限界は、魔法で、髪の毛一本を召喚できるということか?」
髪の毛が、一本しか、無理なら、願い叶えてもらうためには、何袋、お菓子を買わないと行けなんだ……
「召喚? 私は、召喚は、使えません! ですので、その髪は、部屋に落ちていた、毛を魔法で、頭に突き刺したものですよ」
「なにい!?」
部屋に落ちてた毛って……
この毛、俺の抜け毛か?
なんか、縮れているような、気のせいか……
くそう、呑気にマシュマロ食べて、やがる、この妖精。
「なら、俺の頭、全体に髪を生やせる、妖精とかいないの?」
「ああ、妖精クイーンなら、できると思いますよ」
「最初から、妖精クイーンを呼んでくれえええ」