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1話 俺の髪、異世界に行く

 怪しい店で、見つけた、シャンプー、その名も 転生!異世界イケール。

 髪に、シャンプーして、洗い落とすだけで、その日の夜には、異世界転生できるみたいだ。

 キャッチコピーも新しい自分になれる、と、でかでかと、書かれていて、俺を期待させてくれる。


 一人暮らしをしたが、仕事をやめ、無職の28歳。

 親からの仕送りだけで、生きているが、このままじゃあ、生きていけない。

 だからといって、仕事は、2度としたくない。

 俺に残された道は、異世界に行くしかないのだ。

 異世界に行けば、ハーレムやチート能力をもらって、やり直せるはずなんだ。


 よし、転生!異世界イケールのシャンプーもしたし、あとは、寝るだけだ。

 んじゃあ、さらば、この世界!





 虹色に広がる空間……


 「ここは……」


 もしかして、異世界なのか!?


 「君の夢の中さ」


 声のほうを振り向くと、黒い毛の塊がいた。

 なんなんだ、この毛……


 「僕は、君の髪の毛だ」

 「なっ!?」


 俺の髪だと!?

 馬鹿馬鹿しい。


 そう思いながらも、頭を触ろうとしたら、手が、すり抜ける用に、頭の中に入った。

 自分の体に触ることが、できないのだ。

 髪が、言っていた通り、ここは、夢の世界なのか。


 「それで……夢の世界に俺を呼んで、なにか用があるのか?」

 「実は、話すことが、あるんだ、僕は、異世界に行くことになったんだ」


 なっ!?

 異世界に行くだと……

 あのシャンプーのせいか?


 「ちょと待ってくれ、なんで、俺じゃなくて、俺の髪だけが、異世界に行くんだあああ」


 俺のはずだろがあああ。


 「時間のようだ、そろそろ行くよ」

 「おい、こら、待てえええ」


 俺の髪は、どうなるんだあああ。





 ……夢!?

 はぁ、嫌な夢を見たな。

 俺の髪だけが、異世界に行くなんて……


 そう思いながらも、、頭に手を乗せると、髪が、なかった。

 両手で、探すも、髪の毛が、一本もないのだ。


 「ない、俺の髪の毛が、なあああい!」


 どういうことだ、これ!

 いや、なにが、起こったのかは、さっきの夢で、わかる。

 俺の髪だけが、異世界に行ったのだ。

 原因は、あれしかない。


 昨日使った、転生!異世界イケールの注意書きを見た。

 めっちゃ、小さい字で、いろいろ書かれてる。

 その小さい文字の一つにこう、書かれているのだ。


 《このシャンプーで、異世界に行けるのは、髪だけ》


 くそう、やられた。

 俺の1000円が、こんな商品に消えたのか。

 いや、それよりも髪だ。

 28歳で、髪が、一本もなくなるなんて……

 いつかは、父さんみたく、髪が、なくなるかもしれないと思っていたが、この若さで、ハゲは、嫌だあああ。


 「ちくしょう……」


 涙が、出てくる……

 とんだ、トラップ商品だ。

 でかでかと商品に、書かれている、《新しい自分になれる》って、こういう意味か!?

 絶対に髪を取り戻してやる

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