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ライオネル様

「そんじゃ、さっさと行こうぜ。テースト」


「うん、それじゃ出発しようか。モーブス」

教会で行われる『コクセイの儀』が始まる時間までは、

まだまだ2時間以上あるけど、

早めに現地に到着して置くのは悪い事では無いので、

ボクも、モーブスに同意して出発する事とした。

ちなみに、隣り合うボク達の家から、街の中心部にある教会までは、

子供の足で小一時間ほど掛かるので、

その間に、ボク達、魔族のみが暮らす『ゾパン島国とうこく』の事と、

ボクの身の回りの事とかを話して置こうかな。


ボクらが暮らすゾパン島国は、パパから聞いた話しから推測すると、

地球のオーストラリア大陸程の広さがあり、

中央部に広がる平野部をグルリと囲む様に、

急峻な山脈が連なっているらしい、

その為に、海から船で上陸する事は適わず、

今まで、他の大陸の船なんかからは発見されずに済んでいたそうだ。


逆に、この島から海へと出るにも、

高度な風魔法や重力魔法を使い、空を飛んで行くか、

高価な飛行魔導具を使わねばならず、

一般の人達の多くは、この島国から一歩も外の世界へと出る事無く、

その200~300年にも及ぶ、長きに渡る生涯を過ごすらしい、

あ、そうそう、今200~300年って言ったけど、

魔族の寿命は結構長いらしくて、

他の大陸に暮らすと聞いた人族や獣人族なんかは、

優秀な魔法使いとかの特殊な場合を除いて、

地球の人類と同じく、長くても100歳ぐらいまでしか生きられないそうだ。

ただ、この世界には、ファンタジーでは定番の妖精族もいるらしくて、

その中の、ドワーフやエルフなんかは、

ボクたち魔族よりも遥かに長生きなんだってさ・・・


それから、ゾパン島国に暮らす魔族の人口は1000万人ぐらいで、

1000年以上も生きていると噂されている通称『大賢者様』の、

リッチーの『ライオネル様』がまとめる、

評議員と呼ばれる人達によって国が運営されてて、

ボクとモーブスが暮らす地方都市の『ルーテーズの街』には、

その内の2万人ぐらいが住んでるんだってさ。


ゾパン島国の主な産業としては、

周囲の山脈から豊富な鉱物が産出されるそうで、

その鉱物や、鉱物を加工した製品なんかを、

どんな手段を使って輸出してるんだか分からないけれども、

大賢者様の知り合いが居るという、

他の大陸の『マッスル王国』って国と取引してるんだってさ、

僕らが暮らすルーテーズの街も御多分に洩れず

鉱山と、そこから産出された鉱物の加工で成り立っていて、

ボクのパパと、モーブスの父親も、金属をメッキ加工する工場で働いてるんだ。

前に、パパたちが働く工場を見学に連れて行って貰った事があるんだけれども、

驚いた事に、魔法や魔導具じゃ無くて、

電気を使ったメッキ加工をしていて、

日本で人気があったステンレス製のビールコップみたいな製品を見た時には、

ビックリして、ひっくり返っちゃったよ・・・

まあ、加工に使っている電気自体は、

魔石っていうのに、雷魔法ってのを使って充電しているそうだから、

ファンタジー成分が皆無って事は無いんだけどね。


後は、ボクの身の回りの事だけれども、

5年前に『ナイス家』の長男として生まれ、他に兄弟は無く、

父は『マイケル・ナイス』、母は『ベリー・ナイス』という名前で、

2人とも21歳という若い夫婦で、

この街で生まれ育った幼馴染なんだってさ。

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