どうか、無かった事に・・・
「でも、すっげぇスキルだな、
その『コピー』ってスキルをつかうと、
何でも、タクサンにふやせるのか?」
ボクからナイフを受け取りながら、
モーブスが、そう質問をする
「ううん、生き物や、食べ物は増やせないみたいだね、
それから、数の方もレベルが上がれば段々と増えて来るみたいだけれども、
今のところは、5個までが限度みたいだね」
スキルを使って見たところ、
その様な情報が頭に流れ込んで来たので、
ボクは、モーブスに教えてあげた。
「ふ~ん、そうなのか、
でも、モノを5コにフヤせるだけでもスゲェじゃんか」
「まあ確かに、便利そうなスキルではあるね」
ボクは、自分の顔がドヤらない様に注意をしながら、
そう告げた。
「もう一つのスキルのほうもタメしてみるのか?」
「ううん、せっかくナイフを増やしたんだから、
モーブスのスキルを試してみなよ」
「おお!それもそうだな!
サンキュ、テースト!
そんじゃ『ショウケンジュツ』と『トウテキ』ってのをタメしてみるぜ!」
「うん、それじゃコレを渡すね」
ボクは、モーブスのスキル『小剣術』と『投擲』の能力を確認する為に、
『コピー』で造り出した2つのナイフを、モーブスへと手渡した。
「おう!サンキュ・・・は、いいんだけどよ、
どうやってタメしてみりゃいいんだ?」
「そうだね・・・とりあえずは、
あそこの木にでも、ナイフで切り付けてみたり、
狙って投げて見たりすれば良いんじゃない?」
僕は、広場に立つ直径30センチ程の太さの木を指差しながら、
モーブスに告げた。
「なるほど、そうすればイイか、
そんじゃ、まずは投げてみるかな・・・えいっ!」
モーブスは、ボクから受け取ったナイフのうち1本を、
自分のポケットへと仕舞うと、
もう1本の方を鞘から抜き、
50メートル程離れた位置に立つ木へと投げつけた。
「おっ!ちゃんと刺さったみたいだよ、モーブス」
モーブスが投げたナイフは、
ちゃんと目標物である立木へと一直線に飛んで行き、
幹へと刺さった様であった。
「おう!見にいってみようぜ」
ボクとモーブスは、結果を確認する為に、
的となった立木の方へと歩いて行った。
「うえっ!?ナイフが柄まで突き刺さってるよ、モーブス」
ボクとモーブスが、立木へと近づき確認すると、
驚いた事に、5歳児のモーブスの力で投げたにも関わらず、
ナイフは柄まで立木の幹へと突き刺さっており、
柄を持って引っ張って見ても、ビクともしなかった。
「おお!さすがはオレサマだぜ!・・・でも、
このササったナイフが、ぜんぜんヌケないんだけど、
どうしようか・・・」
モーブスは、最初は片手で、
次には両手、仕舞には立木の幹に両足を付けてまで、
幹に刺さったナイフを抜こうとして見たんだけれども、
一向にナイフが抜ける気配は見えなかった。
「ああ、ちょっとどいてくれるかな、
ボクの方で何とかしてみるからさ」
「うん、分かった。」
ボクの言葉を聞いたモーブスは、
素直に立木から離れる
「そんじゃ、やってみるよ?
『デリート』・・・よし、ちゃんと消えたね」
ボクが幹に刺さったナイフを見ながらキーワードを唱えると、
ナイフが消え去り、幹には小さな傷痕のみが残った。
「うおっ!?オレのポケットに入れといた
サヤもイッショにキエたぞ、
テーストのスキルで、ツクったものはジユウにケセるのか?」
「うん、消したい物を考えながらキーワードを唱えれば、
自由に消せるみたいだよ、
そうすれば、また造れる数が元に戻るみたいだね」




