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一択問題と脅し。

 良いものが崩れると、崩れたものを良いものへ治すのには時間がかかる。


「あれ?帰ってきた?」

「ああ、ただいま。」


 3か月前とは全く持ってイメージが崩れる。

 敬語を使っていた彼女は何処(いずこ)へ。

 さて、耳の中に入ってくるのはゲームの音でそのイメージが何によって崩れたかは察することができるだろう。


「ねぇー!!!こいつほんっとにやばい!!難しすぎて!!!」


 語彙力の欠片もない。振り返れば3か月前。


 ◆


「ゲームは下にあるから。」

 棚の上に乗っているゲーム機の下に、そのゲーム機の中に入れる『ゲームソフト』が並んである。

 それを指さした男の指の先を追うように見る銀髪碧眼(きんぱつへきがん)の女の子は、「ほぇ~。」と声をこぼしている。


「難しいですね・・・これっ」


「いい感じになってきました・・・」


「えぇ・・・」


「・・はぁ・・?」


「あぁぁぁもうぅっ!!」


「なんなのこいつ!!」


 喜怒哀楽はどんどんオーバーになっていき、最早よくいる『暴言厨』にさえなりつつあった。

 ※なんとか阻止することはできた。


 物静かで優しい可愛い銀髪碧眼の女の子から、ゲーム好きのちょっと口が悪い優しいのかもしれないかわいい銀髪碧眼の女の子になっていた。

 さて、現在に戻るが先ほどにも言った通り、口は悪くも「優しい」というキャラは変わっていない。手伝いも (いえば)してくれるし文句も (あんまり)言わない。

 だが、元からなのかわからないが物凄くコミュ障がひどい。

 ゲームにどっぷりはまり始めたときから「新しいゲームを買わせてくださいっ!」と懇願され、購入するために近くのゲーム店まで行ってみたのだが、まさかの売り切れだったのでとりあえずネットで買ってみることにした。

 宅配便で届いた『ゲームソフト』を受け取りに行った彼女の時の反応はコミュ障のお手本そのものだった。


「あっ・・はい・・・」「あぁえっ、あとじゅうえん・・?」「あ、ありがとうございまふた!」


 典型的な、喋る前に付く「あっ」だったり、「えっ」。

 まさにコミュ障なのだ。今のようなキャラになった今でもそのコミュ障は変わらずやはり敬語を使うんだ。


「ルト~?今日のご飯はなんなの?」


 ――ルト。本名ではない。彼女の名前、『フレア・ブローディ』に合わせていた。


「そうだな、フレアの好きな・・・」

「も、もしかして!!」

「・・・お前の好きな食べ物ってなんだっけ。」

「一旦殴られてみる?」

「お前握力をはじめとして力がないだろ。」


「う・・・」という声を落とす。


 そう、彼女は力が弱い。来た頃からも一般女性よりちょっと下くらいの力だったが、今になればもっと下がっているのだ。

 まあ何もあまり外に出ていないのが一番の理由で、力を蓄える場面なんてなかったのだ。


 まあフレアのおかげで、一人で過ごしていた生活より暇な時間は少なくなった。

 3か月前なんて、『何をするか』考えていたら【海に行く】か【ゲームをする】の二択のみで、ゲームをするのも顔を知らない『オンラインユーザー』と仲間になって戦うくらい。

 正直退屈な人生だった。

 さすがに女の子と住むことになったなんて思ってはいなかったが。


「どうしたの?」

 ぼーっとして頭の中で昔話に浸っていた自分を伺うように話しかける。

 何かを思い出したかのような表情をして「ああなんでもないよ」と小さく話す。


「さて、今日の夕飯は何だって話だが。」


「うんっ!」と待ってましたと言わんばかりの表情を見せて期待するフレア。


「じゃあ三択形式にしてやろう。」

「ハンバーグ、ハンバーグ、ハンバーグ。さあ、当ててみてくれ。」


 三択形式という名の一択問題を持ち出し、出題してみるがフレアの顔は勿論「何言ってんだおめえ」のような表情で出来上がっている。ハンバーグは彼女の好物。会ってから一日目に御馳走したのがファミリーレストランでの「チーズ入りハンバーグ」であったのだが、それを食べたとき彼女は「もう死んでもいいです」とかなりご満悦だった。


「なんだ、いやか?ハンバーグへの愛はついに途絶えたか。」

「そんなことないよ!だけどなんか面白三択問題が来るかなと思ったら、とってもつまらなかったからさ・・。」

「つまらなかったぁ?面白いよねぇ?ねぇ?」と威圧で押してみる。それが通用したのか

「あ、は、はい・・とっても面白かったよ・・・」


 ・・・なんかごめんな。

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