第四話 開幕戦
開幕戦当日
対戦相手は四国ハンターズ。
毎年安定してAクラスに入るチームである。
打撃陣はこれといった大砲はいないが、チャンスを逃さず、そつのない攻撃をするチームである。
投手陣は日本球界のエースとも言われる、竹原を筆頭に先発、中継ぎ、抑えの全てが充実している。
「さあ、行こうか。」
小田嶋が声をあげた。
2008年プロ野球開幕戦 プレイボール
まずはビジターの四国ハンターズの攻撃。
大阪の開幕投手はもちろんエースの福永。
初回 四国の攻撃をランナーをだしながらも、持ち味の粘り強いピッチングで0に抑えた。
そして迎えた後攻の大阪の攻撃。
小田嶋の組んだオーダーがどうでるか、対する四国の開幕投手はこちらももちろんエースの竹原である。
竹原一志 26歳
高校時代は名門高知学院で一年生からエースとして三回甲子園に出場、そのうち二回は優勝している。
ドラフトでは6球団競合のなか地元の四国に入団し、一年目から新人王を獲得し、それから七年連続でニケタ勝利をし、そのうち最多勝2回、最優秀防御率3回という活躍をしている投手である。
一回の裏 大阪フェニックスの攻撃は
一番 二塁 長浜
さあまずは小田嶋期待の一番 長浜である。
カン
カン
ファールで粘ったすえ9球目を選び四球。
次の西本の打席では長浜がいきなり盗塁を決め、西本は相手バッテリーは次が片山ということもあり四球であった。
次の片山がしっかりとバントを決め、ワンアウト2,3塁から4番戸塚の打球は犠牲フライとなり、いきなり小田嶋の思惑通りの結果となった。
さらに3回裏には戸塚のツーランも出て投手は福永ということもあり試合は楽勝かと思われたが、現実はそう甘くなかった。
9回表 四国はもうフェニックスの弱点を見破っていた。
ファースト戸塚の守備である。
戸塚はもともとDHであった。しかし外国人のアレックスが入団したため守備についているのである。
当然試合巧者である四国がそこを攻めないわけがない。
セーフティーバントを次々と仕掛けついに九回表ツーアウト満塁のチャンスを作った。打者は4番のレイサム。昨年35本塁打の強打者だ。
もう福永の球数は100球を超えていた。
代え時である。
小田嶋がベンチを出た。
「投手 福永から東条」
『ここで抑えのエース東条です』
ストライク バッターアウト
ゲームセット。
『東条見事なピッチングでレイサムを抑えました。大阪開幕戦勝利です。』
ここから大阪フェニックスの快進撃が始まった。




