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女友達、いや百合カップル?


「それでねぇ休み時間に見た雑誌に載ってたブランドの赤のブラウスが凄く可愛くてね、授業中ずっと頭の中で朋ちゃんに着せてコーディネートを楽しんでたの」


「そこは勉強しようよ」

 来年受験だろ? まあ僕の高校を受けるって決めたから、余裕何だろうけど……

 

「えーーーーだってだって、物凄く可愛いんだよ、もう朋ちゃんの為に作ったんじゃないかって位似合い過ぎちゃって、ねえねえ週末買いに行こうよ~~」


「え! ああ、うん?」

 少し女装での外出は控えた方が良いんじゃないかと思っていた僕は、天音に言われ少し慌てた。


「ん? 朋ちゃん週末何か予定ある?」


「え? いや、無いよ、うん大丈夫」

 でもその理由が言えない、天音に嘘はつきたくない……


「うん、それでね、そのブラウスに合うスカートがまた朋ちゃんに……」


 


 あれから僕は授業が終わり放課後も取り調べをしそうな雰囲気の教室で縁達の一瞬の隙を突いて一目散に逃げ帰って来た、もう超ダッシュで……


 やはりそこは男子と女子の違い、追いかけて来る気配はあったが誰も追い付けずに僕は家まで無事逃げ帰ってきた……明日が怖いけど……

 

 自宅に戻るといつも通りに着替える、制服から制服に……相変わらず家では天音の制服を着ている、天音の前では女の子で居ようと決めたんだから当然家では基本女装、親が居る時でも出来るだけフェミニンな格好をしている。


 最近は天音と服やアクセサリーを買いに出掛けているので僕のクローゼットの中にはレディースの服が増えてきている。

 

 でもやっぱり家では天音の制服を着ることが多い、何か天音と一体になっている感じがして嬉しいのと、天音に昔の友達と話してる気分になって貰いたくて……僕はなるべく着るようにしていた。




 いつもは大抵は天音が先に帰っていて、お茶の準備をして、いつも自分の部屋で僕を待っている。


 でも今日は猛ダッシュで帰って来たので僕が先だった。


 制服に着替えお茶の準備をしているときに天音が帰ってきた、僕が先に帰っていたので少し驚いていたが、さして理由も聞かずにいつも通りに天音の部屋に行き楽しいお喋りが始まる。

 

 天音とお茶をしながらのお話しは付き合い出してからの日課だ、まあ天音の部屋でやりだしたのは旅行から帰って来てからだけど……

 それまでは僕たちは基本ネットで付き合い、家の中では兄妹で居たから、でも……


「とーーもーーちゃん、ちゅう」


「わ!」

 天音の顔が突然アップになり……唇を奪われる。


「えへへへへへ、ボーーっとしてるからだよ~~」


「いきなりはやめてええええ」

 恥ずかしいし、するならちゃんと……


「でもぉどうしたの? 朋ちゃんなんだか今日はボーっとしてるよ? 学校で何かあった?」


「いや……何もないよ、天音が可愛すぎて幸せ過ぎてボーっとしちゃった」


「もう、朋ちゃんに可愛いって言われても嫌みにしか聞こえない~~~」


「そんな事無いってば~~ほら手を出して」


「えーー?」

僕は天音の手を握る。


「ほら私の手はやっぱりゴツゴツして可愛くないでしょ? 天音の手は小さくて可愛い」

 僕は更にそのまま天音を見つめる。


「天音の目もくりくりとして、私よりも全然可愛い、その綺麗な鼻も可愛い、愛らしい唇も可愛い……」


 僕と天音は座ったまま見つめあい、テーブル越しに手を繋ぎそのまま顔を近づけ目を瞑りキスをする。


 温泉旅行から帰ってきて、僕と天音は毎日毎日もう数え切れない程キスをした、でも何度してもドキドキする、すればするほど天音がいとおしくなる。


 数分間、息が続く迄唇を重ね、限界が近づき、躊躇いながら唇を離し、ゆっくりと目を開ける。


「朋ちゃん……私死ぬかと思っちゃった」


「ごめん……長すぎた?」


「ううん……ドキドキで心臓が破裂しそうになった」


「私も……」


「えへへへへへ、幸せ~~~」


「うん」

 天音が顔を赤らめ嬉しそうに笑う、あああ可愛い、可愛い過ぎる、この笑顔の為なら僕は何だってやる、何でも出来る気がする。


 そして今のこの幸せを絶対に絶対に守らないと……

 誰にも邪魔はさせない……








 



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