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今日もまた僕は女装する。

 

「朋ちゃん……好き」


「僕も……て言うか、何で僕が天音の制服を着てる時だけそうやって迫って来るの?」


「えーーーーだってえ、朋ちゃん超超超~~可愛いんだもん」


「男の時にイチャイチャしてよ~~~」


「えーーー、朋君の時は何か萌えない……」


「ひど! 萌えるってなんだよ、僕はそういう趣味は無いんだよ~~」


「い、い、か、ら、朋ちゃん~~~そろそろチューしようよ~~~」


「この格好じゃ嫌だよ! 一生の思い出が女装でキスとかないでしょ」


「えーーー最高の思い出になるじゃん」


「最高のトラウマになるよ、嫌だよ」


「えーー、しようよ~~チューしようよ~~」




 ここは家のリビング、以前からネットで知り合った女の子が実は1年以上一緒に住んでいた義理の妹の天音だった事を最近知った。


 ネットでは恋人の様に毎日話をしていた二人だが、当然そんな事は知らない。

 天音と初めて会ったときは最悪なスタートだった。

「なよなよして……女みたい」「メガネブス」

 お互いのトラウマをえぐる、最悪な台詞であった。


 それ以来、僕と天音はお互い無視するようにネトゲ仲間だと気が付かないまま1年以上一緒に暮らしていた。。


 可愛い容姿の為にストーカーに遭い男嫌いになってしまった義理の妹の天音。女みたいな容姿で中身をみてもらえない僕、お互い自分の心に容姿に傷を持っていた。


 僕と天音はネットの世界に逃げ込んだ。ネトゲで出会いを求めた。ネトゲで出会いを求めるのは間違っているだろうか?


 いや、間違っていない、だってネトゲに容姿は関係ないんだ、自分の中身を中身だけ見て貰えるチャンスがそこにはあるんだから。


 僕と天音はハンドルネーム、ルナ(僕)とリン(天音)としてそこで知り合い意気投合した。

 そしてネトゲで出会って2年の月日が流れる。僕と天音、ルナとリンは毎日の様に話し、お互い惹かれあい遂に会うことを決意する。


 天音は男嫌いを治す為に、1年前に一緒に住み始めた兄に男嫌いを治す協力をしてくれと土下座までして頼み込む……まあ結局僕と会う為だったんだけど……


 なぜ嫌いだった僕に天音は土下座までして頼みこんだか……そう、僕は見た目が女の子、天音は男嫌い……僕は男子に慣れるにはもってこいの人物だった。


 男の格好をするだけでも緊張して顔も見れない天音の為に、その極度の男性不信を治す為に、僕はイヤイヤ女装をする事になった。


 その甲斐あってなのか、いや、ネトゲの中でとはいえ、愛する人に会いたい一心だったのだろう、天音はなんとか、二人きりのオフ会に向かう

 そして僕たちはそこで衝撃の出会いをする事に……


 勿論僕と天音は正式に付き合う事になった。

(この辺の話は23話僕と天音が付き合う迄から又は前作『僕の理想の妹はネトゲの中にいた』で是非に)



 最初はネットの中で付き合いネットの中でイチャイチャし、家では普通の兄妹でいようと言っていた。今まで兄妹らしい事をろくにしていなかったし、2度美味しいと思ってそうしたが、好きあっている男女が同じ屋根の下で毎日一緒に暮らしていて耐えられる訳もなく、結局家でもイチャイチャする事になった……なった……なったん……だけど……ねえ……。


 まあ……僕が天音の制服、要するに女装をして男の娘となっている時にだけ天音は僕に迫ってくる。僕は女装しているときはなんだか冷めてしまう……そんなお陰で結局僕と天音は付き合って、尚且つ同棲しているのに何も無いまま数週間が経っていた。




 ####




「ねえねえ朋ちゃん明日のデートはどこに行く?」

 週末になると決まってこの話が始まる。


「どこでも良いけど、そろそろ普通の格好でデートさせてよ」


「えーーーやだ! 朋君可愛いけど、朋ちゃん超超可愛いし、私の彼超可愛いでしょって自慢したいんだもん」


「自慢って……まさか言ってないよね」


「うん、言わないよ、一緒に歩いてると皆朋ちゃん見るからその度に心の中で可愛いでしょ~~この娘私の彼氏~~~って思ってるの」


「なんだよそれ……でも、また女装でデートか……」

 僕は大きくため息をつく……何だかんだで天音に流される僕、惚れた弱味か……


「絶対にバレないからいいじゃん、次はどこに行くプール?」


「それは絶対にバレる!」


「パレオ着けたら大丈夫だよ」


「いや、それより着替えどうするんだよ」


「え、別に隣で着替えれば、私朋ちゃんとなら全然平気だよ?」


「えええ! えっとそれは嬉しいって……いやいや、そうじゃない、他の人はどうするんだよ! 僕が他の人を見ても良いの? それにバレたら僕が捕まっちゃうよ!」


「うーーん他の人を見るのは駄目、必ず私だけ見て! あと絶対にバレないと思うけどな~~」


「そういう問題じゃないよ……」


「うーーん、じゃあいっそ旅行は?」


「え、ええええええええええええ!」


「女二人旅、一緒に温泉入ろうね、朋ちゃん」



「だーーーかーーーらーーーー、僕は…………男だあああああああああ!」



 一体……いつになったら僕は天音に男として見て貰えるんだろうか……





僕の理想の妹はネトゲの中にいたの続きです。


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