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Knight Of Dragon  作者: 愛兎麦丸
第二章
22/28

D-XVII.鬼ヶ島⑤/戦いの後

 試合終了。或いは試験終了と言うべきなのか。

 人間の子供が鬼人に勝つという信じられない光景を前に、硬直してしまっていた者達が俄に騒がしくなる。


「――……ふっざけるな! 一体どんな手を使った!?」


 激昂したのは虎熊兄弟の取り巻きの青年だった。

 手? と青年に睨まれたリョウヤは首を傾げ、すぐに理解する。言葉通り、卑怯な手段を用いたと思われているのだ。

 こちらの実力を示すための戦闘をすると提案したのは鬼人側である。にも関わらずこの物言いは、リョウヤとてイラッと来る。


「ただの人間が! 虎の兄貴に勝てるわけないんだよ!」


 とは言え、この手の言い掛かりをされるというのも予想の範囲内ではあった。リョウヤとエタフルも、それこそ老爺と老婆もである。

 極一部の間で伝播していく言い掛かりに、老婆が一喝しようとした瞬間――一人の男が声を上げる。


「やめねェか!!」


 虎の兄貴こと虎童子そのひとだった。

 既に一人で立ち上がっており、周囲を一喝した後にリョウヤへと足を向ける。

 迷い無く自身へと歩いてくる虎童子を見て、ダメージが皆無なのを確信したリョウヤは警戒しつつも、スキルレベルの方にも問題があるのだろうと呑気に考えていた。


「――名前は」


 身長差からリョウヤは見下されていたが、虎童子の目から侮蔑や嘲笑の色は消え去っているように見える。


「……リョウヤ」


 こちらの自己紹介を遮っておいて何を、と思わないわけではない。だからといって不満を出すほど感情に素直なわけでもないリョウヤは、名だけを淡々と口にしておく。


「……覚えておく」


 意外なことに、虎童子はそれだけ言って踵を返した。

 もう用はないとばかりに弟と取り巻きを引き連れて消えていった対戦相手を、どこか驚いた様子で目で追ってたリョウヤは、横に並んだエタフルに「なんだありゃ」と零す。


「なんだって……認められたんだろ?」


「今のでか? 無傷だったのに?」


「確かに無傷だったが……あの重量をあんだけ飛ばせる輩がどれだけいるよ」


 本気で虎童子の行動に首を傾げるリョウヤに、エタフルは呆れの色を見せている。

 ただリョウヤの言い分がシンプルなのも確かで、"範囲が指定され、範囲外に出たら敗北"というルールがなければ負けていたのは自分。そういう主張だった。

 客観的に見れば快勝だったのかもしれないが、その実ダメージを与えられていなかったのだ。

 もし仮に虎童子が冷静さを失っていなければ。リョウヤのペースとスピードに乗せられていなければ。ルール無用の殺し合いだったのならば、恐らくは――とリョウヤ自身は考えてしまう。


「それはそうかもだけど……今ので俺を認められて、何でエタフルは認められてないんだよ」


「あぁ? そりゃあれだろ――」


「――虎童子は見た目通りの肉体派ですからな。エタフル殿の医師としての腕を知りつつも、腕っ節を認めていない故に認めない……そういうことなのでしょう」


 エタフルの言葉を引き継ぎ疑問に答えた老爺は、「お手を」と断りを入れてリョウヤの腕を掴んで空へと掲げた。


「皆の者! 見ての通り、少年――リョウヤ殿には実力がある! エタフル殿とはまた違う形で、我らに力を貸してくれるでろう!!」


 声を上げるのは老婆の役割だと思っていたリョウヤの想像、それを払拭するかのような老爺の宣言は力強く空気を揺らす。


「ささ! リョウヤ殿もお言葉を」


 え? とリョウヤが言うよりも早く、老爺はその背を押した。

 円の周囲には依然として多くの鬼人達が並んでいる。

 リョウヤが虎童子に勝った当初こそザワついていたが、その虎童子がリョウヤに近付いていった時点で一度静まり、虎童子が円から外に出て行った時に再び会話が飛び始め、老爺の言葉で二度目の沈黙に陥っている現状だった。

 マジかよ……。とリョウヤは僅かに顔を引き攣らせる。


(あークソ……確かに連中に俺を認めさせるにはもってこいの状況だけどさァ!)


 内心で毒突きながらもリョウヤは口を開くことにする。

 一先ずは自己紹介からだろう。


「紹介に与ったリョウヤだ。エタフルと同じで人間だけど、冒険者をやってたからそれなりに心得はある」


 つもりだった、と自嘲しかける。つい昨日、自身の情けなさを自覚したばかりだったからだ。冗談めかして口にしないのは、今はすべきではないという判断からだ。

 言えば明るい印象を与えるが、戦力的な意味での不安は増す。

 いま行っているのは自己紹介――ではなく、取り引きの延長線上なのだ。


「ただ……エタフルと違って俺は漂着した身でな、当然ながら下心がある。言うまでもないと思うが、人間側の大陸に戻りたいってことだ」


 要は、とリョウヤは言葉を続ける。


「戦果を上げればってことだな。まァそちらとしてもギブアンドテイクの関係の方が分かりやすくて良いだろ? 俺に害意がないってことだけ理解しれくれれば、こっちとしては万々歳だ」


 ま、よろしく頼む。

 そう締め括ったリョウヤを確認して、老爺が一歩踏み出した。


「リョウヤ殿もエタフル殿と同じく、共に戦う仲間になる故、非礼なきように!」


 場を収めた老爺は、老婆と共にリョウヤとエタフルに「着いて来てほしい」と告げる。その際に茨木童子にも着いてくるようにと促していた。

 老爺と老婆が三人を引き連れてやって来たのは、昨日リョウヤが初めて彼らと対面した屋敷だった。案内されたのも同じ一室で、違うのは人数だけだ。


 リョウヤとエタフルが昨日と同じ位置で座布団に座り、茨木童子も同じく座り込む。

 老爺と老婆だけはお茶とお茶菓子を用意する為に、廊下へと出て行ってしまった。


「ふー……しっかし、お前があれほどやれるとはな!」


 ドカリと胡座をかくエタフルが、高めのテンションでリョウヤを賞賛し始める。少年の様に目が輝いている気がするのは、リョウヤの気のせいではない。

 ただリョウヤ当人にとっては素直に喜び辛いことだ。

 STRを上昇させるスキルと、斬撃強化系スキルが軒並み発動していない。


(或いは……発動していてもレベルが低すぎて効果が弱い、か)


 発動した【飛閃刃】に関しても似たようなことが言える。

 中期スキルの【飛刃】と【閃刃】を極めることが会得条件の【飛閃刃】は後期スキルだ。

 後期の上に終期が続くことを踏まえると、リョウヤのレベル帯に合っているのか? と思われるかもしれない。それは多くの場合で正しい。

 ただスキルのレベルを上げていれば、その限りではないのだ。

 スキルはレベルが上がっていけば基本的に性能が上がっていく。

 【飛閃刃】なら最大レベルまで上げてしまえば、低レベル終期スキル並の火力が出る。リョウヤからすれば決して高い火力ではないが、元より攻撃力ではなく扱い安さから装備しているスキルなので問題ないと言えばない。それでも全体から見れば間違いなく高威力だからだ。


(虎童子に対してノーダメージだったのは……あいつが固いのか、飛閃刃が弱いのか……いや、両方か?)


 吹き飛ばすことが出来たので使い道はあるが、と難し顔をしているリョウヤ。そんな様子を見て、エタフルは一つ補足することにする。


「虎童子の硬化率は高いぞ。仮にも幹部なわけだしな」


「……オーガよりか?」


「少なくとも通常のオーガよりは固いはずだ」


 真面目な声音でエタフルが話してくれた内容に、リョウヤは「ふむ」と頷いてから頭を回転させる。

 鬼人の硬化というのはアクティブスキル、つまり任意のタイミングで発動させるスキルのはずだ。

 戦闘が始まった虎童子の場合は、全身ないし上半身を硬化させていたことになる。

 リョウヤの記憶通りであるのなら、腕や足といった部分的な硬化も可能なはずだ。体力の消費が激しかったのは、広範囲の硬化というのもあったのだろうか? と、そんな考えを隅に追いやる。


(つまりオーガに対してなら攻撃が通る、か?)


 オーガは皮膚が硬い魔物だ。

 鬼人と同じようにスキルで表すのならば、パッシブスキルといった所だろうか。

 この差は決して小さくない。

 何故ならアクティブスキルならば発動後の強化率を把握しなければならないが、パッシブスキルならばその必要がないからだ。

 オーガの皮膚の硬度が全ての個体で同一ということはないが、エタフルの言葉通りなら"通常のオーガ"と戦う際には問題がない可能性が高い。


「――お待たせしました」


 リョウヤが内心でうんうん唸っていると、老爺と老婆が盆を持って戻って来た。


「いやはや、簡単なものとは言え、茶の用意も久方ぶりでした……お口に合うと良いのですが」


 立場上お茶の用意をする機会が減ったことを惜しみつつも、久しぶりにお茶を点てられたことが嬉しい様子で老爺が湯飲みを配り始める。

 熱いのでご注意を、と言われたので、リョウヤは一先ず近くのテーブルへと湯飲みを置かせてもらうことにした。老婆が配るお茶菓子も同上だ。

 エタフルも一口だけお茶を口に含み「美味いな」と呟いた後、それらをテーブルへと並べる。決めることを決めてしまおうというアピールなのだろう。


「まずはリョウヤ殿、先の試合はお見事でした」


「……お気に召したか?」


「それは勿論。ですが一つ謝罪せねばなりますまい」


 老爺の言葉に、リョウヤは首を傾げた。


「我らは、貴方が勝利するとは思っていなかったのです」


 老爺達は、結果がどうあれリョウヤを称えるつもりだったのだ。

 茨木童子が能力を認めていたということや、龍の存在もあって、リョウヤが無様に敗北することはないと予想していたらしい。

 善戦してくれれば、後は老爺が口八丁でリョウヤの滞在と協力を認めさせるつもりだったのだ。


「尤も、茨木童子に関してはお前が勝つと断言していたんだがな……」


 エタフルが何気なく呟く。

 ゲームでのステータスをそのままリョウヤの実力として感じ取ってしまった茨木童子には、勝敗が最初から分かりきっていた。

 だからこそ、茨木童子(かのじょ)は解せなかった。


「……弱かった……思ってたより……」


 消え入りそうな声は、リョウヤの耳にも届いていた。

 まるで矢で射るかのような容赦の無い言葉だった。そんな茨木童子の発した言葉を受けて、リョウヤは心中で呻く。そして結構落ち込んでしまう。

 対して老爺と老婆は、言葉の内容よりも茨木童子が自ら口を開いたことに驚いていた。

 見た目だけならば祖父母と孫の関係に見える三人の鬼人、その祖父母二人が孫に対して物珍しげな視線を送る光景に、リョウヤはエタフルに耳打ちする。


「そんなに驚くことなのか?」


「少なくとも、俺は話しかけられたことがないな」


 リョウヤに「マジで?」と問われ、「マジでマジで」とエタフルが返す。

 つまり茨木童子は、それだけリョウヤの実力の揺らぎが気になっていたのだ。


「……調子……悪い……と思う……」


 発せられた茨木童子のか細い声に真っ先に反応したのは、案の定エタフルだった。


「何か自覚症状はあるか?」


「……身体能力が軒並み下がってるかな」


 困ったもんだと笑うリョウヤを見て、エタフルは目を見開く。


「……半分……」


「ま、大凡そんな感じだ」


 相手の力量を見ただけで細かく把握している茨木童子は、紅や一寸法師と同クラスの実力者なのだろう。ステータスを理解されたリョウヤは、最早懐かしさすら覚える亜人二人を思い出しながら、苦笑いを浮かべる。


「お前……分かってて虎童子とやりあったのか」


「まァ……寧ろ現状で何処までやれるかも確認したかったしな」


 エタフルは呆れながらも「結果が良かったから……」と言いかけて止めた。当人(リョウヤ)からしたら負ける可能性の方が低かったのだろうと思い至ったからだ。


「茨木めは"一瞬で終わらせられる"と言っていたのですが……」


「先の倍の能力があるのなら、それもまた事実であろう」


 老爺と老婆が二人で納得しているが、エタフルは一つ気になることがあった。激痛、高熱、各種能力の低下という症状だ。


「なぁお前……傷の治りが遅くなってたりはしたか?」


「ああ、それはあったな……」


 ファフニールとの戦いでは傷の治りが遅くなっていた。

 リョウヤが目を覚ました時、胸に巻かれていた包帯が、爪による裂傷が治っていなかった証だ。本来ならスキルで完治しても可笑しくはない時間が経過していたことを踏まえると、理由はどうあれ治りは遅くなっていたのだろう。


「――いや待て、確かに"そういう症状"もあったけど、俺に毒を浴びせたのは竜だぞ」


 エタフルが言わんとしていることを察したリョウヤは、顔を僅かに顰めて言った。

 鬼人がオーガに浴びせられた毒は、痛み、高熱、傷の再生速度の低下、筋力の低下から成る各種能力の低下が症状として現れている……というのは昨日の昼に、リョウヤも聞いたことだ。

 鬼人と初めて顔を合わせて、その鬼人の多くから威圧的な空気に当てられて、人間は二人しかいなかったという状況下で、それらの情報をきちんと覚えているというのはエタフル達にとっては舌を巻くことでもあり、同時にリョウヤの本来の実力が更に上であるということの信憑性を増加させる。


「黒竜だろう? だが、その竜が一体しかいないとも限らない……違うか?」


 エタフルの言っていることは分かる。

 リョウヤとて、知識としてファフニールのことを知らなければ簡単に頷いていただろう。

 言いたいことは分かるが、と前置きをしてから言葉を続ける。


「あんな竜を見たのは初めてだったぞ。けど見た目は印象的だった……どこかしらで見聞きしてないのはおかしい」


 ゲームの知識が正しいとは限らない、等と最早どれだけ考えたか分からない。

 ただファフニールに関しては、空羅も知らないと言っていた。そのことからも、ファフニールが通常の竜種とは違うことが分かっていた。


「それに関してですが……」


 老爺が神妙に口を挟んだ。


「リョウヤ殿が遭遇した黒竜の特徴を聞かせてはもらえませぬか?」


 比較的細身の身体は、夜の闇より目立つ黒色。全身を廻る怪しく輝く紫色のライン。血のように赤い双眸。紫の炎を放つブレスは、直線を象る閃光。

 それらを黙って聞いていた老爺は、老婆に目配せをする。

 頷いた老婆を見て、老爺は重々しく口を開く。


「――リョウヤ殿の遭遇した黒竜は、他にはいないでしょう」


 キッパリと断言した老爺が、黒竜に関して何かを知っているのは明白だった。


「黒竜の名は恐らくファフニール。千年戦争で猛威を振るった竜かと」


 重々しく言い放った老爺の言葉に、エタフルが息を飲む。


「っ……待て! 確かに奴は黒竜として伝わっているが、ジークフリートによって討伐されたはずだ!」


 ジークフリートと言えばドイツの英雄叙事詩"ニーベルンゲンの歌"の主人公だ。日本でもよく聞く英雄の名で、バルムンクとセットで覚えている者も多いだろう。

 そんなジークフリートは、エデンに於いても"竜殺しの英雄"として称えられている。

 端的に言えば千年戦争終盤、ファフニールの首を獲ったのがジークフリートなのだ。

 それは重々しい物語の小説として。子供に読み聞かせる絵本として。ありとあらゆる形で伝わっている。

 実際、マコも"ジークフリートの冒険"という絵本を持っていたし、本棚には"ジークフリートと黒き竜"というタイトルの分厚い本が並んでいた。

 事実を元にした小説、というやつである。尤も種類が増えすぎたが故に、物語の内容がそれぞれ変わってしまっているという難点もあるのだが、リョウヤの知るところではない。


「我ら鬼人にも、古くから伝わる書物があるのだ」


 老婆が放った言葉の意味は簡単。

 そこにファフニールの姿に関しても記されているということだ。

 ファフニールは特徴的な姿形をしているし、他の黒竜に似た姿の存在は確認されていない。


「角がなく紫のラインがあるのは第二形態……らしいですが」


 ユニコーンのような角が顎とは逆方向に伸びているのが、第三形態"黒邪龍ファフニール"だ。角は横たわっているので、特徴的と言える程ではない。が、そこに炎を纏わせて振るうという広範囲に炎を撒き散らす攻撃をしてくるようになる。角自体より、この範囲攻撃の方が特徴だろう。


「仮にファフニールとして……同一個体か?」


「ファフニールはゼロワン個体に認定されている……その類は、復活の線も充分にありえる話だ」


 ゼロワン個体とはゼロがOを意味し"Original(オリジナル) One(ワン)"、他にいない唯一の個体ということを示した言葉だ。

 エデン生まれのエタフルや鬼人らにしたら、複数の個体がいるというよりも同一個体が復活したと考える方が理に適っているのだ。

 逆に原作知識を持つリョウヤは、ラスボスでありハロルドがファフニールを従えている理由を三つ知っていた。

 三つの理由全てに三戒龍が関与していている。

 三戒龍は時戒(じかい)龍、空戒(くうかい)龍、理戒(りかい)龍からなり、それぞれ時戒龍なら過去から。空戒龍なら平行世界から。理戒龍ならファフニールが死んだという事実を否定することで、ハロルドはファフニールを連れることに成功しているのだ。

 そのことを話すことはできないし、信じてもらえるかも分からない。更に言うのならハロルドが黒幕という保証もない。


「外に連絡は?」


「手紙なら鳥たちに頼めば……」


 エタフルの迅速な対処方に、老婆が渋る。

 その理由は簡単だ。


「信用されるか?」


 リョウヤは尋ねるが、確信している。

 信用されるわけがないのだ。

 ファフニールを見たというのは子供で、しかも直接の報告ではなく手紙。これでは恐らく悪戯と判断されてお終いだろう。


「意味はないかもしれないがな……ま、出すだけ出しておこう」


 自分達がファフニールに対して出来ることなど、ほとんどない。

 せめて騎士団に伝えておこう、ということである。

 それがリョウヤ以外の認識だ。


(ファフニールだけが千年戦争で暴れ回ってたわけじゃない……というか単体だけの脅威は伝わっていない……のか?)


 予想を超える呑気な反応に、リョウヤは内心で首を傾げた。

 通常の攻撃に対して耐性が付いてしまう前、つまり第三形態になる前に倒せてしまうのならそれがベストでもあったのだ。

 それも、リョウヤがファフニールとの戦闘に前向きだった理由の一つだった。そう思うと、折角のチャンスを活用できなかったのが痛い。


(生き残っただけマシか……)


 比較的近くに住む亜人へと手紙を出し、そこから人間へと伝えて貰うという方向で話が固まっていくのを聞きながら、リョウヤは小さく溜め息を零すのだった。

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