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月と太陽  作者: 月美
1/18

はじめまして!

存在感てなんですか?




わたし、ないみたいです。






影山月美 16歳



高校生活がスタートして


1ヶ月が過ぎようとしていました。




でも




わたし 存在感が無く、目立たないのです。




太陽の光の中、よ〜く見ないと見えない新月のように




そして



空気みたいなわたしには




誰も興味を持ってくれないし




誰も話しかけてくれたりしない




時々



声をかけてくる人がいるけれど





掃除当番 代わってもらっていい?



「うん…・・」


と、そんな時くらいで、後は先生に質問されたりして、答えるくらいかなぁ




特に友達もいないし、予定もない私には、断る理由もないし、自分としても何かしていたほうが落ち着くみたいなのです。





本当は、みんなと同じように




お弁当を食べたり




休み時間におしゃべりしたり




あ~したり、こ~したり




なんて




ちょっぴり




そう思う。







学校から1時間の道のりを経て、家に帰ると




「ただいまぁ」



私の唯一の楽しみがあります。




リュックと手提げを置いて、すぐに友達とお出かけをすること




「行ってきま~す、さぁ行こう!まるすけ」




「ワンッ ワンッ!」




ふふッ、そう



お友達と言っても、人ではありません



ワンちゃんです。



3年前にお友達になりました、まるすけって言います。あッこの名前、私が命名しました。




ふわふわの白い毛で、まんまるで、小さなクマさんみたいな感じで、とってもかわいいのだ。





「ウゥ~ッ!」



前から、大型犬を連れたいつものおじさんが近づいて来ました。



「まるすけ? 吠えちゃダメだよ」



小さな体のわりに気が強くて、自分より大きな相手でも逃げたりしない、そんなまるすけは、わたしにとって心強いお友達です。




「こんにちは」



「あいかわらずまるちゃんはつよいねぇ

うちのジョンも見習ってほしいよ」



「くう~ン」



「ふふふ、ジョンくんは優しいんですよ」



「ワンワンワンッ!」



「うわッ!」


今度はおじさんに向かって吠え出した。



「おじさん、ごめんなさい」


わたしはまるすけを抱きあげると、作り笑顔で、おじさんに頭を下げ、その場を去った。




「まったくぅ、しょうがないなぁ!」



でも…




わたしにも、まるすけみたいな強さと勇気があれば・・・





まるすけの頭に自分の頬をなすりつけながら、そんなことを思った。




まるすけを抱き上げたままお散歩していたら、いつの間にかいつもと違うルートに




「クゥ~ン…」




「そっか、オシッコね?

待ってて」



「ワゥ~!ワンワンッ!」



「きゃッちょっと!どうしたの?」



急に暴れだしたまるすけを地面に降ろすと、わたしはリードに引かれながら、まるすけに連れられて公園の中へと




しばらく走って行くと、すべり台の影のほうで、数人の少年が何やら騒いでいる声が聞こえる。




更に進むとランドセルが置いてあるのが見えた。



小学生?




まるすけはその方向へと、更に走って行く。




少年達の近くまで来ると、まるすけが急に猛ダッシュをした!




あまりの速さに、わたしの手からリードがすり抜けてしまい…




「あッ、まる!?・・行っちゃダメッ!」




そのまま、まるすけは少年達の中へ飛び込んで行ってしまった。



あ〜あ、、、





「ウゥ~~ッ!」



すべり台の影の所で立ち止まったわたしの目に入って来たのは



しゃがみこんで泣いている男の子がひとりと


その男の子を前に、同じくらいの小学生の子が3人


そして


泣いている男の子の前に立って3人を威嚇しているまるすけの姿がみえたのでした。




その状況を見て、頭に浮かんだのは・・



昔の私…



でも・・




ただ転んで泣いているだけなのかもね





「ワンッ!ワンッ!ウゥ~~ッ!」



しかし




まるすけは吠えるのを止めない




「うわッ!なんだッこの犬ッ!

この、バケモノの仲間!?」



1人の少年がまるすけを蹴ろうとしていた



それを見た私はキレてしまって





バケモノ?…




「コラーッ!

わたしのまるすけに!・何してんのーッ!!」



わたしが叫びながら近づくと、少年達はみな振り返り




「うわーッ!?逃げろッ!」



わたしを見たとたん、少年達は慌てて逃げて行ってしまったのでした。




しかし



1人逃げ遅れた男の子は、座ったまま泣いていた。




わたしは男の子に近づいて、同じ目線になるようにしゃがみ、男の子の肩にそっと手をおいて





「みんな行っちゃったよ・・きみは…

いかないの?」




男の子の後ろを見ると、黄色いランドセルのカバーが開いて、その周辺にはペンケースや教科書、ノートなどが散らばっていた。





これって・・・





この子いじめられていたんだ…




かわいそうに…



まるで3年前の・・・




そう思いながら、散らばった男の子のランドセルと中の物を見ながら、片づけていた。



だいち あさひ くんていうのか…

1年1組…わたしと一緒だ!




「クゥ~ン…」



男の子のショートパンツから見えるひざの辺りを、ペロペロと舐め始めたまるすけ





「ふふッ!・くすぐったい!・・」




まるすけの舌が、その可愛らしい声を呼び出した。



わたしは男の子のほうを振り返りながら



「だいじょうぶ・・・」


えっ?




まるすけのペロペロから逃げようとして、立ち上がろうとした男の子の被っていた黒のキャップがズレ落ちた。



男の子が立ち上がると、わたしは散乱した筆記用具を拾い集めていた手が止まってしまい、その姿に唖然とする。




あッ!




がッ・・外国人!?




髪はふあふあ綺麗な金髪


瞳は煌めくエメラルドブルー


美形の鼻に可愛らしい唇





かわいい…




『ぼと…』




まるすけの水ボトルが、手からスルリと落ちた事さえ気がつかないわたしは、




少年の美しい姿に・・






しばらく、見とれていた。




まるで、子供の頃読んだ、童話に出て来た王子様みたい…・・・・!?



少年に、変な目で見られているような気が?・


はっ!、我にかえったわたし・・







男の子の顔から目をそらし、下のほうに目をやると、まるすけが舐めていた辺りが赤くなっているのに気がついた。



あれってもしかしたら・・





血?・・







やっぱり、血が出ているではないですか



なんとかしなきゃ!




そうだ…



男の子の手をひいて公園の水飲み場まで連れて行き、傷口を洗ってあげた




「ちょっとしみるかも・・

我慢しようね」




「…」





「痛くない?」





「これくらい、へいき」





「つよいんだね」





ポシェットからだした絆創膏を貼って…




「うん・・

もうこれで大丈夫かな?

おうちに帰ったら、お母さんに消毒してもらうんだよ」




「うん…えっと…

えっと…

お姉ちゃん?・・何てゆ~の?」




「つきみ、だよ」




「ぼく、あ…

はじめまして さくらがおか小学校の だいちあさひです!」


お辞儀をしながら挨拶をされた私



うッ!なんてしっかりした子なんでしょう…


それじゃあ…


私も!




「はじめまして・・

わたし、城東高等学校の影山 月美です」




「じょーとー ・・つきみねえちゃんだね、あ、そうだ、このワンちゃんは?」




「ワンワンッ!」




「忘れてた、ごめんね

え~とねぇ、まるすけだよ、マルチーズだから、まる、でオスだからすけをつけて、いっしょにしたら まるすけ!」




「ふ~ん…まろんすけか、かわいいね、

じゃあね、まろんすけ!

つきみねえちゃんも、バイバイ!」



「まるすけ!だよ、ふふっ・・うん、あさひくんもね、気をつけて帰るんだよ、バイバイ」


「ワンワンッ!」






あさひくん…


かわいいなぁ



その日の夕方––––




「ただいま~!」



まるすけと家に戻ると、お母さんが玄関で待っていた。



「おかえり・・

ずいぶん遅いから心配してたのよ、どこまで行ってたの?」



「うん?ごめん、公園のほうまでちょっとね・・

それより、おかあさん?・

最近さぁ、この近くに外国人が引っ越してきたって、聞いたことある?」




「外国人?、さあ?聞いたことないけれど・・でも、なんで?」




「なんでもな~い!いこっまるすけ!」




「?」



部屋へ戻って、ベッドにゴロンと寝転んだ私は、まるすけをお腹の上に乗せながら、朝陽くんの事を考えていた。



可愛かったな、あさひくん


ねぇまるすけ


あなたもそう思うでしょ?



「くぅ~ン…」



ふふっ、ヤキモチやいてんの?



大丈夫!

あなたは私の1番の親友なんだから



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