子竜は今日は外出中2
なんで、竜王様、クロお兄ちゃん
疑うんだろう?
こんなにいい人なのに。
「失礼な連中だ、結愛が居なければ報復したものを。」
クロお兄ちゃんが言った
わーん、ダメだよね、過激すぎです。
「クロお兄ちゃん、落ち着いて。」
私は言った。
でも、どうしてクロお兄ちゃんに目をつけたんだろう?
「…すこし、休むか?」
クロお兄ちゃんが言った。
「うん、あのカフェにしようよ。」
私は言った。
テラス席に案内してもらうと街並みをみながら思った。
この街のどこかに女性や子供を誘拐する組織があるなんて怖いよね。
こんなににぎやかで平和そうなのに…。
それ考えると日本は平和だな…帰りたいよ。
ぼーとしていると
料理と飲み物が運ばれてきた。
山ほど…。
「子竜はしっかりたべなければならん食え。」
クロ兄ちゃんが言った。
ランチセット5人前?
ハンバーグに南瓜サラダにそれから…フライにご飯?
デザートまでついてる。
わーん、オムレツのピラフ添えまであるよー。
それも、5人前らしい。
あとグラタンだとか…。
ホットケーキだとか…。
ここでも山盛りから逃れられない運命らしい。
「お、お客様以上でよろしいですか?」
ウエーターさんが引き気味にいった。
「ああ、このアボガドサーモンサンドも。」
クロお兄ちゃんが言いかけた。
「いらないです、以上なのです。」
私は言った。
ああ、仕事モードでたよ。
「そうか?まあ、食え。」
クロお兄ちゃんはたのんだイチゴミルクのみながら言った。
「クロお兄ちゃん、それ美味しそうだね。」
私は言った。
運ばれてきた飲み物にはなかった。
「たのむか?」
クロお兄ちゃんが言った。
「いい、別に、一口ちょうだい。」
私はクロお兄ちゃんからストローを奪い取った。
フレッシュなイチゴのツブツブがおいしい。
「おい、結愛。」
クロお兄ちゃんが戸惑ったように言った。
「美味しいよ…でも、なんでクロお兄ちゃんが疑われたかだよね。」
私は人心地ついて言った。
バニラオーレにストローをさしかえながら
今度はこれをクロお兄ちゃんとわけようかな。
色々のめていいよね。
と思った。
「まあ、オレの人型はいつでも威圧的らしいな、他種属性の竜王たちとあうとあいかわらずだなと言われるしな。」
クロお兄ちゃんが言った。
クロお兄ちゃんは私にホットケーキを食べさせながら言った。
うん、しかも黒ずくめの戦士みたいな格好だしね。
腰の大剣が特に恐ろしく感じるのかな?
「クロお兄ちゃん優しいのにね。」
私は言った。
あーん、今度はエビフライ?食べられないからやめて。
こんな異世界のわけの分かんない子竜を育児袋に入れて護ってくれてるんだよ。
竜王様は総じてそうだけど普通自分の里の竜優先だよね。
「結愛、オレはお前を会えてよかった。」
クロお兄ちゃんが私の頭を撫でながら言った。
うーん、子供扱いだな…。
しばらく、食べる(クロお兄ちゃんにだべさせられる?)事に集中していると視線を感じた。
「…なんのようだ?」
クロお兄ちゃんが言った。
眼鏡をかけて印象にのこらなそうな男がこちらをみているようだ。
「いえ、美しいお子さんですね。」
男は言った。
私は時竜特有の美人な容貌をしているらしい、
里ではみんな長身で整った顔立ちしてるし。
里の外の世界もそうだと思ってた。
美しいより可愛いが時竜は敏感だ。
栗落花志甫の可愛い顔がうらやましい。
といったら私のような美人になりたいと言われた。
「結愛行こう。」
クロお兄ちゃんが言った。
「フフフ。」
男が笑った。
なんか不気味な人だよ。
今日は散々だよ、もう、里に帰りたいよ。
でも、どっちの里に帰りたいんだろう?
じ、時竜の里だよね?




