子竜、売買中2
……あのね、私、ぬいぐるみじゃ無いんだよ。
アーティンデル皇帝陛下は若いのに
沢山子供がいるんだよね。
「子竜ちゃーん。」
ちっこい皇女様に抱きつかれた。
「子竜!」
ちょっと大きい皇子様は尻尾に抱きついてるし。
ああ、別になにもなかったんです。
セファムの魔法が破られたので
竜化して逃げたんです。
中途半端に解けたんで。
空間術が微妙につかえなーい。
どうしようかな?
「子竜が後宮でわがもの顔とは時代は変わったものよ。」
笑いながら皇太后様が子供たち一緒に抱きついた。
この人がいるから、側室が手出しできないんだよね。
「いい加減、人化しないか?」
皇太后様が言った。
この人は今の皇后が気にくわないらしい。
高官の娘で自分と合わないんだってさ。
実は先代皇帝陛下とアレシマ軍州国で会ったらしい。
アレシマ軍州国の天才軍師様だったんだってさ。
だから、あんまり頭の良くない皇后が嫌なんだって。
「そなたの頭の良さはわかっている、そなたならいい、皇后になるだろうに。」
皇太后様が笑った。
私、麒麟教育しか受けてないのでできませーん。
まあ、東竜公つぐんだけどさ。
「いた、ダメだよ。」
髪の毛を引っ張ったチビ幼児の皇子に言った。
「わーん。」
泣いた。
「皇子様!」
乳母が飛んできた。
「何をしたの!この化け物!」
ついでにここぞとばかり責める母親らしい。
たぶん、皇太后様におべっか使いたくて来てるんだろうね。
「やめよ、シアエンデルがいたずらしただけじゃ。」
皇太后様が言った。
「陛下は、何でこんな化け物を後宮など入れたの?!」
母親らしい人が言った。
そんなとこで嘆いてる間があったら
子供抱けよ。
その間に皇子は戻ってきたそうに手を伸ばしている。
「シアエンデル、ごめんなさいは?」
皇太后様が言った。
「ごめんなしゃい。」
皇子はあやまった。
うん、子供は素直でいいな♪
「こっちに来ていいよ。」
私は手を出した。
皇太后様がうなづいたのでしかたなく乳母が私の腕に渡した。
「いい光景だな、これで、結愛が人化してれば愛にあふれる光景なのだが。」
アーティンデル皇帝陛下がほてほてとやって来た。
「人化なんてしません。」
だって襲われちゃう。
「してもらわねば、困るな、今度アレシマ軍州国と話し合いをすることになった、歓迎パーティーには、利潤の絡まる女を出すわけにいかないからな、皇后も含めて。」
アーティンデル皇帝陛下が言った。
アレシマ軍州国と平和的解決をするらしい。
「陛下、私ではいけませんの?そんな化け物にそんな重要な役割できませんわ!」
母親らしい人が言った。
「そなたは…実家にかえそうか?結愛は化け物ではない。」
皇帝陛下が冷たく言った。
「申し訳ございません。」
母親らしい人が頭のを擦り付けんばかりに下げた。
「アーティンデル、そのものの実家はまだ、役にたつ、許してやりなさい。」
皇太后様が言った。
「……母上にお礼を言うんだな。」
アーティンデル皇帝陛下が言った。
「結愛、きちんと人化して美しく装うように命じる。」
皇帝陛下はそういって子供たちの頭を撫でて去っていった。
「結愛、衣装をつくらねばならん、人化せよ。」
皇太后様が言った。
「わー、私が見立ててあげるー。」
皇女様が抱きついた。
ええ?嫌だよ。
なんか既成事実とか作られそうだし。
もう少し、空間術戻ってこないかな?
絶対に逃げるんだ。




