竜王様は疑われる
なんでオレが結愛を誘拐するんだ!
オレはそこまで落ちぶれてない!
「正直にいってください、そうすれば穏便に済ましますよ。」
最強の結愛の親父が言った。
わざわざ、来たらしい。
嘘だ、穏便になど済ます気はない。
「オレは知らない、結愛をこの手に取り戻せればと思っていたが。」
オレは言った。
「クロですね。」
セリアが言った。
「クロよね。」
竜姫が言った。
「クロだと思いますよ。」
麒麟公が言った。
クロだと?
「たしかにクロだが。」
オレはクロルリードだからな。
略してクロだ。
「わー、肯定しました。」
セリアが言った。
「ごめんなさい!うちの犯罪者が!竜王様!観念して結愛ちゃんを返しなさい!」
竜姫が言った。
おい、一体どう言うことだ?
結愛がいないと言うことだよな。
それで、最強の結愛の親父がこっちに来たと言うことは…。
結愛は明正和次元にいないのか?
「申し訳ございません、恋する雄竜に常識は通じないんです。」
麒麟公が頭をさげた。
おい?オレを冤罪に陥れる気か?
「ええ、僕も奥さんと恋愛中、奥さんに言い寄った、男を世界の彼方に飛ばした覚えがあります…ええ、今なら、少しいたいだけですよ!」
最強の結愛の親父が迫ってきた。
迫力があるな。
「オレは結愛を誘拐していない。」
オレははっきり言った。
「結愛の気配がこちらの世界でしてるんです。」
最強の結愛の親父が言った。
結愛がこっちにいるだと?
「こじれると結婚許してもらえませんよ。」
麒麟公が言っている。
結愛がこちらの世界にいる?
オレは気配を探った。
回りの雑音が消えていく。
愛しい伴侶はどこにいる?
地脈からたどる………。
結愛がいる?
どこにいるんだ?
なにかの力が邪魔をする。
いったいどう言うことだ。
たしかに結愛がいるのに場所が把握できないなんて!
「なに、しらばっくれてるんですか!」
セリアの尻尾攻撃が直撃した。
「いたた!おい、どう言うことだ!」
オレは言った。
「わ、私は例え一時期でも結愛ちゃんの子守りをしてたんです、担当竜として当然だと思います!雄竜にさらわれるなんて!どんなに恐ろしかったでしょう!」
セリアが蹴りを繰り出した。
「わー、やめろ!誤解だ!オレは誘拐してない!」
避けながら言った。
「じゃ、誰がさらったのよ!」
竜姫が爪攻撃をくりだした。
雌竜は怒らせると恐ろしいな。
「僕がいることもおわすれなく。」
最強の結愛の親父が静かに言った。
恐ろしい…本当にオレ殺される?
いや、死ぬわけにはいかん!
結愛を探さねばならん。
結愛が紫世界に来たのに
ここにいないと言うことは…。
何者かが誘拐したか?
「世界の果てまでいってきてください!」
最強の結愛の親父が力を放った。
「まて、誤解だ!」
オレはあえなく飛ばされた。
最強の結愛の親父と雌竜ども
誤解だといってるだろうが!
結愛、まってろ!すぐには無理だが
必ず、助けにいくぞ!




